スタートレック:プロディジーS1第13話「この世はすべて舞台」あらすじや感想など【暫定】
(以下、ストーリーのネタばれを含みます)
第13話「この世はすべて舞台」”All the World’s a Stage” のあらすじ
“生きた武器" を無力化する方法が見つかるまで艦隊へ行くことは出来ない。
ならば、せめて船を良いことのために役立てようと決めたダルたちは、救難信号を追ってとあるMクラス惑星へとやってきた。
亜空間干渉のせいでセンサーが役に立たないため、ダルたちは転送で直接地上へ調査に赴く。
だがそこで出会ったのは、宇宙艦隊を微妙に間違った内容で模倣しながら生活する人々だった。
彼らの間では100年ほど前にこの惑星にやってきた “赤い服の少尉" が英雄として祭り上げられており、いつの日か艦隊が再びやってきて悪霊を退治してくれると信じられていた。そこにダルたちがやってきたのだ。
呆れて引き上げようとするダルだったが、住民には実際に悪霊による病気に苦しむ者がいた。そしてダル自身もその病気を発症してしまい……
情報を整理してみる
- 今回の宇宙歴は61296.9
- ”All the World’s a Stage”(この世はすべて舞台)というのは有名なシェークスピアのセリフからですね
- ディバイナーは意識を取り戻しましたが、これまでの記憶を失っていました
- 中継基地から脱出したフレックス中尉は、何者かに救助された模様です
- ジェームズ・T・カーク船長、スポック、スールー、ウフーラといった名前のパロディが次々登場していました。ドクターはマッコイではなく愛称のボーンズの方のもじりですね
- 病気の原因を探るために森へ向かったグウェン達が発見したのは、初代エンタープライズのクラスFシャトルクラフト7番機 “ガリレオ" でした。TOSシーズン1第16話「ゴリラの惑星」での活躍はあまりにも有名です。そもそもそのエピソードの原語サブタイトルが”The Galileo Seven”ですからね!
つまりあの有名なシャトルが、経緯の詳細は分からないものの、この惑星に墜落して埋もれていたというわけです - シャトルから漏れたプラズマが地中のダイリチウム鉱脈と反応していたのが、この惑星の亜空間干渉や土壌汚染による病気の原因でした
- 住民達にプロトスターの操縦を手伝って貰うため、ブリッジのコンソールをエンタープライズと同型のホロコンソールに変更しました
- シャトルに残されていた録音から、シャトルでこの惑星に墜落し遭難したのはガロビック少尉だと判明しました
ガロビック少尉はTOSシーズン2第13話「復讐!ガス怪獣」に登場したキャラクターです。突然登場した名前付き赤服キャラだったので死んでもおかしくなかったのですが、そのエピソードでは生き延びました(苦笑)でもその後こんなことになっていたんですね - ちなみに今回ガロビック少尉やドクターブーンズなど複数のキャラの声を担当されたフレッド・タタシオーレ氏は、ローワーデッキのシャックス大尉の声を担当されている方です
- 原因が分かったことで病気は治療され、シャトルが埋もれている地下洞窟も封印されました
- 宇宙艦隊は"艦隊の誓い"でファーストコンタクトについては厳しく規制していますが、セカンドコンタクトについては曖昧だそうです(ローワーデッキでもそんな感じの扱いですね)
- 船を持たず技術的に劣っていても、艦隊の精神を正しく受け継いでいた住民達に感銘を受けたダルは、プロトスター抜きで艦隊を目指す決心を固めます
- 体調を崩していたマーフは、サナギになってしまいました……
今回の感想
怒りに燃えるジェインウェイ(本物)が「ここからは狩りよ!」なんて宣言するガクブルな冒頭でしたが、そこからがあまりにも予想外。
ボーグ回の次がこれですかい! もはや子供向けニコロデオンチャンネルという建前を完全に捨ててますな!
こんなコッテコテのTOS(宇宙大作戦)ネタで来るとは!いいぞもっとやれ!
街で後ろにいたモブ住人達が「カークVSゴーン」やってたのには笑い転げましたわ(こんなの子供に分かるかよ!)
しかも埋もれてるのが「ガリレオ7」とかブッタマゲですよ。さらにプロトスターのブリッジをエンタープライズにしてしまうとかやり過ぎでしょ! でもそこで旧作テーマが流れるのはシビれるなぁ。
「ギャラクシー・クエスト」的な要素も感じられて、なんというか、子供番組というのにえらく凝った脚本をやってるなぁと、大変感心させられましたわ。
艦隊との不用意なファーストコンタクトでおかしな方向に文化が歪んでしまった人々、というお話はTOSでは割と普通にあって、代表的なところではTOSシーズン2第17話「宇宙犯罪シンジケート」なんてのが有名です。また、ファーストコンタクトではなくセカンドコンタクトを扱うというあたりはローワーデッキがよくやるような内容ですが、いずれにせよコメディ寄りになりがちなネタですよね。
このエピソードも序盤はTOSのキャラをもじった名前の住人が続々登場するなど、やはりコメディ寄りで進むわけですが、それだけで終わらさずちゃんとダルの成長に繋げてるのはさすがです。終わってみればシリーズの流れの中で必要なお話だったと分かります。
コメディエピソードをちゃんといい話でまとめるというのは、ベタですがやはり良いものですねぇ。
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