スタートレック:ローワー・デッキ S2第9話「wej Duj」 あらすじや感想や元ネタ解説など
(以下、ストーリーのネタばれを含みます)
シーズン2第9話(通算19話)「wej Duj」”wej Duj”のあらすじ
セリトスはコンタラン星系へ向かう長距離ワープに入った。12時間のワープ中、艦内は休暇となった。
マリナー・テンディ・ラザフォードはそれぞれ上級士官との約束があったため、ボイムラーも誰か上級士官と友達になろうと考え、彼らの間を歩き巡る。だが微妙な空回りばかりで上手くいかない。
その頃クリンゴン・バード・オブ・プレイ ”チタ”号のローワーデッキでは、下級士官のマフが艦長に認められようと奮戦していた。しかし小柄な彼は屈強で荒っぽいクリンゴン戦士の間で苦労していた。
一方バルカン巡洋艦 ”シヴァル”号のローワーデッキでは、下級士官のティリンが意欲的に任務を改善しようとしていたが、論理と伝統を重んじる周囲に溶け込めず苦労していた。
チタ号の艦長ドルグはクリンゴンと連邦の同盟関係に不満を持っており、パクレド人を利用して艦隊を攻撃しようと考えていた。
だがクリンゴンがパクレドに供与していたバルビアン爆弾をパクレド人が無駄に使い、爆弾の出すメトリオン反応をキャッチしてセリトスが調査に来てしまう。
パクレド艦とチタ号はセリトスへの攻撃を開始。苦戦するセリトスだったが、同じくメトリオン反応に気づいたシヴァル号も援軍に駆けつける。
戦闘の最中、パクレド人を利用した代理戦争はクリンゴンの精神に反すると考えたマフは、艦長の命令に反抗する。
そして苦戦の末、艦長を決闘で倒して指揮権を奪ったマフはバードオブプレイを退却させる。パクレド艦もセリトスとシヴァル号の攻撃で敗退する。
上級士官と仲良くなる目的が果たせなかったボイムラーはガッカリしていた。そこにランサム中佐の紹介で士官候補生が話しかけてくる。ボイムラーを頼り尊敬するとまで言う彼と話すことで、ボイムラーは気を取り直すのだった。
情報を整理してみる
- シャックス大尉はベイジョーのレジスタンス出身だったようです
- 以前登場したDS9のプラモデルはしっかり作っているようですが、ちゃんと未完成でした
- パクレド人に武器や情報を流していたのはチタ号の艦長だったようです
- クリンゴン人のマフ(Ma’ah)はチタ号(che’ta)の艦長になりました
- バルカン人のティリン(T’Lin)はバルカン人らしくない言動を問題視され、シヴァル号(Sh’vhal)から宇宙艦隊に転属になりました
- 最後に登場したボーグキューブはNo.90182とのこと
今回の元ネタ解説
※小ネタは多すぎて全部は把握できていません。何か思い出したらまた追記します。
- サブタイトルの「wej Duj」はクリンゴン語で「Three Ships」、3隻という意味です。bing翻訳で日本語にも翻訳できますよ
- ラザフォードが食べていたのは普通のブリトー? それともベイジョーのハスペラートかしら?
- バルカン人士官が「リュート用の曲を作曲する」と言っていたリュートというのはバルカンの伝統楽器。スポックもトゥヴォックも使ってました
- クリンゴンの犬 ”クリンゴン・ターグ” はTNG「宇宙の果てから来た男」で登場しました。ウォーフも子供の頃ペットにしていたそうです
- ドクター・タ・アナのロッククライミングは劇場版5作目「新たなる未知へ」からのネタ。ボイムラーのホバーブーツも同様ですね (トレーラーの冒頭部分で見られます)
「新たなる未知へ」はトレーラーだけ見てる分には面白そうなんだけどなぁ(苦笑) - クリンゴン料理と言えば ”ガーグ” が有名ですが、今回は ”クリンゴン・オクトパス” が登場していました。TNG「恐怖のイントロン・ウィルス」でウォーフが食べていたやつです。まあ普通のタコですが
- クラック・デケル・ブラクトの戦いとは、2271年にクリンゴンがロミュランを破った伝説の戦いです。DS9「血の誓い」の冒頭で言及があります。若き日のコールも参加していたそうです
- この頃のクリンゴンはドミニオン戦争で国力がかなり落ちた状態です。セクション31の見積り通りなら、国力を回復するまでまだあと数年かかるはずです
【以下追記】
- 「論理は英知の始まりであり終わりではない」という台詞は劇場版「未知の世界」でのスポックの台詞が元になっています
- クリンゴン艦の転送室のデザインは「未知の世界」のセットに準拠しています
- マリナーと艦長が行っていた射撃訓練プログラムは、VOY「裏切られたメッセージ」でジェインウェイとセブン・オブ・ナインがやっていたもの
- 「センスォァー」というのはミスタースポックが「センサー」と言う際の発音のクセが元ネタです。TOSを日本語吹き替え版だけで見ていると分かりません
- マリナーが言っていた「バイオラボから壁越しにスナイパーライフルで撃った」というのはDS9「眠らぬ殺意」に登場したTR-116ライフルのこと
- バルカンの船長の部屋にはENT「バルカンの夜明け」で登場した「キルシャラ」の複製品が飾ってありました
今回の感想
連邦とクリンゴンとバルカン、それぞれのローワーデッキを対照的に描くという面白い構成でした。しかもそれぞれの描写がしっかりしていて凄く見応えがあります。ちゃんとシリーズの設定を生かしてますよ!
ダメ押しでボーグキューブのローワーデッキをオチにするのも上手い!これは予想外だったー。いつもはエンディング飛ばしちゃうのに、何か起きるんじゃないかと全部見ちゃいましたよ。それで何も起きないのズルい!(苦笑)
それにしても、どこの船でも下っ端は苦労するんですね。
バルカン人がいちいち”センサー”を”センスォァー”と言うのが笑えます。
ボイムラーは最近優秀だと思っていたら、今回は急に昔のダメダメな面が出ちゃいましたね~。でも全員ハワイ出身じゃないの酷い。全員かよ(苦笑)実際ベンザイト人がハワイ出身というのはおかしいと思ったんですよ~
ただ今回もランサム中佐がちゃんとボイムラーを評価している様子が覗えて、ここはいい感じでした。
最後にボイムラーに話しかけてきたのはアカデミーの候補生のようですね。 ちょっとウェスリー風味でした。ボイムラーもずっと下っ端ではなく徐々に先輩になっていくんですねぇ(しみじみ)
クリンゴンやバルカンの下級士官が新たに登場してきましたが、彼らは今後レギュラー化してくるのかしら? 艦隊送りになったバルカン人のティリンは思い切り絡んできそうな予感がしますね。
次回はシーズン2最終回!
シーズン3が決定していますから、しっかり「つづく」で終わるかもしれませんね。
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