スタートレック:イントゥ・ダークネス あらすじや感想など
劇場版12作目「イントゥ・ダークネス」のあらすじ
2259年
艦長として活躍しているカークだったが、言動の自由奔放さは相変わらずだった。
惑星ニビルでのミッションで艦隊の誓いを破ったカークはついに降格されてしまう。
そんな中、ロンドンの艦隊施設がテロに遭い、緊急で艦隊上層部のメンバーが招集された。だがそれは罠だった。
会議場を狙った何者かの攻撃でパイク提督は命を落としてしまう。
ロンドンの施設は”セクション31”という極秘の諜報部の基地だった。マーカス提督によると、犯人はそこに所属していたジョン・ハリソンという男らしい。
ハリソンはトランスワープ転送でクリンゴンの母星クロノスに逃亡していた。
カークは提督に掛け合って艦長に復帰すると、エンタープライズでクリンゴンへと向かう。提督から与えられた命令は新型魚雷でハリソンを攻撃し殺害しろというものだった。
だがチャーリーは正体不明の魚雷を乗せることに反対して船を降りてしまう。
スポックも暗殺まがいの任務に反対し、カークは犯人を殺害ではなく逮捕し裁判にかけると宣言する。
カーク、スポック、ウフーラの3人は押収品の貨物船を使ってクロノスに潜入するが、パトロールに発見されてしまう。
劣勢のカーク達を助けたのはハリソンだった。彼はクリンゴン部隊を全滅させ、魚雷が72本あることを確認すると抵抗せずに投降してくる。
ハリソンはカークにある座標のデータを教え、魚雷を解体して見ろと告げる。
カークは地球にいるチャーリーに座標地点の調査を依頼し、提督の娘のキャロル・マーカス博士とマッコイの2人は無人の小惑星で魚雷を解体する。
魚雷の中には冷凍睡眠状態の人間が隠されていた。
そしてハリソンの正体は、かつて優生戦争を引き起こした優生人類のリーダー、カーンだったのだ。
バルカン星の破壊後、艦隊は辺境の調査を積極的に行いカーン達の眠る船(SSボタニー・ベイ号)を発見した。マーカス提督は優生人類の優れた頭脳を利用し、艦隊を強力な軍隊にしようとしていたのだ。
カーンは仲間を人質にされて協力させられていたが、仲間を殺されたと考え復讐に牙をむいていたのだ。だが仲間達は冷凍睡眠状態で生きていた。
そこにマーカス提督がU.S.S.ヴェンジェンス号で現れる。
カーンの引き渡しを要求する提督の命令に逆らいカークは地球に向けてワープするが、簡単に追いついてきたヴェンジェンス号はエンタープライズを攻撃し大ダメージを与えてしまう。
機能を失い絶体絶命のエンタープライズを救ったのは、ヴェンジェンス号に潜入していたチャーリーだった。
チャーリーがヴェンジェンス号の動力を止めた隙に、カークはカーンと共にヴェンジェンス号へと乗り込みブリッジを占拠する。しかしカーンは裏切って提督を殺し、ヴェンジェンス号を奪ってしまう。
カーンは人質交換を要求し、カーク達を戻す代わりに仲間達の入った魚雷を転送させる。
目的を果たしたカーンは、すぐにエンタープライズを攻撃してきた。
だがスポックもこの事態を予想していた。転送した魚雷からは優生人類達は取り除かれており、スポックは躊躇無くそれを爆発させる。ヴェンジェンス号は機能を失って地球へと墜落していく。しかしエンタープライズのダメージも大きく、ついに全ての動力が停止してしまう。
カークは死を覚悟でワープコアを修理し、エンタープライズは地球への墜落を免れる。しかしカークはスポックの見守る前で息を引き取った。
カーンは墜落したヴェンジェンス号から逃亡した。カークを失い怒りに燃えたスポックはカーンを追跡する。
激闘の末カーンは捕らえられ、他の優生人類達と共に再び眠りについた。
カーンの特殊な血液の力に気づいたマッコイのおかげで、カークは息を吹き返す。
そして1年後、新たに5年間の探査任務が与えられたエンタープライズは、未知の宇宙へと挑むのだった。
補足情報や感想など
- リブート版スタートレックシリーズの劇場版2作目、スタートレックシリーズの劇場版としては12作目にあたります
- 前作に引き続きケルヴィン・タイムラインを舞台にしています
- 新シリーズ2作目ですが、旧シリーズの2作目「カーンの逆襲」のセルフパロディ的内容になっていて、ファンにはニヤリとさせられる展開があります
- 今回はカーンを筆頭に、セクション31やトリブル、デイストロームやクリンゴンと言った旧作の要素を前作より多めに配置しており、こういったところでファンサービスをかなり意識しているような印象があります
- 前作同様、全体的にアクション重視でスピーディに展開する今風のアクション映画という感じがします。めまぐるしくて退屈しませんね。ちょっと慌ただしいですが
- とはいえ、ファン目線で見ると疑問に思ってしまう点もあります。特にクリンゴン。わざわざ出す意味も必要もあまりないんですよねぇ
戦い方はあまりクリンゴンっぽくないですし、困ったことに外見のデザインまで変えてしまっています。余計な混乱を生んでしまいましたね - クリンゴンの母星クロノスの月「プラクシス」がもう壊れているのは劇場で見て驚いたポイントでした
プライム・タイムラインではプラクシスの事故によるクリンゴンの国力低下が連邦との和平の切っ掛けになるのですが、ケルヴィン・タイムラインではマーカス提督とカーンの工作により破壊されたという設定だそうです - U.S.S.ヴェンジェンスはナラーダ号が持ち込んだ未来のオーバーテクノロジーが反映された戦艦ですが、ちょっと強すぎますね(苦笑)
ボーグテクノロジーも使われているのでしょうが、木星のドックの外装をボーグキューブっぽくしてしまったのは失敗じゃないかしら。初見の際は一瞬混乱してしまいましたよ - 冒頭の惑星ニビルのシーンは、エンタープライズが海から現れるシーンが見所でしたね~。艦隊の船が水中に潜るなんてのは極めて希なシーンですよ!
- ブルース・グリーンウッド氏の演じるパイク船長がいい味を出してるんですが今回で退場です。パイク船長はどの時間軸でもろくな目に遭いません(苦笑)スパイダーマンのベンおじさんみたいな立場ですね
- ピーター・ウェラー(ロボコップ!)の悪役演技もハマっていて良いです。「クルーを助ける気はない」って辺りは憎たらしい悪役って感じが凄いです
- クロノスまで飛べるトランスワープ転送はかなりオーバーテクノロジーでしたね。正直戸惑いました
- 押収品の貨物船はハリー・マッドの物のようです(ハリーはTOSとTASとDISに登場する詐欺師です)
- キャロル・マーカスはチャペル看護婦と友達だそうです。カークはチャペルにも手を出していたようで、どうもそのせいでエンタープライズに乗っていないようです(えー)
- こちらの世界ではゴーン人とは接触済み、マッコイは出産に立ち会い帝王切開を行ったそうです
- 木星のドックもヴェンジェンス号も設備は凄いし馬鹿でかいのに警備はザルですね。月のすぐ横でドンパチやってるのに何の対応にも来ない艦隊本部も迂闊だし
- 例によって高いところでの肉弾戦が始まると、そろそろお話もクライマックスだなと分かります(笑)
- 全体的に家族愛と復讐がテーマになっていますが、日本公開時のポスターにあった「人類最大の弱点は愛だ」というキャッチコピーは、取って付けたようでイマイチでしたね(苦笑)
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