スタートレック:プロディジーS1第9話「モラルスター・前編」あらすじや感想など【暫定】
(以下、ストーリーのネタばれを含みます)
第9話「モラルスター・前編」”A Moral Star, Part 1” のあらすじ
タルス・ラモラの全ての囚人達の命を人質にして、ディバイナーは船の引き渡しを要求してきた。
猶予はたったの一日。
人質の命を救うためにタルス・ラモラへ向かうか、それとも惑星連邦に助けを求めるか。クルー達の意見は割れるが、肝心のダルは決断できずにいた。
だがグウェンの言葉に後押しされ、ダルはこの「勝ち目のない」救出作戦に挑むことを決意する。
準備を整え、一丸となってタルス・ラモラへと戻ってきたプロトスターとクルー達。
ディバイナーとの交渉に臨むが、途中で条件を変更され、プロトスターだけでなくグウェンも引き渡すことになってしまう。
交換条件として、かろうじてディバイナーの船「Rev-12」を手に入れることにはなったものの、ディバイナーは去り際にRev-12の動力を破壊してしまった。
動力の喪失によりタルス・ラモラの大気シールドと人工重力が消え、生命維持装置停止まであとわずかという困難な状況に陥るのだが……
情報を整理してみる
- 原題の「A Moral Star」は「Tars Lamora(タルス・ラモラ)」のアナグラムとのこと
直訳すると「道徳的な星」ですが、ここは「誇り高き星」とか「高潔な星」という感じで訳したいところですかね。"星"とはもちろんダル達プロトスターのクルー達を指すということで - 前回のラストで思わせぶりにレプリケートされていたドレッドノックの頭部には、ディバイナーからのメッセージが録音されていました
- ダルはこの救出作戦をコバヤシマル・シナリオになぞらえて「勝ち目がないシナリオ」だと表現しました
- 作戦の準備を整えるシーンは、ちゃんとこの後の展開への伏線が詰め込まれていて芸が細かいです
- クルー達が着た制服は、試作艦であるプロトスター向けにデザインされたオリジナルの物だそうです(この時代の正式な艦隊の制服は、ほぼ同じ時代を舞台にしているローワーデッキの方で見ることが出来ます)
- 「助けを求める人々のために、絶望の中に希望を見いだそうとする貴方たちの行いは、紛れもなく宇宙艦隊です」というジェインウェイの言葉がグッと来ます
- ダルがついに"艦長"として発進号令をかけました。彼の場合のセリフは「Go fast」でした!
- プロトスターはディバイナーに引き渡され、ホロ・ジェインウェイもプログラムを書き換えられて乗っ取られてしまいました
- タルス・ラモラの囚人達は開放され、看守ロボットも停止しました
- グウェンはディバイナーとともに行くことになりましたが、それはダル達がRev-12を手に入れて囚人達を脱出させるための、時間稼ぎを狙った策略でした。ディバイナーをまんまと誘導したわけですね、すげえ
- マーフの胃袋にプロトコアを隠して、まんまとコアを盗み取りました(えぇー!)
- 密かに転送でタルス・ラモラに降りていたゼロと合流し、ダル達は反撃を開始します……
今回の感想
ほんの20分ほどの本編の中で緩急の付け方が実に上手いです。
みんなの気持ちが一つになって揃いの制服を着込み、いざタルス・ラモラへと向かうシーンは本当に盛り上がります。この時のジェインウェイのセリフがまたいいんだこれが!
しかしそこから一転、いざディバイナーとの交渉では不穏な空気が強くなり、船もグウェンも奪われて絶望的な状況に。と思ったら実は……とまあ、展開がスピーディーで飽きさせませんですよ!
上書きされて悪い顔になったジェインウェイが、本当に"悪魔"っぽい顔色と目つきになったのには笑った。
コバヤシマル・シナリオに挑んだ経験によってダルが慎重さや命を守る覚悟を身に付けていたりとか、光子手榴弾でも無傷だったマーフの胃袋がこんな形で使われるとか、これまでのお話がきちんと伏線として活かされている辺りも素晴らしいですね。
でもさぁ、マーフがプロトコア飲み込んでるってのには「ええええぇぇぇーーーーーっっっっ!」ってビックリですよ(苦笑)これが出来るなら前回みたいにコアが不安定になってもとりあえずマーフに飲ませとけば大丈夫じゃん!
そして交渉で負けたように見せつつ、実は計画通りに状況を誘導していたというダル達のしたたかさ! いやはや、これには見ているこっちも騙されます。
とにかく良く練り込まれたシナリオで、全体的に非常にレベルの高いお話でしたよ。すぐにでも次回を見たくなりますね!
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