スタートレック:ディスカバリーS5第7話「エリガー」あらすじや感想など
シーズン5 第7話(通算62話)「エリガー」”Erigah”のあらすじ
逃走したモルとラアクはU.S.S.ロッケラーによって捕らえられていた。
ドクターカルバーが重傷を負ったラアクの治療にあたるが、ブリーン人については情報が少なく治療は難航する。
その頃連邦本部には、ブリーンより手配犯(エリガー)のラアクを引き渡せとのメッセージが届いていた。送り主はブリーン内で覇権を争う6軍団長の一人で、ラアクの叔父ルーンだった。彼はモルとラアクが連邦に囚われたことを既に掴んでいたのだ。
提督やバーナムは対応を協議するが、強硬策と穏健策との間で意見は対立し、有効な対策が見いだせない。
一方、ハレムノで入手した最後の手がかりとなる金属板には6人の科学者の一人、デレクス博士の著書からの引用が刻まれていた。ティリーは古書に詳しいリノ中佐の協力を仰ぎ、解読を急ぐ。
そんな中、ついにルーン団長が率いるドレッドノート級ブリーン戦艦が連邦本部に現れる。
バーナム達はブリーンの内紛を利用して危険な交渉を優位に進めようとするのだが……
情報を整理してみる
- ナーン中佐(保安部所属)は久々の登場ですね。モルとラアクが持っていたヴェレク博士の日記はナーンに回収されました
- ナーンがモルのことを「サテクルー(sa-te kru)みたいに獰猛」と言っていましたが、sa-te kru はバルカンの猫です
- ブリーンはドミニオン戦争でドミニオン側と同盟を結び、連邦に多大な損害を与えています。特に、DS9シーズン7第20話「変節の時」では地球に直接攻撃を行っています ※地球への直接攻撃を成功させた異星人は大変少ないです。ちなみにゴールデンゲートブリッジはこの時一度破壊されました
- 連邦のリラク大統領は安全のためテラープライム(テラライト)に留まっているとのこと
- ブリーンは内戦状態にあり、6つの勢力が後継者を巡って覇権を争っているとのこと
- 実はラアクはブリーン帝国の皇帝直系の血筋で、帝位継承者(サイオン)でした。後継者としての正当性を示すため、彼の叔父(ルーン団長)はどうしてもラアクの身柄を必要としていました
- 手がかりの金属板に刻まれた言葉はマリーナ・デレクス著「心の迷宮」(2371年出版)からの引用でした。オリジナルは手書きの希少本とのことで入手は不可能でした ※ちなみに2371年はヴォイジャーがデルタ宇宙域に飛ばされたりエンタープライズDが撃沈されたりと、色々慌ただしい年です
- ちなみに「マリーナ」の名前は、TNGおよびPICのディアナ・トロイ役、マリーナ・サーティスさんへのリスペクトだと思われます
- リノ中佐は宇宙艦隊に入る前は、VIPシャトルのパイロット・水銀溶接工・アシャロン4号星のバーテンダー・密輸業者など多彩な職業をやっていたとのこと
- ケルラン星はブリーンの前哨基地にされていた過去があるためレイナー副長はブリーンについて詳しく、また家族を殺されたことで怒りを抱えていました
- ケルランを支配していたブリーンの軍団長はタハルといい、かなりおっかない女性のようです
- 各地から希少本などを集めて保管する「永遠の回廊と保管庫」という施設が宇宙のどこかにあり、50年ごとに移動しているとのこと。手がかりの金属板はそれを閲覧するための「図書カード」でした
- ブックの共感力とアディラの分析のおかげで「保管庫」が現在バッドランドにあることが分かりました
バッドランドはDS9で頻繁に登場した宙域で、プラズマ嵐吹き荒れる宇宙の難所です。難所故にマキやレジスタンスの隠れ家としてよく利用されます。U.S.S.ヴォイジャーはここの探索中に飛ばされました - ラアクはモルを逃がそうとして薬を過剰投与し、命を落としてしまいました
- モルはラアクと婚姻関係を結んでいました
- ルーン団長はラアクの死を口実に連邦に宣戦を布告し、戦争で力を示すことでブリーンのリーダーになろうと画策しました
- 創始者の技術を手に入れればその力で簡単に権力を手中に出来ると言って、モルはルーン団長をそそのかします
- モルは創始者の技術があればラアクを生き返らせることが出来ると考えているようです
- ヴァンス提督やトゥリナ大統領は戦争を回避するため、モルをルーン団長に引き渡すことにしました……
ここまでの遺物収集の流れ
隠し場所:担当科学者(種族)教訓
- リレクの墓地:ヴェレク博士(ロミュラン人)文化的背景の重要性
- トリルの聖地:ジナール・ビックス(トリル人)異なる生命体への敬意と尊重
- ISSエンタープライズ:ドクターチョウ(テラン人)未来は自分で切り開ける
- ハレムノ:クリール博士(デノビュラ人)科学技術は重大な責任を伴う
- 永遠の回廊と保管庫(現在の位置はバッドランド):マリーナ・デレクス博士(ベタゾイド人)
今回の感想
リノ中佐は過去設定を色々盛ってきて、なんだかSNWのペリア中佐とえらくキャラ設定を被せてきた感じですなー。まぁペリア中佐を見た時もリノ中佐とキャラ被ってるなぁとは思いましたけど。
さてお話は急展開、創始者の技術を巡る競争相手にブリーンの内政問題が絡んで来ましたよ。
ブリーン戦艦がことさら強大に描かれていたりして、如何にも宇宙艦隊側に勝ち目が無さそうな匂いがプンプンしてきます。
とは言え戦闘が本題ではないスタートレックですから、あくまで交渉がメイン。この辺はブレません。駆け引きでハッタリかますのもスタトレらしくて良いです。でも本部の位置って秘密なんじゃなかったっけ? 護衛艦隊もあまりに居なさすぎて不自然な感じもあります。
あと問題としては相変わらずモルがあまり魅力的じゃないんですよねぇ。凶暴さばかり目立ってて理性的なところが薄いのよね。そこを受け持ってた相棒のラアクは死んじゃったし。でもこれ、生き返るの前提な死なせ方という脚本の流れが見え隠れしている気がします。
ナーン中佐の久々の登場は嬉しいところですが、他のメインキャラの皆さんは相変わらず出番少ないですね(苦笑)これは役者さんのスケジュールなのか予算の問題なのか? ブリーン人はヘルメット衣装さえ用意すればクリンゴンみたいにメーキャップの手間がかからないのが楽そうですが……
連邦の会議風景も以前は色々な種族が集まってやっていたのに、今回偉い人はヴァンス提督とトゥリナ大統領くらいであとはほぼいつものメンバー。避難させたのかとも思いましたが候補生は本部に残っているというのでそういうわけでもないでしょうし、なんだか随分スケールダウンしている印象です。
おかげで会議におけるキャラクターの役割分担が完全にパターン化しちゃってますね、特にレイナー副長とブック(というか連邦首脳の会議にブックが参加しているというのも変な話なのですが)まあ役割がハッキリしている分ストーリーが進めやすいという利点はあるのでしょうが。
と、今回は全体的にラスト3話に向けての下地作りに終始した回という印象が強いです。
次の舞台はバッドランドということで、これは旧作ファンには素直に嬉しいところですな! やっぱりDS9はもう無いのかしら。せめてベイジョーワームホールが現状どうなっているのかくらいは描いて欲しいなぁ。
あと戦争回避のためとは言え、あっさりモルを引き渡す決定をしちゃったのは早計では。これは裏目に出ると思うんだよなぁ~
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