スタートレック: SNW・S2第9話「亜空間ラプソディ」あらすじや感想など
シーズン2 第9話「亜空間ラプソディ」”Subspace Rhapsody”のあらすじ
エンタープライズはクリンゴン領域の近くで発見した亜空間の「ひだ」を利用して、亜空間通信の速度を上げる実験をしていた。
またU.S.S.ファラガットからは研修のためジム・カークもやってきており、船内はあわただしい。
だがぺリア中佐の思い付きからアメリカのミュージカル曲を通信に乗せてみたところ、異変が起きた。
クルーの感情の揺れ動きに合わせてどこからともなく音楽が響き、クルーたちは歌いだしてしまうのだ!
細かい理屈は分からないが、クルーが歌わずにはいられなくなるという非現実的な世界が発生しており、エンタープライズはそのフィールドにとらわれているらしい。しかもミュージカル同様に感情の高ぶりを歌で表現するため、人前で口に出しては問題があるような本心まで歌ってしまうのだ。
スポックたちはこのフィールドを閉じるために奮闘するが、状況は悪くなる一方だった。
やがて非現実フィールドは亜空間を通じて艦隊全体へと広がり、さらにはクリンゴンにまで影響が及んでしまい……
情報を整理してみる
- チャペルはコービー博士の研究プログラムに合格したとのことでしたが、コービー博士は2261年に行方不明になることが確定しています。しかもその時点でチャペルの婚約者です(TOSシーズン1第7話「コンピューター人間」)
今回のお話は2259年ですので、あと2年の間にチャペルさんと親密な関係になるということになります。まあこれも破局確定なわけですが…… - チャペルは合格は嬉しいものの研究に参加すれば船を離れることになるため、スポックになかなか合格を打ち明けられませんでした。それをきっかけにスポックとの関係にすれ違いが生じてしまい、結局チャペルは研究への参加を優先すると決意したようです
- ラアンは「明日、明日、そして明日」の事件以来ジム・カークへの恋愛感情を秘めていましたが、歌のせいで本心を明かしてしまうくらいなら自分から言おうと決意し、告白の末に見事玉砕しました……
- カークの会話に出てきた恋人キャロル・マーカス博士は、劇場版「カーンの逆襲」に息子のデビットと共に登場します(例のジェネシス装置を開発する科学者です)カークは妊娠のことを知ってましたが、実際に出産したことは聞かされないまま別れることになるんでしょうね
- ガーコグ将軍は胸の紋章から判断すると、シーズン2第一話「壊れた環」に登場したクリンゴン人船長と同じ一族の模様です。どちらもスポックにブラッドワインで懐柔されてしまいましたね。まあ単に紋章の小道具を流用しているだけなのかもしれませんが(?)
- 将軍のクリンゴン艦はクティンガ級。あのコバヤシマルテストに登場するクリンゴン艦もクティンガ級です
- クルー全員での大合唱により「グランドフィナーレ」を演じることで、非現実フィールドを破壊することに成功しました
- 今回の宇宙歴は2398.3
今回の感想
長い歴史があるスタートレックシリーズですが、ミュージカルは初めてです。いやすごいなこれ。
さすがに日本語吹き替えまで声優さん達に歌ってもらうのは無理だったようで、歌部分は英語のままです。なので日本語字幕を表示させないと何が何やら分かりません! wowowオンデマンドで観てますが、吹き替えでも字幕を表示できるシステムになっててよかったです!(Amazonみたいに字幕版と吹き替え版を別で配信されたら大変分かりにくくなるところでした)
歌いながらダンスする副長とカークを物陰から見つめているラアンには爆笑。でもそこからラアンのシンミリとした曲に入るのは上手い。ラアンはカークの件引きずりまくってますなー、時計も大事に持ってるしー
その一方で、ブリッジで痴話喧嘩する羽目になってしまうパイク船長かわいそう(苦笑)スポックは失恋の歌まで論理的ですなー
ミュージカルが心情表現も全部歌で表現しちゃうという ”あの不自然さ” を逆手にとって、それをストーリーの肝として使ってしまうアイデアは見事というしかありません!
解決方法もまたミュージカルに沿っているのも素晴らしい。それがスタートレックの「他者との協調・協力」というテーマにも繋がっていますし、このシナリオのアイデア考えた人には賞賛を送りたいですねー。感情の高ぶりが数値で表示されてゲージが上がっていくのも解りやすくて良いです。
そしてもちろんこの難しい内容を演じきった役者のみなさんもお見事でした。まあよく見てるとダンスとか苦手そうな人は動きで分かりますけどね(苦笑)
ところでふと思ったんですけど、アメリカのミュージカルじゃなくインド映画の曲を亜空間に送ってたらどうなってたんだろう。全員で激しく踊ることになってたんだろうか(笑)
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