スタートレック・エンタープライズ:S2第2話「スプートニクの飛んだ夜に」あらすじや感想など
シーズン2 第2話(通算28話)「スプートニクの飛んだ夜に」”Carbon Creek”のあらすじ
トゥポルがエンタープライズに勤務して一年。そのお祝いの夕食会の中、アーチャーは好奇心から一つの質問をする。
トゥポルは地球での休暇中に、ペンシルべニア州カーボンクリークの炭鉱街を訪ねていた。その理由が気になったのだ。
トゥポルは彼女の曾祖母に関する昔話を語り始める……
それは1957年、スプートニクが初めて衛星軌道を飛んだ日の出来事だった。
トゥポルの曾祖母、トゥミアが参加していたバルカンの調査船はエンジン故障で地球に不時着する。
生き残った3名のバルカン人達は、救助船が来るのを待ちながら街で人間として暮らし始めた。しかし司令部からの連絡は無く、帰還の望みは限りなく薄かった。
3人は街の人々と親しくなっていく。トゥミルはそのことに危険を感じるが、彼女自身もジャックという少年と交流するようになっていた。ジャックはとても頭の良い少年で、トゥミアと通じる部分も多かった。
そんな折、炭鉱で事故が起き12人の作業員が閉じ込められてしまった。クルーの1人メストラルは友人である炭鉱夫達を見殺しには出来ず、密かにフェイザーを使って彼らを救出してしまう。メストラルは一躍街のヒーローとなった。
3ヶ月後、ついに救助船から連絡が届いた。3日後には救助がやって来る。地球を離れるときが来たのだ。
トゥミアは、ジャックが資金難から大学進学を諦めるという話を聞く。そこで彼女はマジックテープを発明品と称して売り込み大金を作ると、匿名で寄付を行う。規則違反は承知だったが、せめてもの餞別だった。
そしてついに救助船が到着した。しかし地球人に大いに興味を持ったメストラルだけは地球に残ると言い出す。もちろん重大な規則違反だ。
もう一人のクルー、ストロンは当然反対するが、トゥミアはメストラルが死んだと報告して彼の意思を尊重する。
その後、果たしてメストラルがどのような人生を送ったのかは、誰にも分からないのだった……
補足情報や感想など
- SFマインドに溢れていて、こういうお話は大好きです。日本語サブタイトルも珍しく粋ですなぁ。個人的にはエンタープライズのシリーズ中で一番印象に残っているエピソードです
- 夕食会でのアーチャー達の会話もウィットに富んでいて楽しいです。このレベルの脚本を毎回見せてくれたらなぁ、と思ってしまいます
- 地球の文化に初めて触れるバルカン人の様子がかなり面白い! いつの間にかしっかり部屋を借りて仕事も見つけているという順応性の高さも凄いです
- 時代背景を知っていると更に面白いんでしょうね。「アイ・ラブ・ルーシー」とかが普通に会話に登場してますし(日本語吹き替えでは「ルーシー・ショー」と言ってますが、そちらは続編です。この劇中の年ではまだ放送されていません)
- バルカン人達が思いっきり感情に流されていて親近感が持てます。ストロンだけ影が薄かったのはちょっと残念ですが
- メストラルが本当に150年地球で暮らし、第三次世界大戦を生き延びていたのであれば、ゼフレム・コクレーンのファーストコンタクトを見ていたのかもしれませんね
(年表参照) - ちなみに現実でマジックテープを発明したのはスイス人のジョルジュ・デ・メストラル博士という人物だそうです。あーなるほど(苦笑)
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