スタートレック:ピカードS2第10話「別れ」あらすじや感想など
(文中にネタバレを多数含みます)
シーズン2 第10話(通算20話)「別れ」”Farewell”のあらすじ
ルネを守るため、タリンはエウロパ計画の打ち上げ基地へと潜入する。
セブン、ラフィ、リオスの3人は並行してスン博士の研究室へ向かう。研究室には打ち上げ妨害用のドローンも用意されていた。
一方、スン博士は打ち上げ基地でルネを殺すチャンスを狙っていた。
スン博士の計画は成功するかと思われたが、ドローンはリオス達の活躍で破壊され、ルネの身代わりとなったタリンはスン博士の盛った神経毒で命を落としてしまう。
しかしそのおかげでエウロパ計画の打ち上げは成功する。
失意のスン博士は更に研究資料をコレーに全て消去されるという追い打ちをくらうものの、次の研究に対する野心は失っていなかった……
ピカードの元には再び ”Q” が現れた。
”Q” は自分が死ぬことを告げ、今回の行動の意味を語る。それは死に瀕した彼が、最後にピカードへと送る ”友情” に他ならなかった。
ピカードとの別れを済ませた ”Q” は、ピカード達を未来のスターゲイザーが自爆する直前へと戻してくれる。
ボーグクイーンの正体がジュラティクイーンだと気付いたピカードはスターゲイザーの自爆を止めた。
ジュラティクイーンが艦隊を同化しようとしたのは、発生しようとしている巨大なエネルギーの放出から宇宙域を守るためだった。
ジュラティクイーンのコントロールでボーグシップと連邦艦は巨大なシールドを張り、エネルギーによる被害は防がれる。
だがエネルギー放出の跡には、誰が作ったのか分からぬトランスワープチューブが形成されていた……
情報を整理してみる
- スン博士の手元に残った唯一の研究ファイルには「プロジェクト・カーン」と記されていました。カーン(KHAN)とは言わずと知れた優生人類のリーダーです。ファイルの日付は「優生戦争」が終結した1996年になっていました。
おそらくこれからスン博士の一族が「優生人類」を研究していくことに対する伏線なのでしょう(その結果はENTシーズン4「ボーダーランド」、「コールド・ステーション」、「野望の果て」の3部作にて描かれます) - ウェスリーは今ではすっかり「旅人」として時空を旅する存在になっているようです
- 監査官「ウォッチャー」を派遣しているのは「旅人」達とのことです。ウェスリーはコレーを新たなエージェントとして勧誘し、コレーもこれに応じました
- 「旅人」はTNGシーズン1第6話「宇宙の果てから来た男」で初登場、その後シーズン4第5話「恐怖のワープ・バブル」で再登場し、シーズン7第20話「新たなる旅路」で最後に登場した際には、ウェスリーも「旅人」の能力に目覚めています
- ウェスリーが本編に登場したのは劇場版「ネメシス」が最後です。この時点ではライカー指揮下のU.S.S.タイタンへの配属が決まっていましたが、それについて語るシーンはカットされています
- リオスは21世紀に残ることを選び、テレサ医師と共に貧しい人達への医療に尽力したとのこと
- エルノア君はしっかり生き返りました
- ボーグクイーンは暫定的に連邦の一員となり、謎のトランスワープチューブの監視役を務めることになりました
- テレサ医師の息子リカルド君は、ルネが持ち帰った微生物を使って地球の汚染浄化に尽力したとのこと。ただ時期的に見てそれは第3次世界大戦のまっただ中での出来事になると思われます(年表参照)
今回の感想
多少強引にでも一気にカタを付けるだろうことは予想していましたが、それよりもすっかりオッサンになってしまったウェスリーの登場にはぶったまげですよ。
まさかここに来て「旅人」ウェスリーの登場とは!!!! 吹き替えもちゃんと石田彰さんじゃないですか!! もしも石田さんの声のキャラから ”危険な任務” に勧誘されたら、俺だったら絶対付いていかないなぁ※ロボットアニメなどでは石田彰さんや櫻井孝宏さんの声のキャラには気をつけろというジンクスがあるのです(苦笑)
さらに監査官(ウォッチャー)の送り主が「旅人」だという新設定!そこを繋げてきますかー
せめてちょっとくらいピカードに会っていけばいいのになぁ……
さて、しっかり終わらせては来ましたが、やはり駆け足気味の最終話のため、展開が早くて一つ一つのエピソードの扱いがやや軽いかなぁという印象はあります。シリーズ全体の構成はもう少し考えて欲しかったところです。
とはいえ、ピカードを明確に”友達”と呼ぶ”Q”と、それに答えたピカードの別れのシーンはグッと来ました。これをクライマックスではなく一つ手前の前座にしてしまったのは惜しい。
逆にクライマックスの方はといえば、クイーンの正体はもう分かりきってましたので特に驚きもなし。ただジュラティクイーンもピカードのことを”友達”と呼ぶのが象徴的でした。この辺のテーマは明確です。
最後のトランスワープチューブはシーズン3への伏線というところなのでしょう。旧メンバー全員集合でその調査にでも向かうのかしら?
ここから出てきそうな敵はいくつか思いつきますが、その辺はお楽しみというところですね。全く新しい何かかもしれませんし。
ピカードとラリスのロマンスが締めとなりましたが、やはり2人の関係は積み重ねが足りない感じがします。ずっと登場してたのは役者さんが同じ別キャラですからねぇ。どうあがいてもピカードと”Q”の長年の関係には勝てません(苦笑)
あとは時間物特有の矛盾点がかなり多いですが、そこは気にしないでおきましょう。惑星連邦が成立するタイムラインに戻ったことで過去の一部も書き換わってるはずなんですが、その辺は完全に無視されてますね。かといって全く別のタイムラインであるとなれば、今度は最後のガイナンのバーでのシーンが矛盾してしまいます。リオス艦長が消えたことに気付くブリッジクルーの台詞も余計に混乱を助長してますし、もう下手に考えるだけ無駄かと。
シリーズ全体で見ると、1~2話は抜群に面白かったのに中盤の中だるみが酷かったり、わざわざ2024年を選んでおきながらDS9ネタがミスリードに過ぎなかったという点など不満は大いにあるシーズンでしたが、とりあえず落ち着くべきところに落ち着いた最終回だったと思います。
「ピカード」の目次ページはこちら