スタートレック・ヴォイジャー:S5第11話「ドクター心の危機」あらすじや感想など
シーズン5 第11話(通算105話)「ドクター心の危機」”Latent Image”のあらすじ
クルーの健康診断をしていたドクターは、キムの後頭部に手術痕を見つける。その痕跡はドクターの考案した手術法によるものだったが、ドクターに手術の記憶は無かった。
調べてみると、何者かによってドクターの記憶が消されていたことが分かる。さらに調査を始めてからのメモリーも何者かに消されてしまう。
セブンが復元したメモリーから、18ヶ月前にヴォイジャーが謎のエイリアンに侵略を受けた事実が浮かび上がってきた。カギを握るのはジェタール少尉というクルーだったが、誰も彼女のことを覚えていなかった。
ドクターが罠を張って犯人を突き止めたところ、それはジェインウエイ艦長その人だった。ドクターは艦長を問い詰める。
艦長は、記憶を消去したのはドクターのプログラムに生じた矛盾を無かったことにするためだったと語る。だがその詳細については黙して語らない。
詳細を知る他のクルー達も決して真実を語らない。再びメモリーを消去されることになり、ドクターは絶望する。
事件の詳細を知らないセブンは、艦長にドクターの人権について問いかける。
セブンの意見を受け、ジェインウエイはドクターに事件の詳細を知らせることにする。
当時シャトルで任務に出たキム達はエイリアンに襲撃され、ジェタールとキムは重傷を負ってしまう。だが手術が間に合うのはどちらか一人のみ。ドクターはより親しいキムを選択し、キムを手術している最中にジェタールは死亡してしまった。
それ以来ドクターは物事を選択することが出来なくなり、プログラムに支障をきたしてしまったのだ。
全てを思い出したドクターは、再び論理のループにはまり込んでしまう。
ジェインウエイはドクターがより人間的に成長することを期待して、今度は記憶の消去をしないことにする。
回復の見込みはなかなか見えてこなかったが、ジェインウエイは根気よく彼を見守ることにするのだった。
補足情報や感想など
- ミステリー仕立ての謎解きで展開する序盤から、ドクターやセブンの人格論に発展していくシナリオが大変見応えありました
- 18ヶ月前というと、シーズン3の第25話と26話の間に起きた事件になると思われます。この時期ならケスがいるはずなんですが……
- AIやコンピューターにとって、論理矛盾は機能停止の引き金になる危険な要素、というのが古典SFの定番です。カーク船長もその昔これを利用して多くのピンチを切り抜けました
- ドクターが回復しないまま終わりますが、余韻たっぷりで心に残るエピソードでした。ドクター回は本当に名作が多いです
- DS9でノーグの心の傷を描いたのと同時期にドクターの方でも心の傷をテーマにするというのは奇妙な共通性ですね
ヴォイジャーの目次ページはこちら