【映画】スパイダーマン:スパイダーバースを見てきた【ペニーちゃんはちょい役】
Spider-Man: Into the Spider-Verse(原題)
やっと正式に公開になった「スパイダーマン:スパイダーバース」を早速見てきました。
まずは日本語吹き替え版と字幕版のどちらで見ようかと思っていたのですが、うちの近所は吹き替え版しかやっていませんでした・・・どっちみち吹き替えの方は確実に一度は見るつもりでしたので問題ないんですけどね。むしろ字幕版の方をどこで見たものやら。
吹き替え版は画面内に吹き出しで表現される心の声なども全て日本語表記に揃えてあって、なかなか手間がかかっていました。こういうローカライズをしっかりやっていたのなら、公開が若干遅れたのも致し方ないのかもしれません。ただ日本での公開が本国から3ヶ月も遅れている間に、あちらでは第91回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞するなど、すっかり評価が進んでしまいましたね。
あと今回の映画、マルチバース設定による多数のスパイダーマンの共演が見所になっているわけですが、この辺の設定を全く知らない方が見るとちょっと戸惑うかもしれません。手前味噌ではございますが、その辺を簡単に解説した記事を以前書いておりますので(こちら)御一読頂けると幸いでございます。
以下感想です(ネタバレあり)
さてネタバレありの感想とは言っても、意外と物語の根幹に関わるネタバレ要素って少なかったりします。
今回のストーリーは新米スパイダーマン・マイルスの誕生と成長に主題を絞っていて、思った以上に正統派で直球勝負の新米ヒーロー誕生物語でした。奇をてらった展開やどんでん返しといった物はほぼなく、素直にマイルズ君を応援したくなる展開になっていました。
そこに別の世界から来た、ベテランだけどいろいろと意欲を失ってしまっている中年スパイダーマン「ピーター・B・パーカー」が絡むわけですが、こっちはむしろオッサン世代が感情移入してしまいそうな感じ。さすがベテランだけあって能力は高いんですけどね、いろいろ残念なところもある彼がマイルスと関わりながらヒーローとしての自分を見つめ直していく過程も見所のひとつですね。
そもそも最初に死んでしまうこの世界の本来のスパイダーマンが、正義感にあふれた正統派ヒーローで声が中村悠一というのがズルい(苦笑)キャプテンと同じ声でしゃべられたら頼もしすぎますわ(死んじゃうけど)それに対して不摂生なおっさんBパーカーの声が宮野真守というのも分かっていらっしゃる。このへんの吹き替えの配役は非常に上手いと思いましたね。
メインの二人に焦点が当たっている分、残りのスパイダーマンの影が若干薄くなってしまったのはちょっと残念。まあストーリー的にはそれで正解なんですけどね。
ペニーちゃんやスパイダーハムはちょっとしか活躍しませんが、大破してしまったSP//drとの別れとかギャグキャラ特有の強さで敵を圧倒するハムとか、見せ場はちゃんと用意されていました。続編やスピンオフがあるなら今後の活躍に期待したいところではあります。
ノワールさんは大塚明夫さんの吹き替えもあって非常にカッコイイですね。室内でコートがたなびくのには笑った。
グウェンさんは比較的出番多かったですが、見せ場が序盤の方に集中していてちょっと物足りない感が残るなぁ。キャラ的にはとても好みなのに! 彼女主役でスピンオフやらないかしら。
あと意外な活躍はメイおばさん、完全にバットマンのアルフレッドポジションでとても頼もしい(苦笑)キャラクターの生かし方がとても上手かったですねぇ。
展開的にちょっと驚いたのはおじさんの正体ですが、スパイダーマンのおじさんは死ぬという定めからは逃れられなくて、やっぱりという感じ。
「僕の悲しみは誰にも分からない」とおじさんの死を嘆くマイルスに対して
「「「「「俺(わたし)にはわかる!」」」」」と他のスパイダーマン5人全員が口を揃えるのにはちょっと笑った。そりゃ君たちなら分かるよねぇ・・・
おまけで出てきたスパイダーマン2099というのは2099年の未来のスパイダーマンですね(今回の映画の彼はアースTRN706に設定されています)コミック版スパイダーバースでは大破したレオパルドンを修理してくれた頼もしいスパイダーマンです。マルチバース移動装置を手に入れていましたので、これで続編は作りやすくなってしまいましたね(最後に訪れていたアース67というのは1967年のアニメ版の世界です)
すでに続編を作るような話も出ているそうなので、今後の展開にも期待したいところです。