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スタートレック: SNW・S2第3話「明日、明日、そして明日」あらすじや感想など

09.ストレンジニューワールド(SNW)

シーズン2 第3話「明日、明日、そして明日」”Tomorrow and Tomorrow and Tomorrow”のあらすじ

ラアン保安主任は船内で奇妙な男を見つけた。

その男はスーツ姿で、実弾を腹に受けて重傷だった。男はラアンに何かの装置を渡し「過去が攻撃された」と言い残して息を引き取った。

次の瞬間、ブリッジからパイク船長の姿は消え、船長はジェームズ・T・カークに変わっていた。タイムラインが書き換わったのだ。

この時間軸ではバルカンとロミュランが戦争状態にあり、バルカンは敗北寸前だった。惑星連邦も存在せず、エンタープライズは地球連合艦隊の所属船だった。

ラアンはカーク船長に助力を求めるが、カークはラアンの言葉を信じない。

だがカークがラアンから装置を取り上げようとした瞬間、ラアンとカークは過去へと飛ばされてしまった。

場所はカナダのトロント、21世紀の初頭。

2人はこの時間に歴史の分岐点があると考え、調査を開始する。

どうやら双方の世界で共通して起きる歴史上の事件「オンタリオ湖橋爆破事件」に異星人が関わっているようだった。

そして2人は事件を追う中でセラという女性に助けられるのだが……

情報を整理してみる

  • タイトルの ”Tomorrow and Tomorrow and Tomorrow” はマクベスからの引用です。あいかわらずスタトレはシェイクスピア好きですねー
  • 冒頭のスーツ姿の男は30~31世紀からやって来た時間エージェントですね。スタートレック世界ではその頃に時間移動技術を使った「時間冷戦」と呼ばれる戦いが起きて歴史に大混乱をきたします。修正のために様々な時代で時間エージェントが暗躍するのですが、この戦いがあまりにも酷いものだったため、32世紀以降では時間移動技術は遺伝子操作技術同様にタブーになります
    ※詳しく知りたい人は「スタートレック:エンタープライズ」を見ましょう。ただ時間冷戦絡みの部分は正直あまり面白くな……ゲフンゲフン
  • 別時間軸のカークはUSSアイオア内で生まれ、地球には行ったことがないそうです。ちなみに本来の世界のカークはアイオア州の生まれ、ケルヴィンタイムラインだとUSSケルヴィンの脱出ポッドの中で生まれました
  • カークはやはりチェスの名手でした。未来の3次元チェスで鍛えられていますからね。またデノビュラ星の刑務所でバルカン掴みを習得、プロミークスープ(バルカンの代表的な料理)も作れるそうです
  • その他、今回のカーク側の時間軸だと
    ・戦争によって地球は荒廃し人の住めない廃墟と化すようです
    ・カークの兄のサムは亡くなっているそうです
    ・カークはカーン・ノニエン・シンを知りませんでした。つまり優生戦争のことを知らない=優生戦争が無かった世界線、と思われます
  • 2人が到着したのは2022年だそうです。この年はピカードシーズン2でピカード一行がやって来る2年前、つまりベル暴動の2年前でもあります
  • セラが語る陰謀論の中でケネディ暗殺が話題に上がりましたが、たぶん犯人はカークとスポックです(苦笑)※ボツになった映画用脚本のネタ
  • セラのタブレットに表示された宇宙船はロミュラン・ウォーバードです。カークは見たことがあるようでしたが、ラアンは時系列的にこの船を見たことがありません
  • ラアンはこの時代のペリア中佐に助けを求めますが、この時代の彼女はまだエンジニアではありませんでした
  • セラの正体は未来から来たロミュランの時間エージェントでした。地球人の宇宙進出を阻止するために歴史を変えようと暗躍していました
  • セラは優生人類のカーンを殺して優生戦争を防ごうとしました。戦争という悲劇こそが、惑星連邦成立の礎になっていたということなんですね
  • 歴史改編を防いだラアンは未来に帰還しました。彼女の元には時間調査局のイマレイ調査官が現れ、時間移動デバイスを回収していきました
  • スタートレック世界の歴史では、セリフにあった通り「優生戦争」は1992年に起きた事件だったのですが、今回は時間冷戦によって30年ズレてしまっていたとのことです(年表参照)
    つまりストレンジニューワールドはここから繋がった未来の、本来の歴史とは少し異なる世界線のお話と解釈できそうです。シーズン2第1話においてパイク船長が語った歴史に旧作との矛盾があった理由がこれで説明できますね
    ※ピカードシーズン2で画面に映ったカーンの資料は1996年(優生戦争の終結年)のファイルと明記されていましたので、あちらの2024年は本来の歴史に沿った世界線だと分かります(ややこしい)
  • 今回「時間調査局 (the Department of Temporal Investigations)」が登場しました。まだ存在しない部署と言ってましたが、24世紀には存在しており、DS9シーズン5第6話「伝説の時空へ」に登場しています
    代表的な時間エージェントとしてはENTに登場したダニエルスが挙げられます
    なおVOY「29世紀からの警告」に登場したのは「時間管理委員会(Temporal Integrity Commission)」
  • 今回の宇宙歴は1581.2、および西暦2022年

今回の感想

エピソード内で「時間冷戦」という用語は使われませんでしたが、ファンならすぐに「あー時間冷戦キター!」って分かります。

あとカークがちゃんと女性に手が早くて、ラアンといい仲になるのは安心しました(苦笑)

今回は時間ネタの面白いところが詰まった一作でした。やはり現代に来るお話は一度はやっておかないとね!

現代に来たら洗濯物を盗むのとバスでラジカセ男に出合うのがスタトレのセオリーなんですが(苦笑)今回はラジカセ男は無し(残念!)あとは取って付けたようにカーチェイスをやるというノルマはクリア。

服は洗濯物ではなくショップから頂戴しますが、他人を万引き犯に仕立ててその隙に逃げるとか、ラアンは実に手慣れていらっしゃる。手くせ悪いですなぁ!

ラアンとカークというコンビというのはなかなか意外な組み合わせでしたが、この2人にキャラを絞ったのは大正解。この2人が噛み合ってテンポ良くストーリーが進むのがグッドですし、キャラが生き生きしてます。

ラアンが歴史を正しく収めるために自分にとっては不利益で辛い決断をするあたりは、TOS「危険な過去への旅」を踏襲した展開ですね。その後のラアンの心情描写へと効果的に繋がっていました。

一方で気になった点といえばやはり優生戦争の件ですなぁ。

率直な感想を言えば、優生戦争をこれから起きる第3次世界大戦とごっちゃにされてしまったのにはイマイチ釈然としないものがあります。

おそらく子供時代のカーンを登場させることで、前回と同様の差別テーマを、今回はラアンを主役にして描くという意図があってのことなのだろうと思います。

あとペリア中佐のキャラをまだ全然掘り込んでないうちから時間ネタで使うのは少々時期尚早だったのではという気が。あからさまにTNG「タイム・スリップ・エイリアン」におけるガイナンと同じ役どころですが、もう少し視聴者にキャラを馴染ませてからにして欲しかったなぁというのが正直なところ。

とは言え、今回は時間ネタのお話としてはなかなか出来の良いエピソードだったと思います(ピカードシーズン2がグダグダだっただけに(苦笑))

やはり1話くらいでスパッとテンポ良くケリを付けるのが良いですね!

あと、時計は最後ペリア中佐に返して欲しかったかなー

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