スタートレック: 2009年版 あらすじや感想など
劇場版11作目「スター・トレック(2009年版)」のあらすじ
2233年。U.S.S.ケルヴィンは時空の裂け目から現れた未知の巨大宇宙船に遭遇する。
攻撃を受け壊滅的打撃を受けたケルヴィンだったが、艦長を引き継いだジョージ・カークの決死の行動により、多くの乗員は脱出に成功する。
ジェイムズ・T・カークはその脱出シャトルの中で産声を上げた……
2255年
立派に成長したものの酒と喧嘩の荒れた生活を送っていたカークは、宇宙艦隊のパイク大佐からアカデミーへの入隊を勧められる。迷った末、カークはアカデミー行きへのシャトルに乗船する。隣には長く友人となるレナード・マッコイの姿もあった。
さらに3年後、2258年
候補生カークは「コバヤシマル・テスト」での不正を追及されていた。テストプログラムの作成者であるバルカン人のスポックは、カークの”ズル”を非論理的と糾弾する。
しかし査問会はバルカンからの救難信号で打ち切られる。士官候補生達も配属が割り振られ任務に加わることになるが、カークは謹慎処分となってしまった。
マッコイの機転でエンタープライズに潜り込んだカークはバルカン星に起きている状況が25年前にケルヴィンが遭遇した事態と同じ物だと気づく。
バルカン星は25年ぶりに現れた「ナラーダ号」の攻撃を受けており、その掘削装置はバルカン星の地中深くへと伸びていた。
先行していた連邦の艦隊は壊滅しておりエンタープライズも攻撃を受けるが、ナラーダの船長ネロはパイク船長にシャトルで投降するよう命じてくる。
交渉で時間を稼ぐ間にカーク、カトー、オルソンの3人はナラーダ号の掘削装置破壊へと向かう。これを止めないと転送も通信も使用できないためだ。
オルソンが犠牲になってしまったが、カーク達は掘削機の停止に成功する。だが時既に遅く、ナラーダ号が惑星の内核へと投下した赤色物質により、バルカン星はブラックホールに飲まれ宇宙から消滅する。
スポックの母アマンダも死に、60億人に及ぶバルカン人が犠牲になった。
ネロの次の標的は地球だった。
カークはネロの追跡とパイク船長の奪還を主張するがスポックは撤退を決め、反対したカークを近隣の惑星デルタ・ヴェガに置き去りにしてしまう。
極寒の惑星で危機に陥ったカークを救ったのは、年老いたスポック(レナード・ニモイ)その人だった。スポックの精神融合でカークは事件の真相を知る。
本来の歴史の2387年、超新星爆発の影響でロミュランの母星ロミュラスが崩壊した。
その時スポックは人工ブラックホールよって爆発を吸収しようとしたが間に合わなかった。ロミュラス崩壊で家族を失ったネロはそれを逆恨みし、惑星連邦を崩壊させることがスポックに対する復讐になると考える。
その後ネロとスポックの船はそれぞれブラックホールに飲み込まれ、ネロのナラーダ号の方は2233年に、スポックはそれから25年後に到着した。
ネロは到着したスポックを捕らえてこの星に転送し、バルカン星が滅ぶのを見せつけたのだ。
スポックはカークをエンタープライズに戻すため連邦の観測基地へと向かう。そこには基地に左遷されていたチャーリーがいた。
チャーリーのトランスワープ転送でエンタープライズに戻ったカークはスポックを挑発して彼が精神的に破綻していることを示し、スポックを解任に追い込む。
艦長代理の席に座ったカークはナラーダ号を追って地球を目指す。
エンタープライズは土星の輪に潜んでナラーダ号の探知を避け、カークとスポックはナラーダ号へと潜入した。
掘削機が地球に打ち込まれる中、スポックは未来のスポックの船「ジェリーフィッシュ号」を手に入れ、カークもパイク船長を救出、掘削装置を破壊する。
逃走するジェリーフィッシュ号を追ってナラーダ号も地球から離れ、エンタープライズもその後を追う。
スポックはジェリーフィッシュ号を特攻させてナラーダ号にぶつけるが、その爆発で赤色物質が活性化してしまう。新たに発生したブラックホールはナラーダ号を飲み込み、エンタープライズも危機に陥るが辛くも脱出に成功する。
今回の功績によりカークは正式にエンタープライズの船長に任命された。
老スポックに対面したスポックもまた、副長としてエンタープライズで使命を果たすことを決意するのだった。
補足情報や感想など
- リブート版スタートレックシリーズの劇場版1作目、スタートレックシリーズの劇場版としては「ネメシス」に続く11作目にあたります
- 日テレがリブート版2作目を放送するので、その前に1作目を見直しておくことにしました
- 新しい世界にリブートして仕切り直したがるのは、長く続いたシリーズ物には良くあるアレですね(苦笑)
- JJエイブラムス監督がメガホンをとっておられ、監督の独特な絵作りはローワーデッキでもネタになっていました
- リブート版でありながら、ちゃんと旧来のスタートレックの続編にもなっているというのが大きなポイントです。なかなか上手いことを考えましたね
- そのため、この映画の出来事が「スタートレック:ピカード」の方に影響を与えていたりもしています
- このリブート版世界を「ケルヴィン・タイムライン(以下KT)」、従来のスタートレック世界を「プライム・タイムライン(以下PT)」と呼びます
- プライム・タイムライン側でも31世紀頃になるとこのケルヴィン世界の存在はちゃんと把握しているようで、DISシーズン3「時空よ、永遠に(前編)」ではKT世界についての言及があります
- リバーサイド造船所で建造中のエンタープライズがカッコイイです。PTとは異なり地上で建造していました。2258年に就航しますがこれはPTよりも13年遅く、つまりパイク船長の活躍がごっそりなくなってしまったことになります。タロス星にも行ってないわけですね。
- 今回のエンタープライズの全長は元祖エンタープライズの2倍以上!なんとエンタープライズEよりも大型船です
- 有名な「コバヤシマル・テスト」は今回も3回目でクリア(苦笑)
- ナラーダ号はボーグテクノロジーが用いられているため無茶苦茶強いです。これが過去に来てしまったために、KTでは技術の進み方がPTとは大分変わってしまいました
- ネロ船長達は25年間何をしていたかというと、実はこの間はクリンゴンに捕まってルラ・ペンテ(クリンゴンの刑務所惑星)にいたのだそうです。序盤の47隻のクリンゴン艦が破壊されたという話は、彼らが脱獄した際の戦闘による物だそうです
- ポッと出の名前あり士官がすぐ死ぬのはスタトレならではのギャグですね。宇宙服赤いし……
- カークを極寒の惑星に置き去りにする若スポック酷すぎ。まあお話の都合なんですが
- 唐突にニモイスポックが登場したときは驚きましたよー
- チャーリーがアーチャー提督の犬の転送に失敗したと言ってましたが、もちろんENTのアーチャー船長のことです。どちらの時間軸でもENTだけは共通の歴史ですからね
- ワープ中の船への転送は未来でも難しいんだけどなー
- エンタープライズの機関室広すぎ
- ナラーダ号の船内は手すりのない高い場所が多すぎて笑えます。これはマジどうにかしろよ(苦笑)
- 高いところでの肉弾戦とワープコア排出はお約束ですね
- 最後にいつものナレーションをレナード・ニモイ氏が読むのが泣けますね……
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