スタートレック:ピカードS3第6話「バウンティ」あらすじや感想など
(文中にネタバレを多数含みます)
シーズン3 第6話(通算26話)「バウンティ」”The Bounty”のあらすじ
フロンティアデーは目前に迫っていた。全艦隊が集結する式典が可変種達の攻撃目標となる可能性は極めて高い。
ピカード達はウォーフ達と合流し、可変種達の狙いを探るためにデイストローム・ステーションへの潜入作戦を実行に移す。
しかし艦隊に発見され、U.S.S.タイタンは潜入部隊のライカー達をステーションに残したまま撤退を余儀なくされる。
ピカードは事態打開のために進路を艦隊ミュージアムへと向けた。かつての仲間ジョーディ・ラフォージの助力を得るためだ。だが再会したジョーディはピカードに協力しようとはしなかった。
ジャックとシドニーは一計を案じ、展示品のバウンティ号から遮蔽装置を盗み出してタイタンに装備しようとするのだが……
一方、ライカー達の前に現れたのは、かつてエンタープライズで自我に目覚めたモリアーティのホログラムだった。モリアーティの挙動から、ライカーはセキュリティプログラム内にデータの存在を感じ取る。
データと出合った際の思い出の口笛によってセキュリティを突破したライカーは、ステーション中枢に保管されたアンドロイドと対面するのだが……
情報を整理してみる
※今回情報量多いです
- 前回までの描写だとヴァーディクが人間なのか可変種なのか今ひとつ明確では無かったのですが、今回の描写で可変種なのが確定しましたね(でも以前わざわざナイフで手首を切った辺りはイマイチ意味が不明です)
- ドミニオン戦争で可変種に対してウイルス兵器を使用したのはセクション31の仕業です。セクション31はまずウイルスをオドーに感染させ、彼を通じて「偉大なる繋がり」へと病気を広げました。ショー艦長が会話で触れていたのはこの辺のお話だと思いますが、文脈が少し変でしたね。また治療薬はDS9シーズン7第23話「心の決死圏」でジュリアンが作成しました
- ジャックはピカードと同じイルモディック症候群を発症しており、そのため幻覚を見ていました。ピカードもこの病気のためシーズン1で死にかけましたが、シンス(人造人間)ボディに意識を移すことで生き延びました(シーズン1第十話「理想郷(後編)」)
- トリブルはTOSシーズン2第15話「新種クアドトリティケール」で登場した小動物。その後もシリーズでちょくちょく登場しており、イントゥダークネスでは大変重要な使われ方をします。口を開ける描写は今回が初めてです
- なおクリンゴン人はトリブルが大嫌いです。またトリブルの方もクリンゴンを嫌う性質があります。クリンゴンは多大な労力をかけて一度はトリブルを絶滅に追い込むのですが……(DS9シーズン5第6話「伝説の時空へ」参照)
- ライカーの誕生日は2335年8月19日
- ジョーディ・ラフォージがネメシス以来の登場です。演じているのは当然レヴァー・バートン氏、日本語吹き替え担当も星野光昭さんですね
- ジョーディと一緒にタイタンにやって来たのはジョーディの娘アランドラ・ラフォージ(シドニーの姉)彼女を演じているのはレヴァー・バートン氏の実の娘マイカ・バートンさんとのこと
- ライカーがデータに口笛を教えるのはTNG第一話「未知への飛翔」でのシーンですね。若くてヒゲのないライカー懐かしい!
