スタートレックVI:未知の世界 あらすじや感想など
劇場版6作目「未知の世界」のあらすじ
クリンゴン母星クロノスの月、資源衛星のプラクシスで爆発事故が起きた。
爆発の規模は極めて大きく、クリンゴン帝国に甚大な被害を及ぼす。だがクリンゴンは軍事費の歳出が大きく、これに対応できる経済力が無かった。
クリンゴンのゴルコン総裁はこの事態を乗り越えるために惑星連邦との和平交渉を求めてくる。
クリンゴンを敵視するカートライト提督や、かつて息子をクリンゴン人に殺されたカークは和平に反対だった。
だが和平交渉は進められることになり、スポックはカークを和平使節のエスコート役に据えてしまう。不本意な任務に憤慨するカークだったが、エンタープライズはランデブーポイントへと向かう。
ゴルコン総裁の一行を食事会で歓待するカーク達。雰囲気は決して良いものとは言えなかったが、無事会談は終わる。
だが会談の後、総裁の船は光子魚雷の攻撃を受け、船内に侵入した何者かによって総裁は暗殺されてしまう。記録ではエンタープライズが魚雷を発射したことになっていた。
カークとマッコイは犯人として逮捕され、有罪判決を受けて流刑惑星ルラペンテへと収監される。
刑務所で出合ったマルシアという女性の手引きで脱獄したカーク達だったが、それはカーク達を亡き者にしようという罠だった。
2人は間一髪で駆けつけたエンタープライズに救助されたものの、次の和平会議も狙われるのは明らかだった。事態は急を要する。
カークとスポックは罠を張って船内にいる実行犯を炙り出すことにする。そしておびき出されたのは、スポックが信頼していたバルカン人士官のヴァレリスだった。
スポックは精神融合で彼女の心を読み取り、今回の事件がカートライト提督とクリンゴンのチャン将軍が共謀して起こしたものだと突き止める。
次の暗殺を食い止めるため、エンタープライズは和平会議が行われるキトマーへと急ぐ。
待ち構えていたチャン将軍のバードオブ・プレイをエクセルシオの協力で打ち破り、カーク達は会議場に乗り込んで暗殺の阻止に成功する。
和平会談は成功した。
この先の未来がどのようなものになるかは分からない。
だが人々を待ち受ける ”未知の世界” が素晴らしいものになることを、カークは強く信じるのだった。
補足情報や感想など
- 劇場6作目にして「宇宙大作戦」の完結編という位置づけのお話です。エンドクレジットには主要メンバーのサインが流れます
- 公開は1991年12月ですので、新スタートレックはシーズン5を放送中の頃です
- この劇場版の制作中にジーン・ロッテンベリー氏がお亡くなりになっております。そのため本作と、新スタートレックシーズン5の「潜入!ロミュラン帝国・前後編」はロッデンベリー氏の追悼作品となりました
- この劇場版の撮影はTNGシーズン4と5の間に行われており、エンタープライズDのセットをかなり流用して撮影しているそうです。注意深く見ると結構分かります(転送室とかワープコアはまんまですね)
- ウォーフ役のマイケル・ドーン氏がウォーフのおじいちゃん役で登場しています
- DS9のオドー役、ルネ・オーベルジョノワ氏がクリンゴンに化けた地球人役で出演していたりしますが、残念ながら顔の出るシーンは編集でカットされてしまいました
- 画面には登場はしませんがU.S.S.エクセルシオにはVOYのトゥヴォックが乗っています(VOY「伝説のミスター・カトー」と合わせて見ると大変楽しめます)秘書官ジェニーことジャニス・ランドさんもエクセルシオのブリッジクルーとして登場しますので、TVシリーズ初期からのファンには嬉しいところです
- プラクシスとかルラペンテ、キトマーやロミュラン・エールなどといった、他のシリーズでも度々登場する名称が多く登場する映画ですね
- カメロイド人という流動体生物が登場しましたが、この種族は今のところ他のシリーズには登場していません
- すぐ脱獄するだろうことはミエミエなので、刑務所に収監されても緊張感はないですね(苦笑)後にVOY「伝説のミスター・カトー」でもこのへんがジョークのネタにされています
- 今回の陰謀には一応ロミュランも絡んでいるのですが、台詞でちょっと出てくるだけで全く存在感がありません。まあ連邦とクリンゴンの和平というのが一番重要な部分なので、下手に絡ませなくて正解でしょう
- 宇宙大作戦のラストを飾るにふさわしい映画でした。特に難解なところも無く分かりやすいストーリーですし、テーマも未来への希望に溢れています。各キャラクターの活かし方も上手いですね。
初見の人に対するハードルも低く、それでいてファンに対するサービスも色々と盛り込まれていて、大変バランスの取れた映画だと思います。文句なしの傑作です
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