セリアのUVレジンを使ったプラモのパーツ複製、手順やパーツの精度について
セリアの「ものづくり」用品は凄い
100円ショップも色々ありますが、総合的な品揃えで攻めるダイソーやキャンドゥに対し、セリアはクラフト用品などの充実が著しいことで知られています。
特に最近はプラモデル作りにも応用できる商品が増えており、塗装用のクリップやスティックヤスリ、スポンジヤスリなども販売されていて驚かされます。
先日などは、ネイル用のミラーパウダーをクリアーカラーと混ぜると簡易的なマジョーラ塗装が出来るというので話題になっていました
(※マジョーラ塗装:見る角度や光の当たり方で色が変化する、偏光カラーと呼ばれる特殊な塗装。仮面ライダー響鬼のスーツの塗装に使われたことで有名)
実は私もミラーパウダー買いに行ったんですが、時既に遅く、ネイルコーナーの一部分だけ品物がない状態でした(苦笑)
以前はクレオスやガイアノーツからもこのタイプの塗料は発売されていたのですが、今となっては残念ながら入手困難になっています。
で、今回はUVレジンを買ってきた
狙っていたミラーパウダーはなかったのですが、せっかくなのでこれを買ってきました。
型取り用のシリコーンゴムとUVレジンです。この2つを買って合計220円(税込み)
昔はプラモデル用のパーツの複製というと缶入りの2液混合式シリコーンゴムやレジンしかありませんでしたが、価格も高く取り扱いも難しい物でした(もちろん精度の高い複製をしたければ、現在でもそういった物を使うことになりますが…)
それが今や少量とは言え100円ショップで複製材料が手に入るわけです。なんとも時代は変わりました。
しかもこのレジンはUV、すなわち紫外線をあてると反応して固まります。とってもお手軽です。
とはいえ使ったことのない商品なので、使い勝手や、どの程度の精度で複製できるのかがよく分かりません。まあ安い物ですので、実験がてら試してみたいと思います。
では、やってやりましょう!
今回複製を試すことにしたのはこの部品
30MMの胸の穴を隠すためにガンプラから流用しているFAガンダムのエアインテークと、同様に穴隠しに使えそうなRGガンダムMk-2のエアインテークパーツです。こういった部品を量産できると今後の30MM作りに役立つなぁ、という希望的観測による目論見でもあったりします。
まずは型取りです。シリコーンゴムは2液混合式なので、同量を練り合わせてやります。エポキシパテの要領ですのでそんなに難しくはありません。練った感じはかなり柔らかく、エポキシパテよりも混ぜやすかったです。
切り取った紙コップに敷き詰めました。これにパーツを押しつけて型を取ります。
シリコーンゴムが硬化してからパーツを外してみたところ、左上の型取りは失敗してヘコミが出来てしまっていました。どうも押しつけ方がよくなかったようです。ともあれ、今回は実験ですのでこのまま進めます。
次はこの型にUVレジンを流し込みます。最近は気温が低くなってきていますので、流れやすいように湯煎で温めてから流し込みました。温めて流動性をよくしてやることで、気泡が入る確率を少しは減らすことが出来はずです(説明書にもそのように記載があります)
窓際に置いて太陽の光にあてたところ、すぐに固まりました。
5分ほどでカチンコチンになり、全くべたつきも無くなりました。ただ奥の方は固まりきっていない可能性もありますので、表面が固まったあとも少しじっくりと日光浴させておきます(別途、蛍光灯の光でも硬化を試してみたのですが、蛍光灯ではなかなか固まらず、表面もベタついたままでした。やはり日光に当てて一気に硬化させるか、UVライトなどの用意をした方が良さそうです)
さて完全に固まりましたのでシリコーンから取り出しました。
このままだと仕上がり状態が分かりにくいので、アクリジョンベースカラーのベースグレーで着色してから元のパーツと比較してみることにします。
4つ作ったうち、左上の物は型取りの段階で失敗していましたので細かいディテールが潰れてしまっていますが、右上の方は割と上手く出来ました。もっと全体的にツブれてしまうかと思っていたのですが、予想していたより細かいモールドが残っています。ただまあ、やはり全体的にダルい造形になってしまうのは仕方ないところですね。また、マーク2のパーツは表面が少々ザラついてしまいました。
外枠のエッジのダルさやザラつきなどはここからパテやヤスリがけで修正していけばよいのですが、この部品の場合、内側のディテールを堀り直して修正するのはさすがに厳しいです。複製して使用するなら、仕上げを直しやすいマーク2のパーツの方が無難そうです。
余計な部分をニッパーで切り取り、裏をヤスリで平らにして実際に取り付けて比較するとこんな感じです。やっぱり造形がダルいですねぇ。
とはいえ、安価に小さいパーツの複製ができますので、このUVレジンはなかなか有効だと思います。
もう少しディテールの少ないパーツや、エッジ出しなどの修正作業がやりやすい形状のパーツの複製であれば、かなり役立ってくれるんじゃないかと思います。精度的に劣ると言っても、本格的なシリコンやレジンを使って複製をとるのに比べたら圧倒的にお手軽です。
また、このUVレジンはは100円で4g入りとのことで、たくさん複製を作りたいような時には少々コストパフォーマンスは悪くなってしまいます。通販サイトを見てみると下記のような商品も販売されていますので必要に応じてこういった物を購入するという手もあります。
1980円(2019年11月時点の価格)で100g入りですので、100円あたり5.05gです(もっと大容量で単価の安い物も販売されています)
大した差ではありませんが、選択肢の一つとして覚えておいても良さそうです。