(以下、ストーリーのネタばれを含みます)
シーズン2第3話(通算13話)「永遠のトム・パリス」”We’ll Always Have Tom Paris”のあらすじ
死んだはずのシャックス大尉が食堂で食事をしているのを見てラザフォードは驚く。マリナーは艦隊士官が生き返るなんて良くあることと取り合わないが、ラザフォードは彼が生き返った理由が気になって仕方がない。
ボイムラーはセリトスにトム・パリスがやってくると聞いて大興奮。しかしセリトスのユーザー登録がまだ完了していないため艦内の移動すら不自由する始末。
一方、テンディはドクター・タ・アナから私用で内密の任務を言い渡される。クアラ2号星に預けてある家宝をとってこいと言うのだ。
テンディはマリナーを誘って、共にクアラ2号星に向かう。
順調に目的の荷を受け取ったまではよかったが、好奇心から中身の人形を壊してしまい、2人は修理屋を訪ねてエアハート宇宙基地へ向かう。
修理代のラチナム50枚を稼ぐため適当な異星人をカモにしようとするが、裏目に出て余計に壊してしまう。
そこで今度はテンディの従兄弟が所属しているオリオン宇宙海賊の基地へ向かう。
オリオン人に変装して基地に侵入し従兄弟に修理を依頼するが、変装がバレて海賊達に終われるハメになってしまう。
なんとか基地を脱出したものの、ドクターの人形はボロボロに壊れてしまった。
任務を失敗して落ちこむテンディだったが、ドクターが必要としていたのは人形ではなく箱の方だった。
ドクターは箱に入ると、猫のように猫なで声を上げるのだった。
情報を整理してみる
- トム・パリスはまだ中尉だそうです……(少佐になったはずでは……)
でも階級章は大尉です。原語も吹き替えも台詞では中尉と言ってますので、多分コーンが飛んだんでしょう(苦笑)※見直してみたのですが、原語で明確に「中尉」と言っているシーンはありませんでした。私の思い込みと勘違いです。申し訳ございません。 - 今回の台詞でドクター・タ・アナの種族はケイシャンで確定です(これまでハッキリとは明言されてませんでした) ※綴りは”Caitian”で”カイト人”とか”ケイティアン”と訳されることもあります(紛らわしい)
- ケイシャン人は猫型だけに発情期があり、それを発散するためにリビドー・ポールという人形を使うそうです
- クアラ2号星にはクワークの店がありました(スタートレック:ピカードで登場した店より看板が派手ですね)
- テンディによると、クリンゴン音楽はアシッドパンク・ロックしか聴く価値はないそうです
- マリナーはDS9で勤務していた経験があるとのこと。それもウォーフと同時期に働いていたらしいです(えっ、どの時期?……ってどう考えてもドミニオン戦争の頃ですよねぇ)
- 連邦の人間はオリオン人に対しては偏見が酷いそうです(前回もそんな描写がありましたね)
- テンディの従兄弟のドニはアートの偽造が仕事とのこと
- シャックス大尉が生き返った理由は秘密だそうです。何か恐ろしい秘密があるらしいのですが……?
- 冒頭でボイムラーが注文していたププサという料理はエルサルバドル料理とのこと
今回の元ネタ解説
※小ネタは多すぎて全部は把握できていません。何か思い出したらまた追記します。
- トム・パリスはスタートレック:ヴォイジャーのメインキャラクター。演じたロバート・ダンカン・マクニール氏がちゃんとゲスト出演で声を当てていらっしゃいます。日本語吹き替えもちゃんと森川智之さんですよ!!
