美少女プラモデルの塗装面の傷を防ぐ方法について・前編、クリアランスの話【FA:G、メガミデバイス】
傷対策は塗装派にとって永遠のテーマ
可動フィギュアのプラモデルを全塗装で仕上げようとする場合、どうしてもつきまとうのが塗装面のキズや色移りへの対策です。
動かして遊ぶなら塗装なんかしないで素組みで済ませるのが正しい!というのは重々承知しているのですが、塗装しなければ出せない仕上がりというものもありますし、どちらを優先するかは悩ましいところです。
傷を防ぐための手法としては
- 塗装面が接触しないように十分なクリアランスを取る
- 少し擦ったくらいでは傷にならないよう塗面を強くする
という2つのアプローチが一般的だと思いますが、実際に行うのはなかなか簡単ではありません。
パーツのクリアランスをどうやって確保するか
ボディ周りの対策
先日つくったメガミデバイスの一条綾香ちゃんはボディサイズが小さいこともあって、クリアランスがかなりキツい製品でした。
特にこの辺の腰回りはパーツがキツキツで、太ももを塗装した場合なんの対策もしなければ傷だらけになるのは必至でした。
上の写真は以前別のプラモでクリアランスが不十分だった際のものです。この時は傷ではなく色移りでしたので修正は比較的楽でしたが、やはり太もも周りは傷や色移りが起きやすいポイントなんですよねぇ……
パーツに削りを入れて接触を防ぐというのが最も一般的な手法と思いますが、それだけではクリアランスを確保しきれない場合もありますし、特に一条綾香ちゃんの場合はその辺りはかなりシビアでした。
そこで別の記事でも書きましたが(こちら)削りによる対策の他に、可動軸の位置変更とスカート回りの接着面での延長を行いました。
接着面での延長は工作の手間がかかるのと、お尻周りが前後に大きくなってしまい若干プロポーションが変わってしまうという問題はありますが、この工作で太ももの後ろ側に十分なクリアランスを取ることができました。
ここの上半身と下半身の接合部も、なにげに擦り傷を作りやすい場所なのですが……
実はこの上半身も接着面で約1mm延長して幅を稼いでいます。それを利用してついでに胸回りにもボリュームを与えようという狙いでした(苦笑)
手脚の関節の対策
手脚の関節周りの傷対策は、ボディに比べると”比較的”簡単です。ある程度パターンが決まってますからね。
この写真の場合は、真ん中のパーツを接着面で削り込んで左右に0.1~0.2mm程度ずつ隙間が空くように調整してます。
最近の製品は関節軸の方にストッパーがあって膝を動かしてもパーツが接触する前に止まってくれたりするのですが、中には曲げ伸ばしの際に塗装面にぶつかってしまう箇所が出ることもあります。そういった箇所は地道にチェックして削ってやります。
どうしても当たってしまう所は、なるべく接触が”点”ではなく”面”になるように削ってやったりします。点で当たると力が集中して傷が付きやすくなるためなるべく広い面で当たるようにしてやろうというわけです。
肩周りだとこの部分が意外と見落としがちになりそうな気がします。
ここのパーツはABSのためプライマーやアクリジョンなどで下地を塗ることになりますが、それで意外と塗面に厚みが出てしまい動かしたときに擦れてしまったりするんですよ(プライマーの厚みも割と馬鹿に出来ないときがあります)
まあ何にせよこの辺は慎重に仮組みを繰り返しながら調整していくしかありません。
(後編・塗面の強さの話へつづく)