- モリアーティ教授はTNGシーズン2第3話「ホログラム・デッキの反逆者」、およびシーズン6第12話「甦ったモリアーティ教授」に登場
- モリアーティを演じているのはダニエル・デイビスさん!ちゃんと昔と同じキャストです!日本語吹き替えはシーズン2では堀勝之祐さん、シーズン6では有本欽隆さん(故人)だったのですが、今回は佐々木勝彦さんに変更されていました
- 艦隊の全ての船の位置は情報が筒抜けになっているとのこと。ジョーディはこの危険性を上層部に訴えていたようですが、聞き入れてはもらえなかったようです
- アルタン・スン博士はシーズン1でピカードにシンスボディを与えた後、デイストローム研究所でシンスの研究に従事し、その仕事を終える前に亡くなったとのこと。自分の意識をシンスに移して生き延びることはしなかったんですね
- バウンティ号はミスタースポックを探せでカーク達が鹵獲したクリンゴン・バードオブプレイ。「故郷への長い道」で20世紀からクジラを持ち帰りサンフランシスコ湾に墜落しましたが、現在は引き上げて展示されているとのこと
- 遮蔽装置を奪ってきて船に取り付けるというのは過去作でも例があります。TOSシーズン3第2話「透明宇宙船」ではチャーリーがわずか15分という早業でエンタープライズに遮蔽装置を装備しますし、TNGシーズン7第12話「難破船ペガサスの秘密」でもエンタープライズDに装備しています。DS9シーズン7第12話「平行世界に消えたゼク」で遮蔽した遮蔽装置を運ぶシーンは最高に面白いので必見です(苦笑)
- 艦隊の艦に遮蔽装置を装備するのはディファイアントという例外を除きアルジェロン条約で禁止されています(表向きは)
でもロミュラスが崩壊した現在でも条約は有効なのかしら? - スン博士の最後の仕事である新しい”データ”は、体はデイストローム研究所製のM-5-10、人格はデータとローア、さらにB4やラルの意識まで加えたものとのこと。複数の人格が統合出来ずにひしめき合っており、未完成の状態です
- 一応、データ関連のアンドロイド・キャラクター概要
・データは言わずと知れたTNGのメインキャラクター
・ローアはデータより先に作られたデータの兄。悪の心を持ち、度々エンタープライズを危機に陥れます。TNGシーズン7「ボーグ変質の謎・後編」で機能停止になりました
・データの娘ラルはTNGシーズン3第16話「アンドロイドのめざめ」に登場
・B4は劇場版ネメシスに登場。試作品のため不完全ですが、データは死ぬ前に記憶の全てをB4に移植しました - 遮蔽したタイタンは潜入チームの救出と”データ”の回収に成功しましたが、ライカーはヴァーディクに捕らえられ、ディアナも人質にされてしまいました
- デイストローム研究所はこの”データ”をセキュリティの中枢として使用していました。そのため可変種が何を盗んだかというセキュリティ情報も持っていました
- 可変種が盗んだのは、シンスに意識を移した後に残された”ピカードの遺体”でした
- ウォーフはライカー救出のためタイタンを離れることにしました
- デイストローム研究所にはカークの遺体も収容されている? みたいですが、あの岩山から回収したのかしら?(ジェネレーションズ参照)
- あとジェネシス装置(カーンの逆襲に登場)も保管されているみたいですね
今回の感想
トリブルって口を開くとキモいな!!
今回の見所はやはり艦隊ミュージアムに展示された伝説の船たちでしょう!!
USSディファイアントにUSSエンタープライズA、そして何と言ってもUSSヴォイジャーの本物が登場するのは旧作ファンにはたまりません(NX-01はないのかしら)
USSニュージャージーも初代エンタープライズと同じコンスティテューション級なので、くるくる回る赤いやつが最高です(このアナクロさが好きなんです)今回のコンステテューション級はTOSデザイン準拠で、ディスカバリー(およびSNW)準拠ではありませんね。やはりレトロなラインがスッキリしている方が好きです。
ヴォイジャーを見つめながら家族を思うセブンのシーンはグッと来ますなぁ。セブン役ジェリー・ライアンさんの思い出を噛みしめるような演技も素晴らしいです。
セブンとラフィの再会シーンは思ったよりアッサリしてましたが、ヴォイジャーのシーンの台詞と合わせて考えると、結局この2人は互いを家族には出来なかったんだなぁというのが感じられます……
元機関部員のショー艦長が、ピカードには塩対応だったのにジョーディに対しては低姿勢なのが楽しいです!ショー艦長にとってはジョーディの方が神なのね。
そのジョーディは頭の硬いお父さん設定がいい感じでハマってます。年齢を感じさせつつ、最後は結局折れてくれるところも嬉しいですな。
さらに、かのバウンティ号がこんな形で役に立つというのにはもう泣けてきます。
遮蔽を解除してステーションに接近してから転送での上陸班救出、そしてワープで離脱という一連の様式美あふれる流れも素晴らしい。
それにしても、2度も死んだデータをこんな風にまた復帰させるとは思わなかったなぁー。ここは完全に予想外の展開。
しかも歳を取ることを加味した設計とのことで外見は老人です。おかげでブレント・スパイナー氏も無理なメイクをしなくて済みます!やったね!(苦笑)
モリアーティはもっと活躍するのかと思ってたけど、ほんのちょい役でした。ローアももっとガッツリ悪役で出てくるのかと思ってたけどこれも予想と違う方向へ。
一方であれだけ盛大に引っ張っておきながら、ジャックのアレが病気による幻覚だったというのは少々肩すかし。ホントかー? ホントにそれだけかー? それだけで可変種4人を圧倒出来る戦闘力が出るはずもないよなー。
可変種はピカードの遺体とジャックの両方を必要としているみたいですし、この辺の謎解きが終盤へ向けてのカギになっていきそうです。
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