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プラモデルの話

【ガンプラ】アクリジョンベースカラーはABS素材の下地塗装に使えるか検証してみました【FA:G】

投稿日:2019年3月29日 更新日:

アクリジョンベースカラーの特徴

クレオスの水性塗料「アクリジョン」シリーズから待望のベースカラーが発売されました。

海外製品のファレホやシタデルに対抗できる国産の高機能水性塗料として登場したアクリジョンシリーズですが、そのクセのある使い勝手と入手性の悪さからまだあまり普及するには至っていませんね。しかしアクリジョンは模型用塗料としては珍しいことにABSやレジンにそのまま塗装が可能とされています。

今こそ知ってもらいたいアクリジョンの適性素材一覧
PS樹脂◎
ABS樹脂 ◎
アクリル樹脂 ◎
ポリカーボネート ◎
PVC ○
レジン◎
ポリパテ ◎
エポパテ ◎
鉄 ○
非鉄金属 ○
木 ◎
紙 ◎
上記すべてプライマー無しでOK‼️
実はアクリジョンは幅広い素材にご使用頂けるオールラウンダー

— GSIクレオス ホビー部 公式 (@creoshobby_info) 2019年2月19日
今回試してみたベースカラーシリーズは、隠蔽力を強化して下地塗りに適した性能を持たせた製品だそうです。ということはこれまでプライマーに頼っていたABS等の塗装の際に、プライマー替わりの下地材として用いることが出来るかもしれません。

ただここで気になるのは、アクリジョンを下地として用いた場合の重ね塗りの適正です。

通常の重ね塗りは下地を溶かしてしまわないように重ねる順序を守らなければなりません。下地より強い塗料を上から重ねてはいけないのです。これまでの常識からすると水性アクリル塗料を下地として使った場合、その上にラッカー塗料を重ねることは出来なかったのですが・・・

気になるアクリジョンと既存の模型用塗料の塗り重ねについてのまとめシートです。アクリジョンの上にMr.カラー塗ってもいいんですよ、これが。

— GSIクレオス ホビー部 公式 (@creoshobby_info) 2013年11月27日

なんとアクリジョンはOKだというのです。一方で水性ホビーカラーへの上塗りはNGになっています。この辺も合わせて検証してみようと思います。

まずは重ね塗りの検証です

今回購入してきたのはベースカラーの「ベースグレー」「ベースレッド」「ベースイエロー」の3本です。本当はホワイトも欲しかったのですが売り切れで買えませんでした。

まずはプラ板の上に普通にベースグレーを筆塗りしてみました。比較のためファレホと水性ホビーカラーも同じ条件で同じように塗ってみます。比較しやすいように他の塗料もグレーにしました。ファレホだけはグレーを持っていなかったので白と黒の混色です。

いやはや聞いてはいましたが乾きが速いです。

乾燥後です。筆塗りの感触は個人的にはファレホの伸び具合が一番好きです。水性ホビーカラーは筆塗りだと辛いですねぇ、ムラムラになってしまいました。アクリジョンも筆ムラは出ますが乾燥するとつやが消えてあまり目立たなくなりますね。

ここから重ね塗りの検証です。


(画像拡大可)

5種類の塗料を筆塗りしてみました。使ったのはMr.カラー(ラッカー)のホワイトFS、ファレホの白、ベースカラーイエロー、タミヤアクリルのフラットアース、タミヤエナメルのバフです。

ファレホや水性ホビーカラーは上からラッカーを塗ると溶けます(当たり前)ファレホの方が溶け出しが速かったですね。一方でアクリジョンはラッカー塗っても溶けません、かなり強固です。そして聞いてはいましたが水性ホビーカラーの上にアクリジョンを塗った場合は見事に割れました。乾燥するに従ってヒビが広がっていくので見ていて面白かったです。他社水性塗料もNGのはずでしたが、ファレホに対しては大丈夫でした。

ABSパーツに試してみる

例によっていつも実験に使っているコトブキヤのボルトレックスのパーツにベースイエローを塗ってみました。

イエローは隠蔽力が低くて一度塗りではムラが消えず、乾燥後に重ね塗りをしてやっと色が出ました。ABSに対する浸食は全く感じられずパーツを傷めている様子はありません。当然パーツが割れたりもせず普通に塗装できました。

