スタートレック:ディスカバリーS4第12話「生命体テン・シー」あらすじや感想など
(以下、文中にネタバレを多数含みます)
シーズン4 第12話(通算54話)「生命体テン・シー」”Species Ten-C”のあらすじ
ディスカバリーは「10-C」とのコンタクトを開始した。
平和を意味する炭化水素をハイパーフィールドへと注入し反応を伺うことにするが、突如動き出したフィールドはディスカバリーをフィールド内へと引きずり込む。だがそれ以上の反応がない。
そこでバーナムはボロナイトを贈り物として転送してみることにする。これが功を奏しついに10-Cが直接その姿を現した。
彼らの発する炭化水素分子と光パターンを解析したことで「10-C」との対話の糸口を見つけ出す……
一方タルカは計画が進まないことに苛立ち、手段を選ばなくなっていた。
囚われていたリノ中佐はタルカが強引にDMAの動力源を奪おうとしていることに気付く。だがそれを行えばハイパーフィールドは破壊され、フィールド内の全てのものは破壊されてしまうだろう。
それを知ってブックはタルカを止めようとするが、反撃を受け逆に拘束されてしまった。
ディスカバリーもブックの船の存在に気付くが時既に遅く、タルカはフィールドを破って逃走し動力源の奪取へと向かう。
これを敵対行動と考えたのか、「10-C」はバーナム達との交渉も打ち切ってしまった。
DMAによる地球壊滅まで、残りあと4時間……
情報を整理してみる
- ハイパーフィールドの直径は火星の公転軌道とほぼ同じとのこと。かなり巨大です
- 前回上陸した惑星から16種類の炭化水素を回収し、それぞれ異なる感情を伝える役目があると分かりました
- 10-Cはこの炭化水素の分子と光パターンの組み合わせで対話方法を指示してきました
- ヒライ博士が言っていた「カルダシェフ・スケール」とは宇宙文明の進化具合を表す指標で現実にある用語です。レベル2は恒星系規模でエネルギーの制御が出来る文明を指します。惑星連邦でもまだそこまで達していませんし、現実の我々人類はまだレベル1どころか0.6くらいの存在です
- バーナムの台詞に出てきた「メティ(METI)」という組織も実在します。地球外の知的生命体とのコンタクトを目的とした非営利団体で、パイク船長役のアンソン・マウント氏も取締役会の一員だそうです(苦笑)
- 10-Cとの会話に使ったリンコス(Lincos)というのは1960年にハンスフロイデンタールという数学者が考案した数学言語とのこと。METIでもこれが地球外文明との通信に役立つと考えています
- ハイパーフィールドを破壊すれば10-Cはもとより内部に居るディスカバリーも破壊されてしまいます。またDMAは消滅しますがDMAの発生させた亜空間の亀裂により地球と二バーも結局は壊滅してしまうという状況です
今回の感想
リノ中佐がリコリス菓子を食べてましたね……あんなマズいものを……(LDシーズン2第7話「愛欲の泉」ではマリナーが「毒薬のような味」と表現しています)
こちらの常識が通じない未知の種族とのファーストコンタクトはSFの古典的テーマであり、醍醐味の一つでもあります。
10-Cがシャトルベイの外に現れるところは、映画「メッセージ」を思い出しましたよ。あれも「言語」をテーマにしたファーストコンタクトSFでしたね。今回のエピソードとは大変共通点が多いです。
今回の場合「10-C」の文明としての成熟具合の高さに舌を巻きますねぇ。コミュニケーションが難しいことは問題ですが、かなり理性的な種族であることは覗えます。
ファーストコンタクトを模索するバーナム達の描写の面白さに対し、タルカの行動の方は割と安直でしたなぁ。ここに来て急に分かりやすい位置づけの悪役になってしまったのはちょっと残念。最終回の展開も予想しやすい感じがします。
あと今回は現実にある科学用語が色々出てきたのでちょっと戸惑いました。
カルダシェフスケールなんて単語を普通に出されてもなかなか分かりにくいですよねぇ。ちなみにカルダシェフスケールがレベル5になると宇宙全体をどうにでも出来る文明だそうです。今の我々から見たら神のような存在ですね。
ゲッターエンペラーは最終的にその上のレベル6まで進化するのかなぁ(苦笑)
「ディスカバリー」の目次はこちら