1/12立川ミドリさん製作記:瞳は自作デカールと筆塗りを併用します
立川ミドリさんを作ったよ その2
今回は一番肝心な顔の話です。何と言っても瞳は作品全体の出来を左右する最も大事な箇所です。慎重に時間をかけて進めます。
まず最初に取りかかったのは自作デカールのためのデータ作成。
元絵を利用して瞳の線を整理していきます。
PCのレタッチソフトを使ってこんな感じで整えました。私は「Paint.NET」というフリーのペイントソフトを利用しています。
そうしたらパーツごとに分解して、大きさや線の太さなどを微妙に変えながら印刷用に配置していきます(瞳孔パーツの種類がやたら多くなってしまっていますが、中間パーツはほとんど使いませんでした)
これを葉書サイズで印刷出来るようにPDF化し、コンビニの「はがきプリント」を利用してデカール用紙に印刷しておきます。
コンビニでの利用なのでレーザープリンター用のデカール用紙を使用します。
ただしデカール用紙の場合、普通のはがきと違ってどうしてもトナーの定着が少し甘くなってしまいますので、実際に使う前に水性ホビーカラーの光沢クリアーを全体にエアブラシして印刷面を保護しておいた方がベターです。
自作デカールを貼り込んでいきます
ここまで下準備が終わったら、まず最初に一番上に配置しておいた全パーツがまとまった状態のデカールを貼ります。ここは普通のデカール貼り作業とやることは変わりません。
数種類作った物を一通り試して、この大きさに決めました。
顔パーツだけの状態で貼り込むと後で髪や眼鏡を付けたときに「イメージが違う!」ってことになりやすいので、髪パーツなども取り付けた状態で位置を決めていきます。こことても重要。
位置が決まったらラッカーの光沢クリアーを吹いて保護し、よく乾かします。
筆塗りの出番です
さてコンビニ印刷のデカールは白が印刷出来ませんので、上の写真のように死んだ目になってしまいました。それをここから直していきます。
エナメルの白を使って白目を入れました。ラッカークリアで保護してありますので、失敗しても拭き取ってやり直しがききます。
塗り分けの境目で塗料がはみ出しても、エナメルシンナーを付けたフィニッシュマスターで拭き取ればかなり精密に拭き取れます。
私がメインで使っている筆はタミヤの超極細面相筆なのですが、最近は100円ショップのダイソーで売っている極細筆も併用しています。
この極細筆(写真右側)、100円という激安商品ですがタミヤの超極細よりも細いです。値段の割にかなりしっかりしていて結構使えます。
また、この手の細かい筆塗りを行う際に一番問題になるのは視力だったりします。私は普段プラモを作るときはこのような眼鏡を使っているのですが……
今回の瞳のような本当に細かい物を見るときには次のものを使っています。
これの10倍レンズを右目だけに取り付けて使っています。
かなり大きく見ることが出来るのですが、焦点距離がかなり近いので使いこなしには慣れと工夫が必要です。でも使いこなせれば細かい作業の精度をかなり上げられると思います。
白目をラッカークリアで保護して乾かしてから、今度は白目の影にグレーを塗り、あとは眉毛やまつげの手直し、口の紅、頬の線などを入れて行きました。ここはかなり細かい作業になるので時間がかかります。失敗したら拭き取ってやり直しです。
クリアー保護の後、今度は瞳孔デカールを貼りました。だいぶ完成が近づいてきましたね!
デカールをクリアー保護した後、今度は瞳のハイライトと泣きぼくろを入れました。なかなかいい感じでまとまりました。
満足がいく出来になったら再びクリアー保護をかけ、よ~~~く乾かします。
写真をよく見ると分かるかと思いますが、デカールの段差が微妙に出ているので研ぎ出しをして均らします。
そうしたら再びクリアー保護 → スーパースムースクリアーと進んで仕上がりです。そこまでやればデカールの段差もまず見えなくなります。
この「こまめにクリアー保護をかける」という工程は、面倒ですが綺麗に仕上げるためには避けて通れません。
今回は都合6層の光沢クリアー層を吹いています。
あと大事なのはしっかり乾燥時間をとることでしょう。慌ててはいけません。
毎回エアブラシを清掃するのは結構面倒なので、クリアー吹きには掃除の要らないエアブラシ「flyer-sr」を使っています。これを導入したおかげでクリアー吹きについては本当に手間いらずになりました。
これはこれでやはり使いこなしにクセのある商品ではあるのですが、個人的にはとてもよい買い物だったと思っています(こちらの記事で商品のレビューもしています)