ダイソーの「立体型取り材」を買えたのでパーツ複製を試してみたぞ【レビュー】
立体型取り材が売ってました!
普段あまり行かないダイソーの店舗を覗いてみたら、例の「立体型取り材」が売っていましたので買ってきてみました。早速試してみます。
意外とコンパクトなパッケージです。中身は取扱説明書と液体の薬品、そして粉状の薬品です。
材質は植物性凝固剤、フッ素水と記載されています。
フッ素と言えば虫歯予防で歯磨きペーストに含まれていたりフライパンの焦げ付き防止に使われていたりしますね(劇薬のフッ化水素とは違います)
植物性凝固剤と言うことは寒天のようなものなのでしょうか?
こちらは取扱説明書です。両面型取りをする場合は固まってから半分に割ると書かれていますが、その辺は2回に分けるなどした方が確実でしょう。
今回は大まかな使い勝手と、どの程度の精度が出るかを試したいので、作業の簡単な片面型取りで行こうと思います。
まずは準備作業
なにを型取りしようかと考えましたが、これを使うことにしました。
以前入手したカプセルトイの猫です。
表面に細かいディテールがあり、造形にも入り組んだ箇所がありますから実験には丁度良いだろうと思います。大きさも手頃ですしね。
お湯を80ml使うとのことですので、あらかじめ計量カップで80mlを計って紙コップに入れ、水面の位置に線を引いておきました。
調合用のスティックには普段塗料をかき混ぜるのに使っているマドラーを使うことにします。
ではやってみましょう
紙コップに沸騰した湯を注ぎ、少し冷めるのを待ちます。
説明書には80度以上のお湯を使うようにと書かれていますので、温度計で確認しつつ88度くらいまで来たところで次の作業に移りました。
使っている温度計は普段料理の際などに使っている非接触温度計です。
まず液体の方を入れて良く攪拌し、次に粉の方を少しずつ入れていきます。ダマにならないよう少しずつ入れるとのことで、パンケーキを作るときに薄力粉を混ぜる作業を思い出します。
全部混ぜました。ジェル状の液体になりましたが、結構気泡が入ってしまいましたね。
先ほどの猫ちゃんを別の紙コップに沈め、調合した型取り材を流し込んでいきます。
ちょっと気泡が多すぎるようでしたので、紙コップに電動歯ブラシを当てて振動で気泡を浮かせてやることにしました。建築のコンクリート打設時に振動で空気を抜くのと同じ要領です。
このまま60分ほどで硬化するとのことですが、タップリ2時間ほど放置しておくことにしました。
型が固まりました
シリコンとは違い、なんだか水ようかんのような雰囲気です。本当に寒天ベースの素材なのかもしれませんね。コップをひっくり返したらあっさりと抜けました。
全体的にヌルヌルしていて変な感じです。猫ちゃんもあっさり取り出せました。さて今度はこれで複製を作ってみましょう。
UVレジンを注いで、UVライトで硬化させます。さて出来映えの方はいかに?
複製品の精度はいかに?
結構いいんじゃないでしょうか。細かいディテールも結構拾えているようです。
着色してもう少し分かりやすくしてみましょう。
透明の状態では気づきませんでしたが、首の横の入り組んだところは気泡が入って失敗していました。ただ顔の表情はしっかり複製できていますし、全体に施された細かい毛並みのディテールも、かなりしっかりと取れているようです。
もちろんあまり細かいディテールは取りこぼしが見られますが、100円でこれだけ精度の出る型取り剤なら十分すぎるほど合格点なんじゃないでしょうか。
注入の回数を分けたり分割を工夫したりすれば、精度を上げていくことも可能だと思います。
ただ現状唯一の不安要素は「植物性凝固剤」というところかもしれません。
本当に寒天のような素材だとすれば、おそらく耐久性は期待出来ませんし、すぐカビてくるんじゃないかと思います。
折角なので今回作った型はこのまま放置して、カビなどの発生が起こるかどうか観察してみようと思います。
(また変化があれば追記しますね)
(追記)カビる!縮む!これが欠点だった!
昨日作った型を紙コップの中で1日放置していたところ、大きな欠点に気づきました。
紙コップとの間に隙間が出来ています。昨日作った時点ではもちろん無かったものです。1日で水分が蒸発してこれだけ縮んでいるということですよ。
もともと水を凝固させている製品ですから成分の大部分は水です。この気温ではどんどん蒸発して行くのは考えてみれば当然でしたね。もはやこの型にレジンを流し込んでも、原型より小さく縮んだものしか作れなくなったわけです。日が経つほど収縮は進むことでしょう。
つまりこの製品で型を取った場合、速攻で複製品を作らなきゃいけないということですよ。予想以上に使用期限が短いようです。
さらに追記
攪拌した際の余った分を紙コップに放置していたのですが、4日目にしてカビの発生を確認しました。作成した型の方にはカビは出ていませんでしたが、まあ時間の問題でしょう。
やはり基本的には1回限りの使い捨てということですね。何回か使いまわせる型を作りたい場合はシリコンを使用するか、せめておゆまる複製にした方が良さそうです(おゆまる複製についてはこちらで記事にしています)