- トランスワープでオオサンショウウオになってしまうのはVOYシーズン2第15話「限界速度ワープ10」
- フェア・ヘブンはVOYシーズン6第11話「愛しのフェア・ヘブン」より
- キャプテンプロトンもトム・パリスのホロデッキプログラムですね
- シャックスが生き返った理由を色々予想しますが…
・転送で出来た双子、については前回のトーマスの件ですね
・カトラを戻した、は劇場版「ミスタースポックを探せ」ネタ
・平行宇宙オチというのは鏡像宇宙(テラン帝国)ネタ
・ボーグの技術で生き返るというのは、ボーグドローンにされる場合の他にVOYシーズン4第12話「大いなる森への旅」も入ってるかと
・別のタイムラインから来た未来の息子はTNG「クリンゴン戦士への道」
・エネルギーリボンに捕らわれたのは「ジェネレーションズ」のネクサスネタ - ピカード艦長はネクサスでクリスマスを楽しんでました
- クアラ2号星はTNGシーズン5第7話「潜入!ロミュラン帝国・前編」でエンタープライズが訪れていますが、その際は艦隊の廃船集積場しか描かれませんでした
- マリナーが壊したと言っていた「メクラフ」というのはクリンゴンの短剣
- マリナーがドムジョットで勝負をふっかけた相手はノーシカン人。TNGシーズン6第15話「運命の分かれ道」のパロディになっています
- ケイゾンはVOYシーズン1~2にかけての主な敵対勢力です
- クワークの店の右側の看板はTNGシーズン5第8話「潜入!ロミュラン帝国・後編」に登場した4本腕のピアノ奏者、左側はチューチューダンスのゼビュロン姉妹。ヴィック・フォンテーンはDS9シーズン6第20話「心をつなぐホログラム」から登場した名物キャラクター
- プラズマ連結管の中で炎に追われるボイムラーのシーンは、DS9シーズン6第14話「ルビコンの奇跡」でルビコン号が炎に追われるシーンのパロディかと
今回の感想
もう今回はサブタイトル見ただけで爆笑しました。
トム・パリス(本人)登場ですよ!! でも登場時間はちょっとだけでしたね。サブタイトルになってるのに全然メインじゃねぇ!(苦笑)
でも「ケイゾン人!」と声を上げていきなり殴りかかるのは笑った。
お話の中心はマリナーとテンディの女子旅の方でした。確かにこの2人ってこれまであまり絡んでなかったですね。
オリオン人は海賊だのシンジケートだのと悪名は轟いていますが、意外なほどその犯罪が直接描かれた事って少ないんですよねぇ。悪いオリオンの描写が一番多かったのはディスカバリーのシーズン3ですからね。
しかしシャックス大尉が生き返るとは……タマリアン人のケイション中尉は出番前回だけですか!? と思ったらちゃんとブリッジにはいたので一安心。このまま退場したのではもったいなさ過ぎますからね。
それにしても登録が不十分なだけで人間に対する安全を完全に無視するコンピューターひでえ……やはり宇宙艦隊はブラック企業だなぁ(苦笑)
あと箱に入ったドクターが可愛すぎました。
「ローワーデッキ」の目次はこちら
パリスについては、デルタ宇宙域からの帰還から3年程経っているのにまだ大尉?というのは思いましたが、
ジェインウェイ艦長に正式な階級章を貰って復職したとはいえ、
公式には一度除隊はされているので、本人がけじめのためにも少尉からやり直す事にしたからだったのかなと…
他の上級士官のプレートは既にサイン入りという事でしたが、
ジェインウェイやチャコティ、トゥヴォックには既にサインを貰っているという事実にちょっと草が生えました
あれだけの冒険をくぐり抜けてきて艦隊に名前が知れ渡ってる割には階級が低いですので、その辺にもう少し理由付けは欲しい気がします。
とはいえ、その辺をあまり詳細に描かずに視聴者の想像に任せるというのも手法としては正解ですし、あくまでゲストですからこのくらいの扱いで丁度良いのかもしれませんね
はじめまして ボーグのテクノロジーでよみがえった、といえば、ウィリアム・シャトナー小説版のカーク船長(非正史)もネタに含まれているのかな、と感じました。
