スタートレック: SNW・S4第1話「マリネリス峡谷」あらすじや感想など
シーズン4 第1話「マリネリス峡谷」”Valles Marineris”のあらすじ
バテル船長を失ってから6ヶ月。パイク船長は悲しみを振り払うかのように仕事に没頭していた。そんな彼にエイプリル提督は昇進の話を持ってくるが、パイク船長は乗り気では無い。
そしてエンタープライズは新たな任務として、イサクサス星系付近に発生した巨大宇宙嵐の観測へとやって来た。
だが観測中、宇宙嵐の内側に救難信号ブイを発見する。救助活動のため嵐への侵入を試みるものの、エンタープライズも嵐に飲み込まれ、そして未知の宙域へと弾き飛ばされてしまう。
船の機能の殆どを失ったエンタープライズは、修理に必要なイリジウムを入手するため近くの惑星へと上陸班を送り出す。だが上陸班の前に巨大なティラノサウルスが姿を現し・・・・・・
一方エンタープライズも、突然現れた未知の宇宙船によってエネルギーフィールドに囚われてしまった。パイク船長はなんとか相手の船と通信し、カッセル司令官との交渉にこぎつける。どうやら彼らはドルドゥルムという勢力と戦争状態にあるらしい。
そんな中、スポックの分析でエンタープライズは6500年前の太陽系に飛ばされていたことが判明し・・・・・・
情報を整理してみる
- 今回の宇宙歴は2491.5(2262年)および白亜紀末期
- アカデミーの候補生でバルカン人女性のア・シャが実地研修で配属されてきました。ウフーラが教育係を務めるようです
- ペリア中佐が「電話ボックスから見た」と言っていたのは、ドクター・フーとのクロスオーバーを見越した匂わせ台詞ですね。
- カッセル司令官たちは、実は太古の火星人でした。火星は地球の1/3ほどしか重力がありませんので、地球の1Gに合わせたエンタープライズの人工重力を「不快だ」と言っていたわけです
またワープ技術や転送技術は持っていませんでしたが、位相制御技術を持っていました(この「位相をずらしてすり抜ける」というのは、後々の「遮蔽装置」と同種の技術なのです) - マリネリス峡谷は実際に火星に存在する巨大峡谷です
- カッセル司令官はエンタープライズのコンピューターを見たことで、この船が未来から来たこと、そして未来の火星が滅びているということに気づきました
- カッセル司令官はエンタープライズから反物質を持ち出して武器として使用し、ドルドゥルムの母星である第5惑星を破壊しようとします
- パイク船長はそれを止められる状況にありながら、葛藤の末、手を出さないことを決断し・・・・・・
- かつては火星と木星の間の軌道にもう一つ惑星があり、崩壊したその惑星の残骸が小惑星帯(アステロイドベルト)になった、というのはSFでは昔からある定番ネタです。「星を継ぐもの」が有名ですね(実際には惑星になる前に崩壊したという説が有力ですが)
- およそ6500万年前、現在のメキシコに墜ちた隕石によって舞い上がった塵による気候変動が、恐竜絶滅の原因として最も有力とされています。この隕石によるクレーターをチクシュループ・クレーターといいます。この隕石もSFでは定番のネタなのです
- ラアンは体に異常を感じ始めているようです(優性人類の遺伝子による影響の模様)
- エンタープライズは第5惑星破壊のエネルギーを利用して未来への帰還に成功しました
- VOYシーズン3第23話「遠隔起源説」によると、今回の事件の後、ハドロサウルスは独自の進化を遂げて宇宙船を開発し地球を脱出することになっています(えー)
- 火星人も絶滅したわけではなく、他の惑星への移民に成功していたようです
- 「火星のプリンセス」はエドガー・ライス・パロウズ作の、SF小説の古典です(まあ内容的には今時の異世界転生物のはしりですが(苦笑))
- パイク船長は自分の昇進を固持し、代わりにウーナ副長を昇進させました
今回の感想
とてもスタートレックらしいスタートレックを見せてもらった!という感じがします。こういうのでいいんですよ!
上陸班と船とで平行してストーリーが進むという昔ながらの構成には安心感がありますし、1話完結のエピソードの中に様々なSF要素がギッチリ詰め込まれているのも感心しました(その分SFに対する基礎知識というか、ある程度の素養が視聴者にも求められてるような気はしましたが)
もちろん「スタートレック」としての定番パターンもしっかり詰め込まれていて、観測任務での異常事態遭遇や、救難信号対応からの巻き込まれいうド定番な発端、未知の種族との遭遇と艦隊の誓い、シャトルでの上陸任務で危険に遭遇。さらにはTOS「危険な過去への旅」と同じパターンの伝統的時間ネタ・・・・・・と、よくまあ色々と突っ込んだもんですよ。脚本の人むちゃくちゃ頑張ってますねコレ(苦笑)
しかもカッセル司令官に説明するという体裁で惑星連邦と宇宙艦隊の存在意義や理想、価値観をじっくり語っておきながら、ラストには極めて多数の生命を見殺しにするというのは、なかなか皮肉が効いてます。ドルドゥルムについてもちゃんと知的生命体としての描写をしてあるというのが秀逸ですね。
でもやはり見事だったのはカッセル司令官でしょう。最初は独善的で一方的な敵かと思われた彼女でしたが、実はとても知的で同胞に対する愛情と責任感に溢れた人物だったわけです。彼女がパイク船長と、さらにはバテル船長とも重ねて描かれているのがお見事ですよ。この人宇宙艦隊だったら間違いなく立派な船長になれる人材ですよ。パイク船長とだって良い友達になれたでしょうに。
でもそうはならない。
説得を試みるも逆に正論で諭され、何も言えなくなってしまうパイク船長が辛かったなぁ・・・・・・
ただそういう重いテーマだった割に、最後はたっぷりと恐竜のビジュアルを描くもんだから、最終的には重かった印象はどっか行っちゃいました(苦笑)
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