スタートレック:ピカードS3第10話「ラスト・ジェネレーション」あらすじや感想など
(文中にむっちゃたくさんのネタバレを含みます。未見の人はすぐ閉じて!)
シーズン3 第10話(通算30話)「ラスト・ジェネレーション」”The Last Generation”のあらすじ
蘇ったエンタープライズDはジャン=リュック・ピカード"艦長"の指揮の元、絶体絶命の危機に陥った地球へと急ぐ。だがその途中、ピカード達は木星の大赤斑に潜む巨大なボーグキューブを発見した。
そこにジャックが囚われており、艦隊同化のためのビーコンがあることを掴んだピカード達は、ジャック救出とビーコン破壊のために決死の上陸作戦を開始する……
一方、タイタンのコントロールを取り戻したセブン達は、地球を攻撃しようとする大艦隊を相手に孤軍奮闘する。しかし地球防衛の要である宇宙基地は破壊され、頼みの遮蔽装置も失ってしまい……
情報を整理してみる
- 最初のオープニングロゴ映像の艦がタイタンからエンタープライズDに変わりました。そうこなくっちゃ! 一番最初に描かれた星雲もTNGのオープニング風で芸コマです
- この時代の惑星連邦大統領はアントン・チェコフとのこと。要するに初代エンタープライズクルーのパヴェル・チェコフの息子ということですね。声についてはパヴェル・チェコフを演じたウォルター・ケーニッグ氏が担当されています。日本語吹き替えは劇場版などでチェコフを担当された樫井笙人さんですね
またアントンという名は、言うまでもなくケルヴィンタイムラインでチェコフを演じたアントン・ウェルチン氏からでしょう - バトラフと言ってましたがウォーフの使っていた剣はクルレス
- ボーグは木星の大赤斑にトランスワープチューブの出口を隠していました
- キューブ内のボーグドローンはほぼ死滅しており、クイーンもかなり衰えた状態でした
- クイーンの言う「毒を盛られた」というのはピカードからではなくVOY最終回「道は星雲の彼方へ」でジェインウエイが注入したウイルスの事でしょう。台詞からだけだと判断しにくいですが、いずれにせよボーグ集合体にはかなり致命的なダメージを与えていたようです
- 役目を終えたエンタープライズDは艦隊ミュージアムに収蔵されることになりました。左ナセルのパネルがちゃんと直ってるのが芸が細かいです
- 艦隊に復帰したビバリー・クラッシャー提督の尽力により新転送装置が導入。遺伝子改変された若いクルー達は治療され、潜入している可変種も見分けられるようになりました
- 助かった過程は一切描かれていませんが、トゥヴォック(本物)はちゃんと生きていました。当初のシナリオ案ではハリー・キムが登場しトゥヴォックを救出するという展開も考えられていたそうですが、実現しませんでした。う~ん残念(見たかったなー)
- 世界を救ったことが報道され、名誉を回復したラフィは家族との関係を修復することが出来ました。どうやらウォーフがマスコミに情報をリークしていたようです
- 事件の後セブンは艦隊からの退役を考えていましたが、ショー艦長が実はセブンを高く評価していたことを知って考えを変えました
- U.S.S.タイタンは改装され、U.S.S.エンタープライズGとなりました。エンタープライズの名を冠するには少々性能不足な気もしますけど、きっと大幅な改造がされていることでしょう
- セブン・オブ・ナインはエンタープライズGの艦長に就任し、副長はラフィが務めます。ジャックも少尉として配属されました
- ラフィが発進号令の例として挙げた"engage" と"make it so" はピカード流、"take her out" はカーク流(のバリエーション)
とはいえ “engage" については他の多くの艦長も使っています。なおジェインウエイ流は “Do it" - プルーンジュースはウォーフの好物です。ウォーフの歌については「潜入!ロミュラン帝国・後編」でクリンゴンオペラを披露するシーンがあります
- ムガートはTOSシーズン2第19話「カヌーソ・ノナの魔力」やLDシーズン2第4話「ムガートはグマート」 などに登場した角のあるゴリラ。ムガートって瞑想するんだ……
- クルーの皆でテーブルを囲みポーカーを楽しむのはTNGの伝統。ポーカーをやりながらエンディングを迎えるのはTNGシーズン7最終回「永遠への旅」へのオマージュですね
今回の感想
パトリック・スチュワート氏が事前のインタビューで何やらあまり納得のいかない終わり方をするようなことをおっしゃられていたので、少し覚悟していたのですが、
何ですかこれ! 無茶苦茶完璧で納得出来る終わり方じゃないですか!
バーのシーンでの掛け合いも昔ながらの雰囲気ですし、ポーカーを楽しむ面々を映しながら、いつものテーマ曲が悠然と流れ出した時には、もうね、涙が止まりませんでしたよ!!!!!!
ああ~何て良い終わり方なんだ……と思っていたら
ええええええええええ!!!!
おめー生きてたんかよ!!!!
シーズン2の一番根本的なところが無かったことにされちゃったぞーーーーーー、うわーーーーーー
そりゃあいつが死ぬわけねーよなぁぁぁぁ。
しかしまぁ、「ピカード」という人物の物語としてはこれで綺麗に片が付きましたなぁ。ここから先は何を描いても蛇足にしかなりません。
「劇場版ネメシス」が長い間TNGの一番ラストという形になっていましたが、あの映画のイマイチスッキリしなかった幕引きを、今回は綺麗に上書きしてくれました。これが本当のTNG最終回です。長年の溜飲が下がりました。
これまでになかったエンタープライズDの縦横無尽な高機動戦闘もなかなか新鮮で、最終回らしくて盛り上がりましたねー(ちょっとスターウォーズ的すぎる感じはありましたけど)
かつて「次世代」と呼ばれた人たちが役目を終え、次の「次世代」へと引き継がれていくというテーマも実に明確でわかりやすいです。テーマなんてものは難しくすりゃいいってもんじゃないですからね。
ただ一つ不満を言うなら、結局シーズン1と2のキャラで最後まで登場出来たのはラフィだけになってしまったという点でしょうなぁ。ラリスとの関係すら有耶無耶になっちゃったし。ホントこれ、シーズン3だけ最初からやっとけば良かったじゃん! と言わざるを得ない結果に……(えー)
タイタン改めエンタープライズGのブリッジにやってきたジャック少尉の言動がカークっぽくて笑えましたね。すぐに「どけ」呼ばわりされるのも楽しいです。ジャックは良いキャラに育ちましたな。少尉なのに着任早々ブリッジで艦長席に座るとか大物すぎる(苦笑)
ジャックやシドニー達をメインに据えたスピンオフ(スタートレック:レガシー(仮称))の企画もあるそうなので期待したいところなのですが、もし本当にそれを見られるとしても数年先のことでしょうし、あまり期待はせずに続報を待つとしましょう。スタートレックは予定が詰まってますし、企画が企画だけで終わるのもよくあることです。
それにしても最後にセブンは何て言ったのかなぁ~~~~(私はジェインウエイ流を選択することに一票を入れたいですね)
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