ちなみにJJ版の映画がつくられる際、シャトナー自身「私の所にはオファーが来なかった、ボーグのテクノロジーでもなんでもカークを生き返らせる理由付けはできたはずだ」と言った旨発言されていたように記憶しています
はじめまして
ボーグテクノロジーはその辺いろいろと便利ですよねぇ。
さらに非正史まで言い始めると益々収拾が付かなくなりそうです。
ただシャトナーさんについては、オファーがあったとしても今更カークとしての復活はなかったんじゃないかと思いますけどね(苦笑)
伝説の船長は伝説のままの方が良いと思うのです・・・
スタートレック(09)では実際にシャトナー本人が最後に出演する脚本は作られていて、
プライムスポックが若スポックとの会話の終わりに「果たせなかった夢」として、プライムカークからの大使就任祝いのホログラムメッセージを渡すシーンが予定されていたそうです。
スケジュール諸々で実現はしなかったようですが…
いつか宇宙に戻ってまた2人で旅をしたいという夢を語るもので、個人的には今でもたまになんでこの時にシャトナーとニモイの組み合わせの出演が実現しなかったんだろうと悔しい?気持ちになるものでした。
あーなるほど
そういう形での出演なら良いですねぇ。
テーマ的にもサービスシーンとしても上手くまとまりそう。
ニモイ氏がお亡くなりになる前にもう一度ぐらい共演が見たかったというのは同感です
むむ?大尉の階級章をしてなお、「中尉」の可能性を捨てきれないでいらっしゃると?
>日本語訳の方は盛大に誤訳だったと言うことになりますが、それもちょっと考えにくいです
いやぁ~?DS9冒頭の「シスコ中佐」の例を挙げるまでもないですが
「盛大な誤訳」はソコソコありますよぉ?(^^;;;
(20年近くかけても思ったよりは見つかりませんでしたが)
それこそ単なる誤訳/錯誤なら枚挙に暇もなく
ホントに監修者の仕事に翻訳のチェックは入っていないのかと疑うほどに…
あ、話は変わりますが今回はいつも以上に小ネタの宝庫でしたね。
シャックスの生き返り方法の推測がこれでもかと出ましたが
訳出されなかったものに”Genesis Device”がありました
それと「ギタール」。TNG”LOWER DECKS”でウォーフがシトー少尉に嘘の昇格試験名として挙げていました
それがクリンゴンのアシッドパンク曲の名前ってのは何なんですかね?たまたまの一致なんでしょうか
>「盛大な誤訳」はソコソコありますよぉ?(^^;;;
それはそうなんですが、昔のシリーズはともかく、最新のシリーズでそんなチェックの甘いことするかなぁ?というのと
やはりどうしてもコーンの件が引っかかって(苦笑)
アレのせいでローワーデッキの階級章が信じられなくなりましたわ。
まあ「盛大な誤訳」だった可能性は高いとは思いますけどね。
細かいネタはやっぱり拾いきれませんです。
海外サイトとかもチラチラ見て拾ってるんですけど、どうしても限界はあります。
ご指摘の2点も自分は気づいておりませんでした。さすがです。
他にもネタが入っているのは分かるものの意味を掴みかねて記事には入れてないものもあるので、全体の把握はホントに難易度高いです。
ローワーデッキは濃すぎます(苦笑)
>トム・パリスはまだ中尉だそうです……(少佐になったはずでは……)
>でもなぜか階級章は大尉です。原語も吹き替えも台詞では中尉と言ってます
すみません、なぜ「中尉」なんでしょう?
原語も確認しましたが、一貫して “Lieutenant Paris” であり、中尉と言っているところはないと思うのですが?
(Lieutenant junior grade codyというのはありましたが)
ご指摘ありがとうございます
改めて見直してみたのですが、junior grade まで言ってるシーンはなかったですね。すみません日本語訳に引きづられて言っていると思い込んでしまいました。「Lieutenant」だけでは大尉か中尉か判別出来ませんよね。
普段なら日本語訳よりも映像に映っている階級章の方を信じるところなのですが、前回のコーンの件にも惑わされてしまいました(苦笑)
記事の方には訂正を入れておきます。
しかしそうすると日本語訳の方は盛大に誤訳だったと言うことになりますが、それもちょっと考えにくいです、う~ん?