スタートレック・ピカードS1第一話「追憶」の感想とか状況整理とか
スタートレック・ピカード配信開始!
スタートレックシリーズ待望の最新作「スタートレック・ピカード」の配信がアマゾン・プライムにて始まりました。
米国本国の放送から24時間以内に日本語吹き替え版で視聴できるなんて、なんて良い時代なんでしょう!
ただ日本ではイマイチ一般ウケの悪いスタートレックシリーズ。今回もあまり扱いは良くないようで、最新作というのにプライムビデオのトップページに大きく表示されるようなことはありませんし、アマゾンの商品検索で「スタートレック」と打ち込んでも全然この作品がヒットしてくれません(えー)
なかなか見つからない! という方はこちらのリンクからどうぞ。吹き替え版と字幕版どちらも選択できます(ただし、もちろんプライム会員限定です)
(以下ネタバレあり)
第一話のあらすじ
前作「スタートレック・ネメシス」からおよそ20年後
ジャン=リュック・ピカード元提督は艦隊を辞し、故郷のワイン農園で暮らしている。ロミュラスが超新星爆発の影響で壊滅してから14年が経過したが、未だピカードは多くの命を救えなかったことに憤りを感じていた。
ピカードのもとにダージと名乗る女性が訪ねてくる。彼女は自宅で何者かに襲われたが、自覚のないうちに襲撃者を撃退し、その際にピカードのイメージが脳裏に浮かんだことから彼のもとを訪ねてきたという。ピカードは彼女を保護するが、翌日には彼女の姿は消えていた。
データが30年前に描いた絵にダージの姿が描かれていることを知ったピカードは、ダージがアンドロイドではないかという可能性に気づく。しかし再会したダージは再び現れた襲撃者との戦いで破壊されてしまう。襲撃者はロミュラン人だった。
ピカードは手掛かりを求めて沖縄のデイストローム研究所を訪れ、行方不明中のブルース・マドックス博士がデータのポジトロニック・ニューロン情報を利用して双子のアンドロイドを作成した可能性に行き着く。
一方、双子のもう一人、ソージは、ボーグキューブの残骸を利用した「ロミュラン再生施設」で働いていた。そのソージのもとに、ロミュラン人ナレクが接近してくる…
状況を整理してみる
今回視聴して少なからず困惑してしまったのは、スタートレックオンラインの設定とはかなり変わってしまっていたこと。
特にデータ(B-4)はオンライン世界では完全にデータとして復帰しエンタープライズEの艦長まで務めるのですが、この新作世界ではデータの二代目にはなれず分解して保管されているという状況です。もうこれを映像で見せられた時点で、この世界はオンラインとは完全に別の世界線だと分かります。オンラインの方の知識は脇に置いておいた方が良さそうです。
ただし変わらないというか、変えようのないのが「ロミュラスの崩壊」。これを無くしてしまうとケルヴィンタイムラインの映画シリーズまで成り立たなくなってしまいますからね。ただその経緯には過去作に無かった新要素が入ってきました。
今回描かれた内容から、この世界の歴史に関わる部分を整理してみますと
- ロミュラス崩壊時、ピカードは救援の指揮をとるためにエンタープライズを離れた(この時点まで艦長やってた?)
- 9億のロミュラン市民避難作戦は途中で打ち切られ、多くの死者が出た
- 艦隊への抗議と失望からピカードは辞任(最終階級は大将だった模様)
- 作戦中止の原因は人工生命が暴走し火星で建造中の救難船と造船所が破壊されたため(という建前?)
- 暴走の原因は不明のまま。以後、人工生命の研究は禁止とされ、データを作った技術も再現されていない
オンラインですとロミュラス崩壊後もピカードは連邦大使を勤めますが、今作ではロミュラスの事件後に農場に隠遁してしまい、そのまま約14年が経過している模様です。
ロミュランは連邦の長年の仇敵ですし、人工生命の暴走にはこの辺を絡めた陰謀がありそうです。
まだまだ発端ですが…
旧シリーズのような一話完結ではなくシリーズでストーリーを展開する今作ですが、全10話というミニシリーズということもあって展開は割とスピーディですね。ダージの正体を謎のまま引っ張らずにすぐに明かしてしまうとは思いませんでした。
とはいえまだ発端過ぎてストーリーの先が読めません。まだ旧作キャラも殆ど登場していませんし、早く続きが見たいところです。次回は1月30日配信(米国)とのことですので日本では31日には見られるはずです。楽しみに待ちましょう。
しかしデータの娘かぁ。旧シリーズ中もそんな話がありましたね(TNG第3シーズン16話(通算64話)「アンドロイドのめざめ」)その話でもデータの娘に当たるアンドロイドが登場しましたが、ダージの外見を微妙にそれに似せているのは狙ってるんでしょうか?
他に旧作から関係してきそうなのはTNG第2シーズン9話(通算35話)「人間の条件」に登場したブルース・マドックス博士。データの人権を論じた裁判の話でした。今作でもしっかり名前が出てきましたし、どうもこの人が今回の事件の中心人物のようです。
そして久しぶりに活躍するピカード艦長は…やっばり老けましたねぇ。階段を上るのも一苦労な様子ですし、一番印象に残ったのはインタビューのシーン。答えにくいことを聞かれてゴニョゴニョとハッキリしない口調で口ごもる様子は、かつての常に堂々とした艦長には無かった態度ですよ。私はこのシーンが一番ピカード艦長の変化と老いを感じましたね…
(以下は完全な余談)
インタービューシーンで「例えるべき歴史」として挙げられていた「ダンケルク」は第二次大戦中の有名な撤退戦です(インタビュアーの女性は分かっていなかったようでしたが…)
割と最近(といっても2017年…)クリストファー・ノーラン監督にて映画化されたりもしていますので、興味のある方はチェックしてみるのもよろしいかと。
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