延命の最終手段? BSモールトン18インチ化の話【2021年版】
BSモールトンよさようなら……
2005年に購入し、最近はすっかり日常のお買い物用になっていた自転車のBSモールトン。
どうも乗り味がおかしく感じたのでチェックしてみたところ、タイヤが死んでおりました。
このタイヤはシュワルベというメーカーのコジャックという製品です。これで私がストックしておいた予備のタイヤは全て使い切ってしまいました。
タイヤがダメになった場合、普通は新しいものを買ってきて付け直すわけですが、BSモールトンはそれがなかなか簡単ではありません。
もともとモールトン用の17インチサイズという極めてレアな規格の製品のため、対応するタイヤ製品が極端に少ないのです。実質3種類しかありません。
うち一種類は本家モールトン用のタイヤで、ときどき思い出したように再生産されて市場に出てくるのですが、一本1万円というコストパフォーマンスの悪さと、いつ市場に出てくるか分からない供給の不安定さのため、ちょっと選択肢には入れられません。
そうなると残るのはこの2種類になります。
一応手に入るのですが、以前に比べて価格は上がっているようです。また、どちらも最近は再生産がかかっていないはずなので、店舗のストック品と思われます。要するに、日々劣化していくゴム製品なのに、プレミア価格化してしまっているんですね。
BSモールトン自体もメーカーの生産終了が2018年に公表されており、補修部品などが手に入らなくなっておりますので、ショップによっては修理対応を受け付けなくなっております。
まあ、かれこれ16年乗った自転車ですので、無理に延命せずこれで引退させようかな、と思っているところです。
しかし、どうしても延命したい人のために
2007年頃、一時期私はこのBSモールトンを18インチ化して乗っていました。当時別のブログで手法を書いていましたので、検索してこのページにたどり着くような方であればご覧になったことがあるかもしれませんね。
18インチ用のタイヤは17インチに比べれば一般的な規格ですので、選択肢はグッと広がるのです。
ただし欠点としてブレーキの効きが少々低下します。そのためあまりスピードを出す方にはお勧めできないやり方です。しかし17インチが本格的に死滅(?)の道に入りつつある現状では、延命手段としては有効かもしれません。
18インチ化の実際の手法
18インチという数字だけ見るとホイールが大きくなるような印象ですが、実際には規格の違いのため18インチの方が小さくなります。
2007年に撮った写真です。懐かしいなぁ。
この時はBD-1用のA-classホイールという完組ホイールを買ってきて使用したのですが、現在ではこのホイールは販売されていないようです。
当時BD-1は圧倒的人気のある小径車で、関連商品も多数販売されていたのですが、どうも輸入代理店が変わり名前も本来のBirdyになって以降は、当時のような勢いはなくなってしまっているようです。そういえばうちの近所の大型自転車店も取り扱いを止めてしまいましたね。
完組ホイールが手に入らないとなると、ホイールの部品を揃えて手組みするしかありません。
リムはこれが使えます。これにお好きなスポークとハブを使えばホイールは確保出来るというわけです。自分で組めるなら組めば良いですし、面倒ならショップに頼むのが早いでしょう(ただ小径車のホイールをしっかり組めるショップはかなり限られるんじゃないかと思いますが……)
次の問題はブレーキです。
ホイールが小さくなったと言うことは、そのままのブレーキではアーチが届きません。
当時私はアルホンガというメーカーの超ロングアーチブレーキを使って届かせました。
これだけの差があります。ただしアーチが長くなる分たわみも大きくなりますので、ブレーキの効きは確実に低下します。当時はこれが嫌で、結局17インチに戻してしまったのです。
アルホンガのこのブレーキは現在は販売されておりませんが、同様にアーチの長いブレーキは、現状ではこの辺りの製品が使えるようです。
テクトロですしこのアーチの長さですから効き具合は推して知るべしというところなのですが、本気で延命を考える場合はこのような手段も必要になってくるでしょう。
ただBSモールトンの場合、リアサスペンションのゴムクッションや、フロントサスペンションのエラストマーなど、どうしても劣化を避けられない専用パーツもあります。
この辺の維持を考えると、延命するにしても限度があることは間違いないです。
安全性も考えるなら、どこかで区切りをつけてスパッと引退させる方がいいんじゃないかと思うのです。
(と言いつつ、結局復活させてしまいました → こちらの記事)