【映画】大怪獣のあとしまつを見てきた!見えてる地雷を踏むぞ(苦笑)【感想】
ダメ映画の匂いがプンプンしていたのですが……
映画「大怪獣のあとしまつ」を見てきました。
怪獣映画と言ってもこの映画は怪獣の死体処理をテーマにしていて、派手な戦いなどがないことは事前に分かっていました。
アイデアとしてはそれほど斬新というわけではありませんが、真面目に取り組めば割と面白い題材だとは思います。
ただメガホンをとられた三木監督は、王道的なストーリー展開よりも斜に構えたシチュエーションを得意とするタイプなのは存じておりましたので、正直なところ期待半分不安半分……いや期待2不安8くらいには感じてました(苦笑)
実際私の”クソ映画センサー”にはビンビン反応が来ており、見えてる地雷の予感は思いっきりあったのですが(苦笑)、見てみれば意外と面白かったりするかもしれないなぁと思い、ともかくは劇場へ行ってみることにしたわけです。
以下感想です(思いっきりネタバレあり)
とりあえず予備知識は上に書いた程度のことだけで、他の情報には一切目を通さずに見に行きました。
まず最初から怪獣は死んだ状態なのですが、死んだ理由は何かの”光のパワー”による物としか分かりません。
さらに序盤からことさらに「デウス・エクス・マキナ」を強調してきます。この言葉は「物語の終盤に神のごとき存在が突然現れてストーリーをまとめてしまう展開」を指す演劇用語です。
さらにさらに、主人公の名前は「アラタ」とのこと。
いやもうね、これだけでオチがピンときちゃいましたよ。その後も「主人公は謎の光に包まれて2年間行方不明だった」といったことか明らかになり、あーこれは間違いなくアレですねーとバレバレです。
「アラタ」ってどう見ても「ハヤタ」のパロディじゃないですかー
早々にオチがみえてしまったので劇中の出来事が全て茶番に見えてしまい(いやまあ元々茶番ですけどね)、2時間近い上映中ずっと「はやくへんしんしないかなー」と思いながら見てましたわ。
オチが分かっていても怪獣処理に奮闘する人々がしっかり描かれていれば十分面白くなるはずなのですが、困ったことに繰り広げられるのは大臣達の薄っぺらい会話劇と主人公周りの3角関係ばかり。
大臣や閣僚の対応を面白おかしく描くというのはシン・ゴジラの影響なんでしょうが、寒いギャグとくだらない下ネタの応酬ばかりで有能な人が全然いないというのには脱力するしか。これを延々2時間見るのはキツかったー
ならばせめて特撮部分でいい絵を見せてくれたりすれば見る価値もあるのですが、予算がないのか、そもそもそんなことをやる気が無いのか(多分両方)特撮シーンは無茶苦茶少ないです。怪獣をタイトルにしておいてそりゃないでしょう。
所々に入る廃墟や怪獣の描写自体は悪くないんですけどねぇ。「二番艦」とか呼ばれる超兵器も登場するのですが、画面に出てくるのは影だけ。あとは見上げる人達の顔ばかり。
ダム爆破くらいミニチュア組んでドーンと爆破シーン見せてくださいよぉ。オダギリジョーがボートで出ていった後いつの間にか爆破されて水だけが流れてくるので、シーンの繋がりも凄く悪かったです。
で、やっとそれらも乗り切って最後の最後にアラタ君が変身したら終了です。ああやっと終わりだーとホッとします(苦笑)
もちろん巨人のデザインは画面に映りません。光る巨人の手とか足だけがチラッと映るだけです。この巨人が全部解決してくれてめでたしめでたしです。
デウス・エクス・マキナと伏線は張ってましたが、それを本当にそのままやる奴があるかーーーー!!!!
正直30分番組でやるなら丁度良いかなー、くらいの内容でしたね。
オチのヒントについても提示しすぎですよ。すぐ気付いちゃった。もっとも提示しなかったらそれはそれで「オチが唐突すぎる」なんて叩かれちゃいそうですけどね(こんなバレバレの伏線だったのに、それでも「唐突すぎる」と怒ってる人がいるのにはちょっと驚きました)
もはや残る楽しみは「邦キチ」がこの映画をどう料理してくれるかという点に尽きます。服部先生頑張ってー!(苦笑)