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スタートレック:プロディジーの暫定的な感想を始めました
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スタートレック:プロディジーS1第7話「ファースト・コン-タクト」あらすじや感想など【暫定】

10. プロディジー(PRO)プロディジー

(以下、ストーリーのネタばれを含みます)

第7話「ファースト・コン-タクト」”First Con-tact” のあらすじ

過去のプロトスターを襲った出来事については依然詳細が不明なため、ホロ・ジェインウエイは動揺を隠せないでいた。

一方でダル達は船に設置された転送装置を発見。その驚異的な性能に大いに盛り上がる。

そんな中、近隣の難民船から救難信号が入った。船が故障し危機に陥っているというのだ。だがダルはその救難信号が偽者だと一瞬で見破る。実はその救難信号の発信主こそ、ダルの育ての親でフェレンギ人のナンディ船長だったのだ。

自分が育った船を久しぶりに訪れたダルは、昔と変わらない船内の様子を懐かしむ。だがロックタックが口を滑らせたことから、プロトスターに貴重なキメリウムが積んであることがバレてしまった。金の匂いに敏感なフェレンギ人がこの情報を見逃すはずもなかった。

ダルがナンディ船長と交渉した結果、彼女の取引に協力する代わりに、ナンディ船長の持っているクリンゴン製の遮蔽装置を譲り受けるということで話がまとまった。その取引とは異星文明に接触したことのない未開の種族から、レマライト・クリスタルという物質を入手することだった。

だが異星文明との不要なファーストコンタクトは「艦隊の誓い」に対する重大な違反行為なのだ。

懸念を示すホロ・ジェインウェイの忠告を無視し、ダルは皆と共に問題の惑星へと交渉に赴くのだが……

情報を整理してみる

  • ダルの育ての親ナンディが登場、なんとフェレンギ人女性でした
    フェレンギ人は「エコノミックアニマル」と呼ばれた頃の日本人を揶揄したような種族で、金儲けのためなら手段を選びません。もちろんそれだけじゃなくて愛すべき部分も多いのですが、その辺はDS9を見ていないと理解が難しいところなので未見の方は是非頑張ってDS9見て下さい!(笑)
  • フェレンギの女性は立場が極めて弱く、以前は商売をするどころか服を着ることすら許されない存在だったのですが、徐々に立場が改善されました(DS9で複数のエピソードに渡って描かれています)ナンディ船長はその改革の後に独り立ちして商売を初めたのでしょう
  • ナンディ船長の船ダムゼル号は、旧作でもお馴染みのフェレンギ・マローダーですね
  • ガンマ宇宙域で商売をしているフェレンギ人となればベイジョーワームホールを通ってきたのかな? と考えたいところですが、ベイジョーワームホールのガンマ宇宙域側出入口はデルタ宇宙域からだと数万光年の彼方なので、おそらく通常ワープで時間をかけてやってきたのだと思います。立場の弱いフェレンギ女性が一旗揚げるには新しい市場を開拓するしかなかったのかもしれませんね
  • フェイジという病気はヴォイジャーの序盤に登場した敵対種族のヴィディア人が、種族全体にわたって苦しめられている病気です。ヴィディア人の領域はかなり遠いはずなので、ナンディ船長がどうしてこの病気のことを知ったのかは謎ですね
  • 遮蔽装置を動作させるにはキメリウムが必要とのこと。これは過去作では描かれていない設定です
  • 今回登場した「フェレンギ金儲けの秘訣」は次の3つ。いずれもDS9で登場したことのあるものです
    第1条 もし金目の物を拾ったら、絶対返さないこと
    第21条 友情を金儲けに優先させてはならない
    第208条 時と場合によっては、質問をする事より、答えを聞く事のほうがずっと危険なこともある
  • 画像分析の結果、チャコティ艦長指揮のプロトスターに侵入してきた敵は、ドレッドノックだと判明しました
  • 今回接触した惑星の文明にとってレマライトは欠かすことの出来ない物で、一つとして失うわけにはいかなかったのですが、ナンディ船長は強引に奪って逃げ出してしまいました
  • ダルは自分が誘拐されてタルス・ラモラの鉱山に連れて行かれたのだと思っていましたが、実はナンディ船長に売られたのだと判明しました
  • プロトスターにあったキメリウムはナンディ船長に奪われてしまい、遮蔽装置も手に入れることが出来ませんでした
  • ダルの機転でレマライト・クリスタルの奪還には成功し無事惑星に返還しましたが、艦隊の誓いは完全に破る結果になってしまいました
  • 計画が失敗し怒り心頭のナンディ船長は、プロトスターの情報に賞金がかかっていることを知り……

今回の感想

今回のスタトレ初心者向け解説は「転送装置」と「艦隊の誓い」、さらにオマケで「フェレンギ金儲けの秘訣」ですね。

これまで転送の描写自体はありましたけど、ちゃんとした解説はしてなかったですからね。それにプロトスターの転送室を描写したことで、今後はダル達もちゃんとストーリーの中で自然に転送を使えるようになるわけです。

そして宇宙艦隊にとって避けては通れぬ「艦隊の誓い」ですよ。本作がスタトレ入門者向けのシリーズ(という建前)である以上、これをメインのテーマとするお話はやはりどこかでやっておかないといけませんよねぇ。

とはいえ艦隊の誓いを破った結果どのような悪影響が生じるかという事までは、あまり具体的に突っ込んではいませんでした(その辺は派生作品である「宇宙探査艦オーヴィル」の方がしっかり踏み込んでたりするのでオススメです)

まあ艦隊の誓いを破ったことに対してジェインウェイに叱責されても、正直「おまえがいうなー」って感じではあるんですが(苦笑)ダルはダルでちゃんと重大な失敗をしたと受け止めてるのは良いですね。彼の成長を感じます。

一方で「親から裏切られる子供」というテーマも強く印象に残りました。この番組の主な視聴者である子供にとっては、これは本当に大問題で重いテーマですからね。

また、これによってダルとグウェンにまた一つ共通点が出来たわけで、2人の関係性という点でも大事なエピソードになるわけです。ダルに対し説教をするのではなく優しく反省を促しつつ、しかし自分もまた親に捨てられた痛みを癒やせずにいると言うグウェンのお姉さんっぷりがとても印象的でした。

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