ヒートテックと乾燥肌
すっかり冬の肌着として定着しているヒートテックですが私は昨年から購入をやめています。
ご存じの方も多いとは思いますが、ヒートテックが「あたたかい」というメカニズムは、使われている「吸湿発熱繊維」によるものです。ですがこの素材は、皮膚から水分を奪っていくという欠点も持ち合わせているのです。
もともと子供の頃からあまり肌が強い方ではなかったのですが、若いうちは肌にも潤いがありますのであまり問題にはなりませんでした。しかしだんだんと歳を取るに連れ、この吸湿発熱繊維が肌に合わなくなってきました。
最初に影響が出てきたのは足首周りでした。ヒートテックのタイツを使っていたのですが、その上から靴下が押さえつけて肌に密着させていたこともあって、乾燥肌が思った以上に進んでしまったんですね。
乾燥肌が進むと神経が過敏になって、かゆみを感じやすくなるそうです。実際なりました。また乾燥肌だと衣服との摩擦で静電気も起きやすくなってしまいます。いいことはないですね。
またヒートテックは汗を吸った後の乾きはあまりよくありません。たくさん汗をかく状況ではヒートテックは汗冷えをもたらす危険な肌着でもあります。
こうなってくると、積極的にヒートテックを選択する理由はなくなってしまいます。
日常的に使う肌着は
今では日常で使う肌着はやはり綿にしておくのがベターと考えています。価格も安いですし肌にも優しいです。化学繊維のように静電気が起きやすいと言う事もありません。
ちなみに、化学繊維にもプラスの静電気を起こしやすい繊維とマイナスの静電気を起こしやすい繊維があります。プラス側の繊維の服を着た上にマイナス側の繊維の服を着たりすると、両者の摩擦で大量の静電気が発生してしまうそうです。
- プラスの静電気を持ちやすい繊維・・・ナイロン・ウール・レーヨン
- 中立の(静電気が起きにくい)繊維・・・絹・綿・麻
- マイナスの静電気を持ちやすい繊維・・・アセテート・ポリエステル・アクリル
乾燥シーズンの重ね着で迷ったら、中立の天然繊維を選んでおくと静電気の発生をだいぶ抑えられるとのこと。
ただ綿は汗を吸いやすく乾きにくいという最大の欠点もあります。冬場に汗をかいてしまうとまず間違いなく汗冷えしてしまいます。極端な例ですが、冬山の遭難者で綿の下着を着ていた人は凍死し化学繊維の下着を着ていた人は助かった、なんて話もあるくらいです。
冬の外出時に綿の肌着を着ていて汗をかきそうなときは、着替えを用意しておくくらいの準備はしておくに超した事はありませんね。
(余談)汗をかく環境では高機能な肌着を
私は冬場に自転車で出かける際にはヒートテックは絶対に避けますが、わりと汗をかきますので綿というわけにもいきません。
そういうときのアンダーウェアにはモンベルのジオラインをメインにしています。ジオラインはもともと登山向けのアンダーウェアですが、その発汗性能の高さからトレイルランニングやサイクリストの間でも定番の商品です。
自転車の場合は薄手のLWという製品でほぼ大丈夫ですが、気温によっては中厚手のMWと使い分けたりもします。
しかしジオライン単独で用いるより、そのもう一枚インナーとしてファイントラックのスキンメッシュを使うのが超オススメです。
これを使うと汗の戻りがなくなって汗冷えのリスクを相当減らす事が出来ます。ただこれはジオラインのような汗を吸いやすく速乾性も高い肌着と組み合わせて使う必要があります。
このスキンメッシュという下着は汗を素早くジオラインの方に逃がしてしまって、肌に触れるスキンメッシュ自体はサラサラした感触を保ってくれる、という製品なのです。ここを勘違いすると全く役に立たない高い買い物になってしまいます。
まあそれだけ対策しても汗冷えするときはしますので、なかなか難しいところです。
本当に汗冷えの危険があるときは着替えを持っておくのが一番確実な手段だとは思いますけどね。