スタートレック: SNW・S1第2話「彗星の子供たち」あらすじや感想など
(文中にむっちゃたくさんのネタバレを含みます)
シーズン1 第2話「彗星の子供たち」”Children of the Comet”のあらすじ
古代彗星C2260クエイティンの観測を行っていたエンタープライズは、この彗星がペルセポネ3号星への落下コースに入っていることに気付く。惑星には原始的な暮らしを送るデレブ人という種族が暮らしていた。
彼らの技術レベルではこの事態を回避できずに全滅することは確実だったため、パイク船長はイオンエンジンで彗星の軌道を変更することに決める。
簡単な作業のはずだったが、その試みは突如彗星に発生したフォースフィールドによって阻まれた。この彗星には明らかな古代の人工物があり、生命は居ないものの意図的に作業を妨害してきたのだ。
上陸班が彗星の調査に向かったものの、遺跡の中にあった卵状の装置によってサム・カーク大尉が負傷。再び張られたフォースフィールドによって転送が妨害され、スポック・ウフーラ・ラアンの3人も彗星から戻れなくなってしまった。
さらにシェパードという狂信者の船が現れエンタープライズに敵対してくる。彼らはこの彗星をムハニートと呼んで崇め、守護することを使命としていた。
シェパードの船はエンタープライズよりも遙かに強力で戦っても到底勝ち目はない。彼らはエンタープライズに対して彗星への一切の手出しを禁じてきた。
彗星落下の時間が迫る中、遺跡が音楽を言語にしていることに気づいたウフーラはフォースフィールドの解除に成功。上陸班は無事帰還する。
だがそれを宣戦布告とみなしたシェバードはエンタープライズに攻撃を開始し……
情報を整理してみる
- 食事会でパイク船長の会話に出てきたノーシカン人というのはシリーズでは有名な荒くれ者の種族。士官候補生時代のピカード艦長の心臓を刺したエピソードは有名です。マリナーには軽くあしらわれてましたが
- ペルセポネ星系はTNGシーズン1第16話「大いなる償い」でエンタープライズDも訪れています
- へマー機関主任の種族イーナー人というのはアンドリア人の亜種で、ENTシーズン3第14話「氷窟の民」で詳しく描かれています。シュランさんの奥さんジャメルさんの種族ですね。アンドリア人は惑星連邦設立種族の一つです
- エンタープライズがやられたふりをして時間を稼ぐ隙に、スポックのシャトルは彗星から氷塊を分断してコースを変えることに成功しました
- 彗星は今回の事件が起こってエンタープライズによって衝突が阻止され、その際に氷塊が落下することまで全て最初から知っていたようです。これがいわゆる予知能力的なものなのか、演算的に導き出された結果なのかは定かではありませんが……
- 落下した氷塊によってペルセポネ3号星の環境が生命体が暮らしていくのにより良いものへと変化しました。
- この彗星は太古の昔から宇宙を放浪し、様々な惑星に命を与えてきたようです。シェパードのセリフによると他にも何個かあるようですね。
- 彗星や隕石が生命の種を運ぶという発想は現実にもありますが、フィクションだと尚更たくさんあります(有名どころだとヤマトのアクエリアスとかかな。ガメラのレギオンのように敵対的なものもありますが)
スタトレ世界の場合は太古の昔に宇宙にDNAをばらまいた種族がいることになっているので、この彗星にはその辺の存在が関与しているのかもしれませんね - 将来パイク船長がデルタ放射線事故から助ける士官候補生5人の名前が明らかになりました
ダスティ・スウェンダー(ニューヨーク出身)
テキール・ドーン(セルベロスコロニー出身 ※ドクターマッコイの娘が留学していた惑星)
マリク・アル・アルカサル(テンダラコロニー出身 ※アニカ・ハンセン(セブン)の出生地)
ユウト・ホシデ(日本人、青森出身)
アンドレア・ロペス(第2宇宙基地出身) - 今回の宇宙歴は2912.4
今回の感想
彗星や小惑星の落下が迫り、限られた時間の中で行動するというのもスタートレックでは割とお馴染みパターンの一つです(TOS「小惑星衝突コース接近中」など)
小惑星が実は宇宙船だったり(TOS「宇宙に漂う惑星型宇宙船」 )、小惑星を調べたら内部に人が住んでいた(VOY「帰り行く処」)なんてのもパターンとしてよくあります。今回は定番ネタの組み合わせというところですね。
そんな中で今回はウフーラ候補生に焦点をあてたエピソードでした。過去シリーズでは描かれていなかった彼女の背景が詳細に語られます。
彼女の天才的なひらめきで、遺跡の卵との交信に部分的とは言え成功し事態を打開するわけで、これも実にスタトレ的ではあります(まあ映画「メッセージ」がやってたような言語分析を1時間番組のごく短時間ででササッとやってしまう展開なのでちょっと都合よすぎとは感じますが、そこもまたスタトレです(苦笑))
あと今回登場した機関主任のへマーも良い感じですね。凄い強者感がありますな! イーナー人(アンドリア人の亜種)を登場させてきたのにも驚きました。ENTのネタをちゃんと拾うのはさすが!
パイク船長が将来迎える運命については言わずもがなですが、その運命を変えられるのではないかという会話がやたらと強調されてきたのが気になるところです。彗星落下の運命と重ね合わせているあたりも実に分かりやすい。実際このタイムラインでの未来がどうなるのかは分かりませんが、やはり正史とは微妙にズレて行くのかも……?
あともしかしてですが、上陸班で安易に赤服の死者が出ない代わりとして、カークお兄さんが毎回酷い目に遭う役回りを担当することになるのでは……(苦笑)
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