(文中にネタバレを多数含みます)
シーズン3 第5話(通算25話)「偽物」”Imposters”のあらすじ
連邦領域へと帰還したU.S.S.タイタンはU.S.S.イントレピッドと合流する。ようやくピカードとライカーを追い出せることにショー艦長は上機嫌。
イントレピッドからピカード達を尋問するためやって来たのはロー・ラレン中佐だった。かつて自分を裏切った部下との再会に、ピカードは憤慨する。
互いに相手が可変種ではないかと疑うピカードとローは様子を探り合うが、当時を振り返る二人に沸き上がった感情は間違いなく本物だった。
ローはピカードを信じ、艦隊に侵入した可変種の脅威について話す。そして少数の信じられる人員と共にタイタンで逃亡するよう指示するのだが……
一方、デイストローム研究所からの情報提供を断られたウォーフとラフィは、手がかりを求めてクリンという犯罪組織のボスを追う。罠にかかり窮地に陥る二人ではあったが……
情報を整理してみる
- 今回登場したU.S.S.イントレピッドはドゥーダーシュタット級NCC-79520。初代ヴォイジャーと同型のイントレピッドNCC-74600とは別の艦です。艦名の後ろにAも付いてませんので、先代を引き継いだわけでもないようですね
タイタン同様極めてオーソドックスな形状の艦でなかなかカッコイイです - エンタープライズDの円盤が墜落したのは「ジェネレーションズ」、バクーに加担したのは「叛乱」、デブロン星系のタイムパラドックスはTNG最終回「永遠への旅」。ショー艦長はピカード達の活躍に随分詳しいですね
- ロー・ラレンはTNG終盤で複数回登場したベイジョー人士官。最後に登場したTNGシーズン7第24話「惑星連邦”ゲリラ部隊”」時点では大尉でした
彼女はマキ(カーデシアに対抗するゲリラ組織、DS9シーズン5第23話「最後のテロリスト」にて壊滅)に参加したため、ピカードを裏切る形でエンタープライズを去り、以後消息不明でした。およそ30年ぶりの伏線回収ということになります - ロー大尉は当初の予定ではオブライエンと同様にDS9へ転属になる予定だったのですが、役者さんが断ったためその展開は無くなり、かわりにキラがDS9のメインキャラとして設定されたそうです
- ローを演じているのは当時と同じくミシェル・フォーブスさんです。日本語吹き替えも当時と同じ藤生聖子さんが担当されてますね
- モバイルエミッターはこの時代では一般的な技術になっているようです。ドクターも出演して欲しいなぁ
- タイタンに潜入していた可変種は、内蔵や血液まで完全にコピー出来る進化した個体でした(血液検査やX線検査では分からないようです)
- ジェインウエイは現在も提督とのこと
- ウォーフに指示を出していたウォーフのハンドラーの正体はロー中佐でした
- 艦隊内部には既に多数の可変種が潜入しており、上層部にも入り込んでいるとのこと。イントレピッドも乗っ取られていました
- デイストローム研究所の主要な施設は、沖縄の他に宇宙ステーションもあるようです。シーズン1で登場したのは沖縄の方ですね(分解されたB4はそっちにある?)
- ローは自分の調査ファイルの全てをピカードに託しました
- ジャックの頭の中の声はどんどん大きくなっていますが、まだその正体は分かりません……
- 今回の宇宙歴は78186.03
今回の感想
最初の訓練シーン、ラフィを片手であしらうウォーフの強キャラっぷりがスゲえ。
そしてなんとここでロー大尉が登場! 意外!!
てっきりマキ壊滅の際に死んだと思っていたのですが、生きてましたなぁ。しかも中佐って!
彼女の消息については当時から気になるところだったので、ネタを拾ってくれたことは素直に嬉しいです。あのTNGの最後のエピソードは切なかったですからね……
でもなぁ、これじゃ死なせるための再登場だよなぁ。そういうのは良くないよぉ~、ここは大いに不満です。それとも実は生きていたパターンでまた出てくるかしら? 死を偽装して姿を隠すなんてのは諜報員なら常套手段ですし。
一方で、ウォーフの「今日は死ぬにはいい日だ」の台詞は嬉しいのですが、こちらは死ぬわけがないのが分かりきっているので、あまり緊迫感はないですね。あっさり死んじゃうロー中佐とは対照的すぎます。カーレスの技とか便利すぎー
ジェインウエイ提督に連絡が付かないというのは残念。あの人なら可変種くらい蹴散らしてくれそうなんだけどなぁ。でもまだ現役で艦隊に居るとハッキリしただけでも嬉しいところです。
ジャックの異常についてはまだ背景が分かりませんが、何かの意識と繋がってるようですし、ピカードとの関係からするとやはりボーグ絡みなのかしら? 可変種が絡むなら大穴で預言者かパーレイス関連って可能性もあるかな……???
さて逃亡者となったU.S.S.タイタン、ウォーフ達とも話が繋がったところで、ストーリーはターニングポイントという感じ。反逆者の汚名をうけたタイタンが艦隊を離れて独自に活躍するというのはなかなか燃える展開です!!
まあショー艦長にはお気の毒ではありますが(苦笑)
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丁寧で興味深い考察、解説拝読させていただきました。ローラレンのピカードとの別れ際に装飾品を渡す際の「最善だと信じていることをしていたことを理解して欲しかった、私もしたかったんです。」という台詞は俳優さん本人の感情も強く入っているのかな、と思います。DS9への転属、配役の変更を断っていたことも背景にあるのかな?と考えました。もしかしたら、スタートレック作品に残りたい気持ちもあったが、他の作品や人生の選択として断った、、、。ピカードとQの友情があったように、この30年越しの作品は俳優らの気持ちを乗せるのには十分過ぎるものとなっているかもしれませんね。あと数話と思うと凄く寂しいです。
なるほど、ここに来て急にローラレンというキャラクターを復活させてきた意義はその辺にあるのかもしれません。
(ならばこそ安易に死んで欲しくは無かったですが・・・)
最善だと思って行った行動が、後に振り返ってみたときに後悔を生むというのは、
このピカードという作品のピカード自身に対するテーマでもありますね。
シーズン3になってからこの辺のテーマとストーリーの絡め方はかなり上手いと思います。
本当にあと数話で終わってしまうのが惜しいです。
こんにちわ。
ショー艦長は「伝説の人物にフツーの艦隊士官が絡むとえらい目に会う」というギャグじゃないかと思えてきました。
ジャックには「可変種」を見分けられるという能力が付与されているのではないかと。だから可変種に執拗に追われるのでしょう。可変種の血が云々というのは『遊星からの物体X』へのオマージュですかねえ。
ショー艦長はすごく良いキャラに育ってきてますね。なんと言うか、DS9におけるオブライエン的な立ち位置を感じます。
ジャックはどうなんでしょうねぇ~、まだ情報が少なすぎでなんとも。