主演監督全部俺!原作愛満載の同人映画(笑)実写版シティーハンターを見てきた!【感想】
シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション
(原題:Nicky Larson et le Parfum de Cupidon)
フランスで作られたという実写版シティーハンターを見てきました。
実写版シティーハンターというとまあジャッキーのアレを思い出してしまうところですが、今作はアレとは違ってとにかく原作に忠実に作られており、作り手のシティハンターへの愛にあふれた映画になっております。
フランスはその昔「UFOロボグレンダイザー」が放送されて視聴率100%を叩き出したという逸話があるほど日本アニメとの繋がりが深い国です。
シティハンターも「ニッキーラーソン」というタイトルで放映され人気があったそうなのですが、このニッキーラーソンを子供の頃に見て育ったのが今回の実写版の監督フィリップ・ラショー氏。
要するに子供の頃に好きだったアニメを自分の手で実写映画にしてやろうという、作品への愛情と情熱に突き動かされて作られた映画というわけです。まさに究極の同人映画!!
なにせ
- 監督 フィリップ・ラショー
- 脚本 フィリップ・ラショー
- 主演 フィリップ・ラショー
という徹底ぶりなのが笑えます。
今回の映画を作るにあたっては、原作全巻を読み直し、アニメ全話を見直してさらにジャッキーの映画にいたるまでチェックし直してから脚本を書いたそうです。
それだけに、シティハンターに必要な要素がシッカリ入っていてブレがなく、原作ファンが見ても文句の言い様がない紛れもないシティハンターに仕上がっておりました。
以下感想です(ネタバレあり)
とはいえ、ネタバレすると全体の流れはこんな感じ
- XYZで依頼が入る
- 序盤は海坊主と戦ったりするが後に共闘
- リョウがモッコリしつつ事件を追う
- 香がさらわれて人質にされるけどピンホールショットで黒幕撃破
- リョウと香の絆を描きつつ止め絵になってGET WILDが流れ始める
いつもどーりじゃねーか!!!(笑)
先の「新宿プライベート・アイズ」もそうでしたが、ネタバレがネタバレにならない映画っていいですよね。
日本での公開にあたり日本語吹き替え版が制作されたわけですが、これについては残念ながら日本アニメのオリジナルキャストとは一部交代しています。まあこの辺の詳細な話は神谷明さんと山寺宏一さん、伊倉一恵さんと沢城みゆきさんのインタビューがパンフレットに記載されておりますので、興味のある方はそちらをご覧頂いた方がよろしいかと。ただ交代しても全く違和感はありませんでしたね。
作品としての原作リスペクトは徹底していて、たとえば作中のBGMはちゃんとアニメ準拠。依頼人が依頼内容を説明するシーンのBGMとかそのまんまでしたし、戦闘シーンではちゃんと「FOOT STEPS」が流れる徹底ぶり(そこの一人称視点の戦闘シーンは独特で面白かったですね)
海坊主役の人の再現性の高さは半端ないですし、わざわざ本物のカラスを画面の端から端に飛ばすのには大笑いしましたわ(このカラスのカットは監督のこだわりのシーンだそうで、フランスでも大ウケだったそうです)
エンディング曲でGET WILDをフルコーラス流したのは日本の配給会社の判断とのことで、フランスではイントロが流れた後はフランス版の主題歌に切り替わるのだそうです。フランスの方々にとってはその方が子供の頃の記憶のままのエンディングなんですって。でも日本人にとってはやっぱりGET WILDフルコーラスの方が良いですよね!
ただまあ、何から何まで原作通りというわけではなく、やはりお国柄の違いもあって若干違和感を感じる部分もあります。
惚れ薬ネタのギャグは少々繰り返しが多くてダレますし、なにより下ネタがかなり露骨。それにエロ要員のもっこり美女に熟女が多い!(苦笑)この辺はちょっと合わないという人もいるんじゃないかと思います。
とはいえ、シティーハンターとして押さえるべきところは押さえ、GET WILDを聞いて満足した気持ちで劇場を後に出来るよい映画だったと思います。今年はシティーハンターの映画が二作も公開されて、しかもどっちも面白かったとか、本当に今は2019年なんだろうか…(苦笑)