次にやはりコトブキヤのABSパーツでベースレッドを試してみました。


(画像拡大可)

若干筆ムラは出ましたがレッドの方が隠蔽力がありますね。一度塗りでここまで行けました。そこでもう少し踏み込んで検証してみます。

比較しやすいように右下のパーツに対してプライマー処理の後、サーフェーサーを吹いて下地を作り、その上で右の2カ所にはMr.カラー(ラッカー)のモンザレッドを吹いてみました。


(画像拡大可)

悪くない感じです。乾燥後触ってみた感じでは塗面もかなり強固です。サーフェーサー下地の場合と比較しても遜色ありません(ただサフの有無で光沢の具合に微妙な差が出ましたね)

折角なのでもう一つ、

まずプラ板の上にベースレッドを筆塗りしました。どうしても筆ムラは出ますね。そこからモンザレッド吹きつけ → スーパークリアー吹きつけ → ペーパーとコンパウンドで研ぎ出しまでやってみました。


(画像拡大可)

テカテカに出来ましたが、やはり最後まで筆ムラが残って足を引っ張ってしまいましたね。でも逆に言えば筆ムラさえ抑えられればラッカーの下地として十分な性能があると言うことです。実際爪でこすってみても剥がれず、かなり強固な塗膜を形成できているのを確認できました。

今回の結論

  • アクリジョンはABSにも問題なく使える
  • ラッカー塗装の下地塗りとして有効
  • ベースイエローは隠蔽力が低く、グレーやレッドの方が隠蔽力は高い

と言うことが分かりました。これならプライマーの替わりに下地として使うことが出来そうです。もちろんそこからアクリジョンだけで仕上げていってもいいでしょうし、ファレホなどの別の高機能水性塗料を仕上げに使ってもイイでしょう。私の場合はラッカーになると思います。問題は筆塗りの際の筆ムラくらいですかね。

筆ムラを抑えるためにはエアブラシで吹いてしまうのが一番手っ取り早いのですが、アクリジョンの場合はそこに問題が出てきます。多くの人がおっしゃっておられますがアクリジョンでのエアブラシ作業にはかなりクセがあるそうです。今回の実験結果だけ見ても

  • 塗料の乾きが速い → エアブラシが詰まりやすい
  • 乾いた塗料はラッカー溶剤でも容易に溶けない → エアブラシの清掃が大変

と言うのはすぐに想像できます。そのうちエアブラシも試してみたいとは思いますが、幸い私はラッカーを普通に使える環境ですので無理にやる必要はないかな~とも感じています。下地で使うだけなら筆塗りの後ペーパーで整えてあげれば良いわけですし、多分その方が楽です。

またアクリジョンの現時点での欠点として、入手性の悪さが上げられそうです。今回私は秋葉原のヨドバシで購入してきたのですが、同じ秋葉原のTamTamでは取り扱いがなく、ボークスはファレホ推しなので当然取り扱いなし、という状況でした。最近は塗料の種類がかなり増えていますので大型店でも積極的には置いてくれそうにありません。ましてや個人商店の模型店などではスペースの都合もあってなかなか取り扱ってはくれないでしょう。通販では送料で割高になってしまいますし・・・

とはいえ手軽に確実にABSを塗装する手段が増えたのはありがたいことだと思います。なにもひとつの塗料にこだわる必要はないのですから、要所要所で使いやすい物を選択していけばいいんですしね。

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執筆者:


  1. かっぴー より:

    筆質のことに対してクレオスからコメントがありましたが、
    どのような筆で塗られたのか書いて頂けると助かります。

    • raccoon81920 より:

      クレオスのコメントを読んでいないのですが
      私は普段はごく平凡なタミヤの筆ばかり使ってます。
      記事の実験で使ったのは主にタミヤの平筆です。
      安価ですし、入手も簡単で劣化してきたらすぐ同じ物と交換できますので。
      あまりお役に立てない返答ですみません。

      • かっぴー より:

        レス有難うございました。
        クレオスとしては「腰の無い筆のほうがいい」とのこと。
        速乾性の塗料ゆえの配慮なのではないかと思います。
        自分も田宮の筆、使ってみようと思います。有難うございました。

  2. けっぴー より:

    アクリジョン下地、ラッカー上地の相性を知りたくて検索しまくってたらここに来ました。わかりやすい説明、検証、ありがとうございます。参考になりました。

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