登場から10年・・・
タイヤの話を続けていたので、ロードチューブレスについても触れておこうかと思います。
約10年前に登場した当時、自転車雑誌等では「素晴らしい乗り心地」とか「チューブラーとチューブレスにしかタイヤの未来はない」などと絶賛されていました。クリンチャータイヤはいずれ滅びるからチューブレスにしろと煽っていたんですね。
しかし現状はどうかというと、主流になるどころか普及率はまだまだ低いですよね。未来がなかったのはどっちなんだか・・・
最大の原因はタイヤの着脱の難しさにありました。
チューブレス導入の思い出・・・
私も当時乗せられて、ホイールとタイヤ一式購入したクチです。2011年の2月でした。
購入したのはフルクラムレーシングゼロの2WAY-FITモデルと、ハッチンソンのフュージョン3というタイヤでした。
まず取り付けで悪戦苦闘、とにかくタイヤが入らない。タイヤレバーは使わない方が良いという話でしたので何とか指だけで1本入れたのですが、もう指が痛くてどうしようもなくて、2本目はレバー使って押し込んだ記憶があります。
で、空気を入れたところ、ビードは上手く上がったものの、すぐに空気が抜けてしまう。2本とも同じでしたのでレバー使った事は関係ない。どこから漏れてるのか確認するために石けん水をタイヤに付けてみたら、タイヤサイド全体からブクブクと漏れているという状況に唖然としましたね。あわててググってみたらフュージョン3はそういう初期不良があるという情報を見つけてガッカリでしたよ。
結局シーラントを入れたら空気漏れは収まったのでその状態で使ったんですが、あのタイヤはグリップもあまり良くなかったですね。下り坂のコーナーで軽くブレーキかけたら後輪がタイヤロックしてコントロール失って落車しました。まあこれは私が下手くそだったと言えばそれまでの話なんですが、問題はその後。
落車したときに前輪がサイドカットしてしまっていて、シーラントもダラダラと漏れている状態でした。このままでは走れませんので予備のチューブを入れてクリンチャーとして使おうと思ったのですが、このタイヤが外れない外れない。ただでさえシーラントでベタベタの手は滑りまくるし、落車の時に右手首を痛めていたので力も入らない。
結局このときはパンクしたタイヤのまま数キロ走って駅までたどり着き輪行で帰りました。
帰宅して数日後、手首も治ってから落ち着いてタイヤを外そうとしたのですが、どうあがいても外れず、頭にきてニッパーでタイヤを切り裂いて外しましたね。それ以来ハッチンソンのタイヤは使わないと心に決め、チューブレスも使うのをやめました。よほどの事がない限り二度と使う事はないでしょう。この件でシーラントも嫌いになりましたので、シーラント必須のチューブレスレディなんて私にしてみれば論外もいいところなのですよ。
よく「シーラントで塞ぎきれないパンクの時はチューブを入れれば良い」という雑誌記事や個人ブログなどを目にしますが、シーラントでベッタベタ状態のホイールにチューブを入れる難易度を一切無視した記事だと思います。自分でやったことがあれば絶対に書けない記事です。こういうのを鵜呑みにしてはいけません。
一方で
最近またチューブレス普及拡大の動きがあるようです。タイヤの着脱がだいぶ楽な商品が出てきているようですし、大手メーカーも対応ホイールやタイヤの種類を増やしてきました。コンチネンタルのGP5000にチューブレスモデルが登場したのも象徴的だと思います(ただコンチネンタル社によると、一般流通のGP5000チューブレスとプロレース向けに供給する物とは仕様に違いがあるとか・・・それはどうなんでしょうねぇ)
ですが10年経っても相変わらず「タイヤの着脱」について語られているという時点で、まだ問題のある商品と言わざるを得ないと思います。最初に発売するときにこのような問題を解決しておかなかったメーカー側の失敗でしょう。以前購入して着脱でキツい思いをした人は再度買おうとは思いませんからね。新商品をすぐに試してくれるオイシイ客層からそっぽを向かれた状態なわけです。その人達が購買層の中心から退いた後、性能的に問題なくなるか本格的にチューブレスしか選択肢がなくなってきたら一気に普及するんじゃないかとは思います。
着脱に善し悪しが出ている原因には、タイヤとホイールの規格のすりあわせが出来ていないから、つまりどのタイヤとホイールが相性良く取り付けられるのかが分からないという点にもありますね。上記のGP5000だと、多分プロ用はそのチームが使うホイールメーカーに合わせて寸法の調整をするんじゃないかと思います。また私がかつて経験したフルクラムとハッチンソンの組み合わせは最難関の組み合わせの一つだったらしいです。
メーカー側もそのあたりは承知していて、ワイドリムとワイドタイヤに規格を切り替えていくことでかなり改善しているようです。また最近は最初からホイールとタイヤをセットにした製品も登場していますね。マビック社のUSTという製品が代表格ですがこれはだいぶ評判も良いようです。
でもマビックのタイヤってハッチンソン製なんだよなぁ~~~~
3年前の記事を見てやはりか!と思い驚愕してます。2013モデルのジャイアントTCRSLに同社のSLR1チューブレスレディホイルにIRCのチューブレスレディタイヤをスタッフさんから勧められて購入しましたが、当記事と同じで、パンクした際のリカバリーがほぼ不可能。又、インストールが非常難しく入ってもビートが上がり難く上がっても、翌日には、エアが抜けてビートも落ちてシーラントで周りがベタベタ。最初はインストールの方法が悪いのかと思いきや、ホイルとタイヤの相性が有るとは知らなかった。結局はコンチのGP5000に軽量チューブで走ってますが、こちらの方がコスパが非常に高いと判断しました。この記事を見て納得ですね。後、最近のジャイアントがほぼ、チューブレスレディ仕様になってますが、みんなこの問題をどうしてるのでしょうか?
いやもうね、本当にチューブレスは色々と罪深き商品だと思いますよ。
いずれは改善されてもっと使い勝手の良い商品に変わっていくかもしれませんが
乗り換えるのはそれからで十分だと思います。
現状では普通のチューブドタイヤで十分です。GP5000使っておけばまず間違いありません。
チューブレスレディを愛用している方々はホントどうされてるんでしょうね。
苦労されてると思うんですけどねぇ。