【お知らせ】

セキュリティ上の問題からレイアウトの変更を実施中です
またこれを機に古い記事の整理も行っております
表示がおかしくなっている場所やリンク切れがあり申し訳ございません。順次修正致します

クレオスのウェザリングカラーとエナメル塗料の重ね塗りの話

プラモデルの話

ウェザリングカラーを試して見ましたが・・・

私は古い世代のモデラーなのでウェザリングや墨入れには昔ながらのエナメル塗料を使うやり方を続けていました。

べつにこれで大きな不満があったわけではないのですが、ふと思い立ってクレオスのウェザリングカラーに手を出してみました。

使ってみるとなかなか便利で、最初から手頃な濃度になっているというのは手間がかからなくていいですし、プラを割る心配が少ないというのも良いですね。

塗料の性格としてはエナメルに近いものだそうですが、油彩系ということで溶剤の匂いがほとんどしないのも好印象です。

ですがちょっと失敗です

今回緑色系のロボットを作っていたので(こちら)、墨入れの後に部分的に緑色のフィルタリングをして調子を整えてやろうと思いました。

で、グランドブラウンで墨入れをした後に、フィルタリングカラーのフェイスグリーンを上塗りしてみたのですが、塗った途端に墨入れに使っていたグランドブラウンが流れ出してしまいました。

乾いた後なら重ねても溶けにくいと聞いていたのですが、全然楽勝で溶けてしまいましたよ。トップコートで保護しなきゃダメでしたか。

ここはちゃんと塗り重ねのポイントを調べておいた方がよさそうです。

エナメルとの重ね塗りを試します

エナメルとの重ね塗りも含めて、塗料の性質を把握しておくことにします。

まずプラ板にエナメルとウェザリングカラーで線を引きました

上がエナメルのブラック、下がウェザリングカラーのグランドブラウンです。

よく乾かしてから、別の塗料や溶剤を筆塗りしていきました。

①フィルタリングカラー・フェイスグリーン
エナメルは溶けない、ウェザリングカラーは溶けた

②ウェザリングカラー専用溶剤
エナメルは溶けない、ウェザリングカラーは溶けた

③エナメルカラー(タミヤXF-55、デッキタン)
エナメル、ウェザリングカラーともに溶けた

④エナメル溶剤(タミヤ、X-20)
エナメル、ウェザリングカラーともに溶けた

⑤アクリル溶剤(タミヤ、X-20A)
エナメルは強く擦れば溶ける、ウェザリングカラーは普通に溶けた

結論です

要するにウェザリングカラーはエナメル溶剤でも専用溶剤でも普通に溶けるということが分かりました。完全乾燥しても専用溶剤で溶かせます。

一方でエナメルカラーはウェザリングカラー専用溶剤では溶けない、という結果でした。ウェザリングカラーのほうが明らかにエナメルよりも弱いということですね。

まあ、すぐに溶けてくれるおかげで、はみ出し箇所の拭き取りは楽でした。すぐ拭き取れます。

一方でエナメルの方が塗面が強いですので、もし重ね塗りをするのならエナメルを下に、ウェザリングカラーを上に、ということになります。

今回の私の作業の場合、エナメルで墨入れをした後にフィルタリングカラーを上塗りするのならOKだったわけです(それでやり直しました)

とにかくウェザリングカラーはエナメルよりもさらに弱い、一番最後に塗るべき塗料だということです。これを生かせば、例えばエナメルで汚しや墨入れをやった後にその塗面を崩さないようにさらに汚しを足したい、なんて使い方には役に立ちそうです。エナメル塗面をクリア保護しなくても重ねられます。

ただ、それだけ塗面が溶けやすいとなると、仕上げのクリア吹きには少し悩むところです。

今回、私は水性ホビーカラーのつや消しクリアーを使って仕上げたのですが、普通に吹いても溶け出しはしませんでした。砂吹きはせずにしっかり塗料を乗せたのですが大丈夫でした。

ラッカークリアーを使う場合はもう少し気をつけた方がいいかもしれませんね。

(追記)エナメルが溶ける場合がある……?

エナメルにウェザリングカラーを重ねたら溶けたというコメントを頂きました。

その方によると簡単に溶けてしまったということなのですが、私の方は経験上そんな目に遭ったことがありません。

念のため私の方でももう一度試してみました。

タミヤのプラ板にタミヤエナメルXF-55デッキタンを塗って乾燥させた物を、ウェザリングカラー専用薄め液を付けた綿棒で擦りまくってみます。

しっかり擦って見たのですが……

やっぱり平気です。さすがに綿棒で執拗に擦ったので擦り跡は残りましたが、溶け出しているというようなことはありません。

同じ製品を使っているはずなのにコメントを下さった方とここまで結果に違いが出るとなると、もはや使っている物が違うんじゃないかと考える方が自然です。

つまり、知らない間に製品のマイナーチェンジが行われていて溶剤が変わっているとか、生産ロットによって強さの違う溶剤が使われている製品があるのではないか? という可能性です。

真偽の程はメーカーの方にでも聞かなければ分かりませんし、その辺は一消費者の我々には知りようがありません。

ユーザーとしては、使う前に一度プラ板などで重ね塗りを試してみて、実際に溶けるかどうかを確認するしかなさそうです。私も今後別の色を購入した際には試してみてから使うことにします。

いや~、こんなこともあるんですねぇ……

2022年8月21日プラモデルの話

Posted by raccoon81920