【スタートレック:ローワー・デッキ】S1第9話 あらすじと情報整理と感想※ネタバレあり
第9話「クライシス・ポイント」”Crisis Point”
このシリーズがスタートレックの正史「プライムタイムライン」の出来事なのは一目瞭然ですが、スタートレックには他にも「ケルヴィンタイムライン」という歴史の異なる世界線があります。
そっちについてロワーデックスでは特にネタにしないのかな? と思っていたのですが、今回はその辺を派手に突っ込んできましたよ(苦笑)
(以下、ネタバレ全開です)
シーズン1 第9話のあらすじ
マリナーはとある惑星でトカゲ型宇宙人とネズミ型宇宙人の対立を解決し、誇らしげだった。
だがフリーマン艦長はそれを内政干渉だとしてこっぴどく叱りつけ、マリナーをカウンセラーの元に出頭させる。毎週セラピーに通わされることになりマリナーは怒り心頭。
一方ボイムラーは艦長との面接の練習をするためにホロデッキへやってくる。上級外交の研修生を選ぶための面接なので張り切っていた。
ボイムラーは面接のために上級士官達の個人日誌をもとにして彼らのホログラムを作り上げていた。これで予行練習をしようというのだ。
ホログラムの反応が実在の人物通りなのを見たマリナーは、これでストレス解消をしようと考え、プログラムを大幅に変更する。
マリナーはストーリーのある映画に書き換えてしまったのだ!!
ホロプログラムの映画「クライシス・ポイント」がスタートする。
上級士官達は湖で水上スクーターを楽しんでいた。
だがそこに呼び出しがかかる。イドロカーナ6号星でサン・クレメンテ号という偽の連邦艦が活動しているというのだ。
調査に向かったセリトスの前に現れたのは、マリナーが演じる悪役ヴィンディクタ艦長の乗ったクリンゴン・バトルクルーザーだった。
テンディとラザフォードも悪役の手下として登場、3人はセリトスに乗り込んでくる。
マリナーは艦内で好き勝手に暴れ始めるが、見知ったクルー達を次々殺していくのを見てテンディは嫌になり、ホロデッキから出て行ってしまう。
一方ラザフォードは尊敬しているビラップス少佐に対し、いつもは照れて言えない賞賛の言葉を投げかけ、いつも以上に協力して仕事を始めてしまう。
ブリッジに辿り着いたマリナーはフリーマン艦長と対決する。
マリナーはクリンゴン船のワープコアを爆破し、その衝撃でダメージを負ったセリトスは惑星に墜落する。
墜落した円盤部の中ではマリナーと艦長の母子対決が始まり、マリナーは子供の頃からたまりにたまった鬱憤を母親にぶつける。
追い詰められたフリーマン艦長を助けたのは、ホロプログラムのマリナー本人だった。ボイムラーはマリナーまで再現していたのだ。
マリナーは自分と対決することなり、自覚していなかった自分自身の本音を聞きながら敗北する。
プログラムは終了し、マリナーは自分に敗北したことでむしろサッパリした気分だった。テンディに謝って仲直りし、艦長にも謝罪する。
その頃ボイムラーはこっそりプログラムを再開する。それはマリナーの死を悼む艦長のシーン。
ボイムラーは艦長とマリナーが母と娘であることを知ってしまい驚愕する……
情報を整理してみる
- カウンセラーのドクター・ミグリーモは何でも食べ物に例えるため評判が悪いらしい
- サラッ、と流されていますが、実在する上級士官のホログラムを作って、しかも非公開の個人日誌を使って人格を構築するとか、明らかにボイムラーのやってることは規約違反です。バレたら面接どころではありません(昔ラフォージやバークレーがやって白い目で見られてます)
- オリオン人は5年くらい前から海賊行為はしていないとのこと。奴隷はまだ使っているらしく、テンディはその話をされるのが嫌い
- フリーマン艦長はチョコレートアレルギー
今回の元ネタ解説
※小ネタは多すぎて全部は把握できていません。何か思い出したらまた追記します。
- ホロデッキのダ・ヴィンチはVOYのジェインウェイ艦長が愛用しているプログラム
- 映画のタイトルロゴはTNGシーズン5のタイトルロゴのパロディ(TNGはシーズン5だけタイトルロゴがワープエフェクト付きなのです)
オープニングそのものは「カーンの逆襲」っぽいですね(ロゴは飛びませんが) - 映画が始まると画面にフィルム傷のエフェクトが入り始めますが、それよりもとにかく目立つのは必要以上に眩しいレンズフレアの輝きです(苦笑)
これはケルヴィンタイムライン版「スタートレック」の監督である J.J.エイブラムス監督がやたらと好む演出なのです - 宇宙基地内のセリトスをこれでもかとグルグル描写するのは、劇場版でエンタープライズをグルグルと描写するシーンをさらにしつこくしたもの。いや本当にしつこい(苦笑)
- ワープの際船体がグ~ッと伸びて光の筋が後に残るのは「イントゥ・ダークネス」のときのエフェクトに近いかな?
- マリナーが指揮する敵船は基本的にはクリンゴン・バトルクルーザーでしたが、カラーリングなどは「ミスタースポックを探せ」に登場したバードオブプレイを意識したデザインになっていました。登場シーンのカット割りも似せてますね
- マリナーは台詞をシェークスピアの戯曲「テンペスト」から引用していました。テンペストはスタートレックでは良く引用されます(最近だと「ピカード」でもありましたし、TNGでデータが演じていたこともあります)
- ヴィンデクタは直訳すれば「罰」ですが、復讐とか報復、制裁といった意味もあります。如何にもシェークスピア的です。
- エンタープライズが壊れるのは劇場版の伝統ですが、円盤部が地上に激突するのはその中でも「ジェネレーションズ」と「ビヨンド」です
- 最後の対決が高いところでの肉弾戦というのはもはや劇場版ではお約束です
- 森の中に落ちてるカプセルはミスタースポックの遺体を入れたカプセルのパロディ(「カーンの逆襲」のラスト及び「ミスタースポックを探せ」の冒頭)
- エンディングに出演者のサインが流れるのは「スタートレックVI:未知の世界」のラストから
今回の感想
今回はとにかく劇場版ネタがてんこ盛りで大爆笑です。JJレンズフレアはもう笑い転げました。
円盤部の落下はどっちのパロディで来るのかと思ったらどちらとも違って、観覧車先輩みたいに転がるとは予想外。
やはりパロディというのはネタ元が分かりやすい方が良いですね~。あまり小ネタ過ぎても分かり難いですし、今回は劇場版で固めてくれたおかげで存分に楽しめました。
アマゾンプライムさんも今こそ劇場版全作を再配信してくれればいいのになぁ。
さてボイムラーはマリナーの秘密を知ってしまい、いかにもクライマックスという雰囲気になってまいりました。
それにしてもボイムラーは回を追うごとにダメダメな感じが強くなっていきますねぇ。最初の頃は頑張ってるけど未熟で上手くいかない、ってくらいで少なくとも将来性には期待を持てたんですが……
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