壊れた大人のマインドノート

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プラモデルの話

ガンプラのABS素材の塗装による割れを、各種溶剤で比較検証してみました

投稿日:2018年10月25日 更新日:

ガンプラのABSは割れやすい

先日ガンプラを作っていた際、ABS素材のフレームに墨入れと拭き取りをしていたところペキッと割れが出てしまいました。

最近ガンプラ以外のプラモばかり作っていたので、ガンプラのABSが割れやすい事をすっかり忘れてしまっていました。

割れた箇所は補修可能な状態だったので特に問題にはならなかったのですが、丁度良い機会ですのでガンプラのABSと各種溶剤の相性を検証してみる事にしました。

実験の条件

ABSは組み立てなどで力が加わった際に細かいクラック(ヒビ)が発生し、そこに溶剤が浸透し反応する事で樹脂素材をもろくして割れてしまうのだそうです(ケミカルクラックという)。塗装する際には溶剤が浸透しないように薄く塗り重ねるなどの手法がよく行われます。また余計な力がかかってクラックが発生することがないようにパーツを削って調整したり、あらかじめ組み立て前に塗装したりなどの手法もとられます。

今回は実験ですので、ABSのランナーを切り出して、思いっきりクラックを作ってから溶剤を浸透させて変化を見ます。

 

まずランナーを用意して、力を入れて曲げてやります

 ←画像拡大可能

左は曲げていない物、右が曲げを入れた物、です。白い細かいクラックが無数に入っているのが分かります。ここに溶剤を浸透させてやればいいわけです。

試す溶剤は以下の通り。

 

  • ガンダムマーカーの流し込み墨入れペン
  • ガンダムマーカーの消しペン
  • Mr.カラーのラッカーシンナー
  • タミヤのアクリルシンナーX20A
  • タミヤのエナメルシンナーX20

以上5種類です。先日は流し込み墨入れペンを使ってスミを入れ、消しペンで修正をしているときに割れを経験していますので、この2本も試してみることにします。ペンの注意書きにも「ABS製パーツに塗ると、塗料の浸透によりパーツが割れる事があります」ってしっかり書いてありますね・・・

※ガンダムマーカーには様々な種類があり、墨入れ用とされている物だけでも「流し込み墨入れペン(アルコール系)」「油性ペン」「筆ペン(水性)」があります。普通のガンダムマーカーはアルコール系、他にリアルタッチマーカー(水性)という物もあります。ABSに対して浸食性があるのはアルコール系です。

では塗っていきます

 

 

実験ですので、たっぷり塗ってあげました。

少し時間をおいて、十分反応させてからもう一度ランナーに力をかけてみます。

予想はしていましたが、簡単に割れました。意外な事にガンダムマーカー消しペンの方がラッカーシンナーよりあっさり割れました。この消しペンは危険です。ABSに使うのはやめましょう・・・
ガンダムマーカーでも水性の物(墨入れ筆ペンやリアルタッチマーカーなど)なら安心して使えるんですけどねぇ

割れ口断面です。ラッカーシンナーの方は途中まで浸透して止まってる感じなのですが、消しペンの方は全体に樹脂劣化が進んでいました。おそらくラッカーシンナーの方が揮発が早いため、奥まで浸透しきらなかったのではないかと思います。

残りの3種については割れませんでした。流し込み墨入れペンも割れていません。しかし3つとも曲げの力を加えると実験前よりも柔らかくなっている感触がありますので、劣化は進行しているのだと思います。

以上から考えられるのは

  • やはりABSへの塗装については、極力ラッカー系は避けた方が良い
  • アクリルやエナメルも樹脂に悪影響を与える
  • 水性アクリル系の方が多少はリスクが抑えられると思われる
  • ガンダムマーカーの消しペンはABSへの使用はリスクがかなり高い

と言えそうです。

ついでに試してみます

こちらはABSはABSでも、バンダイスーパーミニプラ、ガオファイガーのABSランナーです。

同じように曲げて力を加えてから、ラッカーシンナーを塗ってみました。

 ←画像拡大可能

あっさり割れるかと思いきや、白いヒビは入りますが割れません!

もともとスーパーミニプラのABSは触った感じでも少しガンプラの物より柔らかい感触で、わずかな力でも白く変色したりします。ですがシンナーを浸透させても、クラックは出ますが割れまではしませんでした。ガンプラのABSとは成分がだいぶ異なるようです。

実のところ最近スーパーミニプラはいくつも作っており、ラッカー塗料でお構いなしに普通に塗ってしまっているのですが、今まで一度も割れに遭遇した事がありません(そのノリで調子に乗ってガンプラ作ってたら割れちゃったんですよね・・・)

ただミニプラのABSは本当に柔らかくて、強度的にも精度的にも少々劣るという印象はあります。なかなか上手くいかないですね。

と言うわけで、私なりの結論ですが

  • リスクを避けるなら、ABSパーツの塗装はオススメできない
  • 墨入れ程度なら水性のガンダムマーカーを推奨(流し込みタイプと消しペンは駄目)
  • どうしても塗装する場合は、組み立て前に塗るか、余計な力が加わらないようにパーツ処理を徹底する
  • 使用する塗料は水性アクリル系を用い、薄くエアブラシで塗り重ねて、出来るだけ溶剤が浸透しないように配慮する
  • 汚し塗装でのエナメル塗料の使用も避け、水性のガンダムマーカーなどを利用する

と言ったところでしょうか。
割れる割れないは運に左右される部分もあると思いますので、リスクを極力避けるのが肝要なようです。

しかしバンダイさん、もう少し別の素材にはならないものですかねぇ・・・

※この記事の段階では塗装はオススメできないと書きましたが、続きの記事で実際の塗装手段をご紹介しております
ABS素材の塗装による割れを検証する・コトブキヤ編
ABS素材の塗装による割れを検証する・実践編
アクリジョンベースカラーがABSの下地塗装として使えるか検証

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小学生時にガンダム直撃のオッサン世代
プラモデル作りは精神を落ち着ける大事な時間
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