スタートレック宇宙の地図(星図)銀河全体編
本編を見る際に役立つかもしれない宇宙地図
スタートレックには様々な惑星や星雲が登場しますが、劇中ではなかなかその位置関係などはわかりにくいです。
そこで簡単な地図(星図)を作ってみることにしました。知っておくと視聴する際の理解がちょっと深まりますよ、程度のごくシンプルなものです。
今回は銀河全体編。惑星連邦周辺編はそのうちやります(そっちは難易度がとても高いのです……)
今回は銀河全体編です
こんな感じになりました。細かい縮尺や位置関係についてはかなり大雑把なので、あまり突っ込まないでやってください(苦笑)もちろん建設的なご意見やアドバイスでしたら大歓迎です。
順に解説していきます。
この本がとても参考になりました
今回最も参考にしたのがこちらの書籍です。
2002年に発売された本です。
それまでのシリーズの地理的関係を上手く落とし込んで視覚化しており、名著といえましょう。
実はスタートレックには公式な宇宙地図というのが公開されておらず、名前はよく登場するのに位置がはっきりしない惑星も多いのです。ファンが作った地図や非公式なものは色々ありますが、どれも微妙に解釈が違ってます。
また劇中には実際に存在する恒星系の名前も数多く登場していますが、脚本家が適当に使ってしまっただけのものも多くて(苦笑)、位置関係が現実の星の位置とはかみ合わないことも多数だったりします。この本はその辺も「それなりに」上手く処理してくれているので、興味がある方は是非入手してみると良いでしょう。
ただもちろん英語版しかありませんし、2002年以降のシリーズの内容については当然反映されておりません。その後のシリーズで判明した惑星の位置などとは矛盾が生じることもあります。
惑星連邦は意外と狭い
スタートレックの主な舞台である惑星連邦の領域は、およそ8000光年四方程度とされています。
一方で銀河系の半径はおよそ5万光年、直径で10万光年、U.S.S.ヴォイジャーが飛ばされたのはおよそ7万光年の彼方で最大ワープでも70年以上の距離と語られていました。惑星連邦は銀河の大きさから見るとかなり小さい範囲でしかないことが分かります。
この狭いところにロミュランやクリンゴン、ブリーンにフェレンギにカーデシアやゴーン等もひしめいているわけで、ほかの宇宙域に比べて密度高すぎです。
ファイブイヤーミッションによる深宇宙探査、といってもせいぜいこの近隣程度と言うことですよ。銀河は広いですねぇ。
ヴォイジャーとベイジョーワームホール
ヴォイジャー放映当時から度々言われていたことに「なぜヴォイジャーはワームホールの方を目指さないのか?」という疑問があります。
これについては諸説ありますが、単純に「遠かったから」とするのが一番わかりやすいのではないでしょうか。上記の書籍でも大体この辺りにプロットされています。
地球を目指すのとあまり変わらないのであれば、素直に地球を目指すはずですからね。
ヒロージェンやケイゾンの行動範囲
図示している領域は、あくまでVOY時点のものです。
ヒロージェンはVOYシーズン4で初登場した種族ですが、その後シーズン7まで断続的に登場しています。スタートレックピカードでは連邦領域に出現したという情報もあります。
これはヒロージェンが中央政府を持たず、狩りのグループごとに宇宙に広がっている種族だからでしょう。でもプロディジーでヒロージェン星系という場所も登場していますので、過去には中央政府があったのかもしれませんね。実際、古代ヒロージェンが構築してくれていたネットワークのおかげでU.S.S.プロメテウスと通信が繋がったりもしたわけです。
一方ケイゾンはVOYの序盤にのみ登場した種族で、地球からはかなり遠い場所で活動する種族と思われていたのですが、プロディジーだと連邦領域内の貿易コロニーに普通に来ていたりします(えー)どうやらボーグの弱体化に伴いトランスワープチューブを利用して活動範囲を広げている模様です。
ケイゾンはボーグにすら「同化する価値なし」と言われるような種族なので、あまり連邦には来てほしくないですね(この辺には現実の不法移民問題に対する揶揄があるのかもしれません)
ボーグの領域
ボーグの領域はデルタ宇宙域にありますが、実際には銀河中にトランスワープチューブを張り巡らせているので、活動範囲は銀河中ということになります。
本拠であるユニコンプレックスの位置ははっきりしませんが、VOYシーズン5の際にデルタフライヤーが単独でたどり着いているので、シーズン5頃のヴォイジャーの位置の近くだろうというのは想像が付きます。
まあその際のデルタフライヤーはトランスワープコイルで強化されてましたから、一概には言えないのですが……
テラリジウムはどこ?
ディスカバリーに登場したテラリジウムの位置もプロットしてみました。
劇中でははっきりとした位置は示されていませんでしたが、地球から5万1千光年の彼方でベータ宇宙域となると、このあたりになると思われます。なにせ銀河の外周には銀河バリアがありますからね。もっと外側ということはないはずです。
タルス・ラモラはどこにある?
今回こんな地図を作ろうと思ったのは、タルス・ラモラの位置を検証したかったからというのが一番の理由だったりします。
PROシーズン1第11話の中で、タルス・ラモラがカリーナ星雲にあるというセリフがあります。
カリーナ星雲というのは実在の星雲で、ウィキペディアを参照すると地球からは6500光年から1万光年の距離にあるとのことなのですが、それだとデルタ宇宙域には全然距離が足りません。ストーリー上、タルス・ラモラはデルタ宇宙域にないと話のつじつまが合いませんので、現実の位置は無視するほかありません。
そこでVOY本編を調べると、シーズン7でカリーナ星雲が登場しているエピソードがありました。
シーズン7第6話「幻の帰還計画」がそれで、星雲の名前は出てきませんが天体測定ラボの画面にカリーナ星雲が映っています。まあ単にスタッフがお遊びで映していただけかもしれませんが、ポイントになるのはその次のエピソード、シーズン7第7話「セブンになったドクター」にあります。
このエピソードには「夢の窓」と呼ばれるバルサー星団が登場します。プロディジーでダルとグウェンの会話に出てきた星団です。これが近くにあるのであれば、やはりスタートレック宇宙におけるカリーナ星雲はこの近辺であると考えるのが妥当でしょう。
それにこの辺りであれば、PRO第5話「テラー・ファーマ」 でのプロトワープ初使用でデルタ宇宙域からガンマ宇宙域まで一気に移動した位置関係にも、まあまあ納得が出来ます。ヒロージェンの活動領域内ですからヒロージェン星系が近いというのも筋が通ります。
というわけで、VOYシーズン7頃のヴォイジャーの位置を書籍から拾って、タルス・ラモラの予想位置を図示したのが上の星図となります。
ただ連邦近辺から通常ワープでこの辺まで来ようとすると20年以上はかかるはずなので、フェレンギのナンディ船長がどうやってこの宙域までやって来たのかは謎ですね(やっぱりトランスワープチューブでも使ったのかな?)
あとは惑星ソルムの位置が分かればいいんですが、残念ながらこれはちょっと情報が少なくて難しいです。とはいえデルタ宇宙域にあって宇宙進出できる高度な科学を持ちながら、ヒロージェンにもボーグにも遭遇していないとすれば、かなり位置が限られてくるとは思うんですけどね。