スタートレック:プロディジーS1第10話「モラルスター・後編」あらすじや感想など【暫定】
(以下、ストーリーのネタばれを含みます)
第10話「モラルスター・後編」”A Moral Star, Part 2” のあらすじ
プロトコアが盗まれたことに気づいたディバイナーは、再びタルス・ラモラへと針路を向ける。
タルス・ラモラではジェンコム、ロックタック、マーフの3人が"Rev-12″ の動力を復旧させようとしていた。だが機関室の破壊状況は酷く、しかも停止していた看守ロボが活動を再開して機関室へと殺到してくる。
一方のダルとゼロは、タルス・ラモラの鉱夫全員を"Rev-12″ へと避難させるために奔走する。だが互いに言葉の通じない彼らを誘導するには、コムバッジの携帯翻訳機だけではあまりにも力不足だった。
その頃グウェンは、ついにディバイナーからヴァウ・ナカト族の母星である惑星ソルムのたどる歴史と、彼の背負った使命について聞かされるのだが……
情報を整理してみる
- 動力部の修理方法が思いつかず頭を抱えるジェンコムに対し、ロックタックはプラズマコンジットを使ってプロトコアのエネルギーを充填する方法を思いつきました。すっかりロックの方が科学知識でジェンコムの上を行くようになってしまいましたね
というか、ジェンコムはいわば機関部の現場技術者(TOSで言えばスコット)、ロックは知識の豊富な科学士官(TOSで言えばスポック)といった方向に、それぞれ別の成長をしているように思います - ダルは効率的に避難誘導を行うため、鉱夫全員が身につけている足首の監視装置を翻訳機に作り替えました。この辺はとてもスタートレックらしい解決法という感じがします。思いついて実行するダルも冴えてますね
- 団結した鉱夫達のおかげで転送で乗り込んできたドレッドノックを打ち破ることに成功しましたが、プロトコアは奪われてしまいました
- グウェンがホロ・ジェインウエイに施していたアップグレードのおかげで、実はホロ・ジェインウエイは乗っ取られてはおらず、乗っ取られたフリをしていただけでした
- グウェンは彼女と父親が一族最後の生き残りだと聞かされていましたが、実は惑星ソルムはこの時代では健在だと分かりました
ただし未来では惑星連邦と接触したことが原因で内戦状態に陥り、滅んでしまうとのこと - ソルムはかなり高度な科学技術を持った惑星でしたが、それまで他の文明との接触はしておらず、自分たちは宇宙に唯一の存在だと思っていたそうです。ディバイナーの態度からも想像できますが、かなりプライドが高く他民族を見下す傾向があるようです
- ディバイナーは歴史を変えるために未来から送り込まれたとのこと。その使命はソルムと惑星連邦とのファーストコンタクトの阻止にありました
- プロトスターには特殊な武器が設置されており、プロトスターが艦隊の別の船に接触すると、相手のシステムを破壊して艦隊の船同士で戦うように仕向けるとのことです。ダルが惑星連邦に行くのを拒み続けていたことが、偶然にも大正解だったわけですね
- ゼロが姿をさらしたことによりディバイナーは正気を失い狂ってしまいました。またゼロの姿を反射によって見てしまったことでグウェンも意識不明となり、目覚めたときには事件の記憶を失っていました……
- タルス・ラモラの鉱夫たちはRev-12で宇宙に旅立ち、ディバイナーはタルス・ラモラにただ一人残されることになりました
- 最後に登場した U.S.S.ドーントレスはNCC-80816 NCCナンバーということは正式に艦隊によって作られ登録された船ということです
VOYシーズン4第26話「裏切られたメッセージ」に登場したドーントレスは試作ナンバーのNX-01Aで、まあそちらは偽りの連邦艦なわけですが、わざわざあれを再現したということは、これは間違いなく量子スリップストリームドライブを装備しているということでしょう! - ドーントレス乗員の制服は、基本的にはローワーデッキの制服に似ていましたが細部が微妙に異なります。バッジの形状も違いますね
- 今回の宇宙歴は61103.1です。この前後編の間に西暦は2384年に変わりました
今回の感想
ディバイナーの目的がようやく明らかになりました。
要するに連邦とのファーストコンタクトが不幸な結果をもたらしたことに端を発する復讐劇だったのですね。しかも時間を遡っての歴史修正とか時間冷戦みたいな展開ですよ。こりゃまた過去作の要素を上手く取り込んでますなぁ。
自分は第7話の「ファースト・コン-タクト」の回の感想で「艦隊の誓いを破った結果どのような悪影響が生じるかという事までは、あまり具体的に突っ込んではいませんでした」なんてことを書いたのですが、ここでキッチリ描くために、あえてあの時はやらなかったんですね。そういう仕掛けでしたか!
ただまあ、ヴァウ・ナカトに起こった悲劇には同情しますが、結局は内戦によって同胞同士で争った結果ですし、その後の対応も過去に戻って宇宙艦隊ぶっ潰そうとか、目的のために罪もない人々を囚人としてこき使い、最後は躊躇無くまとめて殺そうとか、そういうところで全く共感は出来ません。これでは逆恨みから勝手なことしまくってるだけにしか見えないですよ。
ただ今回の説明だと、なぜプロトスターがタルス・ラモラに埋もれていたのかとか、肝心のチャコティ達の行方とか、まだまだ分からないことも多いんですよねー
ともあれタルス・ラモラにおける事件は一件落着、ダル達は晴れて惑星連邦へと進路をとることになるわけですが……
キャラクター達が健やかな笑顔で、凄くハッピーエンドの雰囲気で事件が終わっていて、おまけにジェインウェイがご丁寧に「プロディジー」のタイトル回収までしてくれているというのに、
視聴者から見ると「そのまま宇宙艦隊と合流しちゃ駄目ーーーーっっっ!」って叫びたくなる不安要素の塊という絶妙なクリフハンガーですよ。きゃーー!!
しかもトドメに登場する本物のジェインウェイ提督!!! ぎゃーーー!!
オマケに乗ってる船はドーントレスですよドーントレス!!ぎょえーーー!!
とんでもない形で「次回へ続く」をやってくれやがります。どう見てもスタトレ初心者向けの引きではありません(苦笑)
ちなみに本国の最初の配信の際は次回の配信まで8ヶ月待たされたそうです。生殺しですね。
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