【感想】丁寧に作られた”大人向け”ガンダム、閃光のハサウェイを見てきた【映画】
これが最新のガンダム映画
再三にわたり公開が延期されていた「機動戦士ガンダム:閃光のハサウェイ」がようやく公開になりましたので、早速見てきました。
原作は未読、ですがあの有名なラストは知っています。そういう人は多いのでは。
また、あまり宣伝などでは大きく表記されていませんが、本作は3部作のうちの1作目だそうです。今回だけでは完結しませんのでご注意を。ちなみに2作目以降の予定は全くの未定だそうです(えー)
(ネタバレを含みますので御注意下さい)
ざっくりとした感想を先に言ってしまうと、
- やはりファン向けの作品である
- 従来作品よりも大人向けが徹底している
- 細かい部分まで丁寧に作られている
といった印象を持ちました。
ストーリーについては「ファーストガンダム」と「逆襲のシャア」は見ておかないとついて行けませんね。特に逆シャアは必須。ユニコーンは別に見なくて大丈夫です。Zは見ておけば楽しめるシーンがちょっと増えるかな程度。
あとは公式ページにあるストーリー紹介の内容くらいは知っておいた方がいいです。最大のネタばれである ”ハサウェイ=マフティー” という部分は、むしろ最初から知っておかないと会話について行けないという大きな矛盾を抱えています(苦笑)
それはともかくとしても、会話内容に含みが多かったり政治的要素が多かったりしますので、ちゃんと理解するにはそれなりの理解力も求められます。やはり大人向けの作品です。
まあ、ガンダムも大人向けに作られるようになって久しくはあるのですが、今回はかなり徹底して大人向け方向に振っている作品だと思います。モビルスーツの戦闘全部省いて会話劇だけで進めてもストーリーは成立できるでしょう。
そして感心したのは細かい描写の丁寧さ。
シャトル内の小道具の一つ一つまで無重力下で使う物だということを考えたデザインと挙動になっていて感心させられましたよ。
食事の描写も実に丁寧で、肉が美味しそうなのもそうですが、どのキャラクターがどんな物を好んで食べているのかもキッチリ描き分けされてるんですよねぇ。う~ん、あの食事シーンは地味ですけど唸りました。
とはいえ全体としては、結局完結しないまま第2部へ続くになるので、やや消化不良な感じは否めなくもあります。これは仕方ないところですね。
あとは細かい感想などを
モビルスーツの戦闘はことごとく夜戦なので全体的に画面は暗めです。劇場の大画面ならそれでも挙動は分かりますが、家のテレビだとかなり分かりにくくなりそうな予感。モビルスーツ戦はやはり見所ということで細かいところまで力が入っているのが分かるだけに、この見づらさだけはちょっと残念でした。
ただモビルスーツの脚元を逃げ回るシーンはマジで怖かった。今回はモビルスーツが怪獣のような挙動で街中を動き回るのでホント怖かったです。
怪獣といえばペーネロペーの飛行音がキングギドラかゼットンかという感じのピロピロ音だったのは面白かったかな。
キャラクター的には、ケネス大佐の頼れる兄貴っぷりも好きなのですが、やはりギギに尽きます。この娘の存在感たるや半端ねーですねぇ。上田麗奈さんの演技がバッチリハマってますよ。声優さんすげえ。
それに比べると主人公のハサウェイは、なんだかラノベによく居そうなヤレヤレ系主人公っぽく達観した感じがして、イマイチ魅力に欠けます(苦笑)そのくせタクシーの運ちゃんに暇人呼ばわりされてヘコむのには笑いましたよ。
でも、ハサウェイ君結構悪いことやってるんですよねぇ。ホテルでハサウェイにお礼言ってきた高級官僚の家族とか、子供もおばあちゃんも全部ハサウェイの指示した攻撃で死んじゃってるのよね……
そういった直接描写がないところは画面や会話から読み取らないといけませんので、結構集中力を使わされる映画でしたよ。
早く第2部以降を見たいところですが、なんでも先月の時点でまだ脚本も上がってないそうです(えー)
サンライズさんは他にも抱えてる作品多いですから、あまり期待しすぎずに気長に待つことに致しましょう……